第12章 それから
第130話 新年を迎えて
大晦日。
俺は母さんと瑞希と3人で過ごす事になった。
みんなも、それぞれの家族と過ごしている。
そして、明日の朝、俺とシオン、柚葉、翔子、黒絵、それと瑞希で初詣に行くことになっている。
今現在、大掃除を済ませ、みんなで年越しそばを食べながら、紅白を見ている。
「・・・そう言えば、総司、明日の朝、初詣に行くのでしょう?瑞希も一緒に。」
「ああ、そうだな。」
「瑞希、あなた着物着ていく?」
「え?あるの?」
「ええ、あるわよ。どうする?」
「着る!!」
「そう。じゃあ、総司、時間を教えてくれるかしら?」
「わかった。時間は・・・」
こうして、大晦日の夜は更けていく。
それにしても・・・今年は、本当に色々あったなぁ・・・
シオンとの出会い、柚葉と仲直りをして、翔子が引っ越してきて、黒絵とも改めて縁を結び直した。
そして、俺達は婚約者となった。
一年間でこれだ・・・これからの人生、さぞ激動になるのだろうなぁ・・・
そんなこんなで、間もなく午前零時をまわる。
Pon!
携帯に通知があった。
Pon!Pon!Pon!
その後にも、立て続けてに3つ。
携帯を見ると、LINに通知だった。
『今年は色々あったけど楽しかったわ。みんな、良いお年を。』
『私も楽しかった!そーちゃんも、みんなも、良いお年を〜!』
『今年もありがとうございました。よい、お年を。』
『今年一年幸せだった。来年もよろしく頼む。良いお年を。』
グループでやっているLINの通知を見て、思わず微笑む。
『本当に楽しい一年だったよ。色々とありがとう。来年も楽しみだ。良いお年を。』
ポチポチとLINを送る。
「お兄ちゃん・・・良かったね。」
そんな声がして、瑞希の方を見る。
「私ね?本当に嬉しいんだ!お兄ちゃんが幸せそうで!」
「・・・ありがとな。瑞希。」
可愛い妹の言葉に、思わず微笑みが出る。
頭を撫でると、猫の様にふにゃりとした顔になった。
「もう・・・お兄ちゃん、子供扱いしないで〜。」
口ではそんな事を言いつつも、嬉しそうに蕩けている瑞希。
やっぱり、まだまだ可愛い妹だ。
母さんは、そんな俺達を微笑ましそうに見ていた。
そして・・・
『零時をまわりました!Happy New Year!!』
テレビからそんな声が聞こえて来る。
Pon!Pon!Pon!Pon!
一斉にLINに通知。
それはあいつらからの新年の祝の通知。
俺もLINを返す。
『明けましておめでとう!今年もよろしく!去年よりもな。』
そう打って携帯を机に置くと、笑顔で、母さんと瑞希が俺を見ていた。
「明けましておめでとうお兄ちゃん!嬉しそうだね!今年もよろしく!!」
「総司、瑞希、明けましておめでとう。今年もよろしくね?」
「ああ、今年もよろしく。」
こうして、少し仮眠を取って朝を迎える。
そして・・・
「改めて、明けましておめでとう、今年もよろしくね?総司♡瑞希ちゃんもよろしくね!」
「ああ、明けましておめでとうシオン。よろしくな?」
「そーちゃん、みーちゃん、明けましておめでと〜!今年もよろしく〜!」
「おう。明けましておめでとう、よろしくな柚葉。」
「総司くん、瑞希ちゃん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。総司くん、姫始めはいつにしますか?今日ですか?今からですか?着物プレイします?」
「翔子、明けましておめでとう。新年早々ぶっとび過ぎだ。瑞希もいるんだから、もうちょっと押さえてくれ。」
「ソウ、瑞希ちゃん明けましておめでとう。今年もよろしく頼むよ。」
「ああ、黒絵、今年もよろしくな?」
「お義姉ちゃん達、明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!!」
みんなで初詣。
女性陣はみんな着物だ。
眼福である。
それぞれ、とても良く似合っていて、素晴らしい。
道行く人が、みんな見ている。
中には、新年早々、シオン達に見惚れて喧嘩になっているカップルも居る。
申し訳無いと思う反面、誇らしくも感じる。
綺麗なみんなを見てもらいたい!という気持ちと、俺のだから見るな!という相反する気持ちもある。
そんなこんなで、地元の神社にてお参りだ。
俺が願うのは・・・いや、誓うのは一つ。
『俺はみんなを幸せにする。それを誓う。どうか見守っていて下さい。』
というものだ。
神様は願いを叶える存在では無く、ただ、見守ってくれるモノだと俺は思う。
だから、”お願い”ではなく、”誓い”なのだ。
俺達五人だけでなく、母さんや瑞希、琴音さん、翔一さんや清見さん、翼さん、双牙さん、葵さんもだ。
俺は、みんなの家族も、もう自分の家族だと思っている。
この先、色々と大変な事もあるだろうけど、改めて乗り越えよう、そう心に誓うのだった。
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