第129話 クリスマス(9)

 クリスマスイブ・・・聖夜は性夜に変わり、それは翌日以降も続いた。

 宿から一歩も出ずに(俺だけ)ただ、ひたすら腰を動かした。

 

 女性陣は、自分が空いている時間に、本館に行ってお土産やお菓子を買ったりしている。

 たまに思い出した様に写真を撮ったりもする。


 みんなで温泉に入っているような、かなり際どい写真も撮った。

 もっとも、流石にバスタオルを巻いたものだが。


 そして、最終日の夜。


「さあ、ソウ!ラストスパートだ!後、8枚残っているぞ!明日の朝までに使い切るのだ!!」

「・・・もう、勘弁してくれ・・・」


 俺は、疲れ果ててぐったりとしていた。


「ダメだよそーちゃん!私も、だいぶ痛くなくなって来たんだからね!頑張って!!」

「・・・頑張ったろ?死ぬほど頑張っただろ?」


 ほんと、頑張ったと思う。


「総司くん、足りません。まだ、足りません。なんなら、つけなくても・・・」

「いや、そこはしっかりとする!」


 まだ、子供を作るつもりは無い。

 それは、就職してからだ。


「総司?なら頑張りなさい?もし、使い切る前に動けなくなったら、その時には動けない総司を好き放題にするわよ?勿論、何もつけずにね。」

「・・・どんな脅しだそれ・・・わかった!わかったよ!!ええ〜い!!かかってこい!!」


 ・・・俺は頑張った。

 頑張り抜いた。


 そして、全てを使い切り・・・現在は入浴中だ。

 シオン達も一緒にな。


「はぁ・・・あ〜!すっきりしたわ!!」

「ああ、受験のストレスは無くなったな。これでワタシに死角は無い。」

「ふぅ・・・でも、これからは気軽に出来るねぇ!お母さんにも報告しなきゃ!!」

「私はもうお母さんに報告しましたよ・・・準備は整った、と。」


 他の3人もそうだが、翔子の発言に特に不穏なものを感じる。


「・・・翔子。お前は何をするつもりだ?」

「愚問ですね総司くん。するのは私ではありませんよ?」


 怖い。

 只々、怖い。

 間違いなく翼さんが関わっているな。


 ・・・東儀の家には行かないようにしよう・・・


「にしても、こんな良いものだったとはね〜。今までしてなくて損した気分だわ。」

「まったくだね。それもこれもソウの決断が遅いからだ。やれやれ。」

「うん。初めは本当に痛かったけど、ここ3日で慣れたからね〜。これからは、どんどん頑張るよ!」

「ええ。黒絵さんほどじゃなくても、これからは私も、もっと体力つけないと!」


 ふんす!と鼻息を荒くしている翔子他3名。


 ・・・俺は当分、しなくても、良い。

 それくらい頑張った。


 この後は普通に寝た。

 普通に・・・左側に柚葉、反対側に翔子と黒絵、上にシオン。

 翔子はぴたりと俺にくっつき、それを抱き込むように俺にしがみつく黒絵。


 ・・・寝られるか!!

 なんでこいつら普通に寝息立ててんの!?

 あちこちから柔らかい感触やら甘い匂いやら、寝息が首筋を撫でるやら、たまにシオンの太ももの感触が股間を触るやら・・・


 あんだけしたのに、また反応しちまったじゃね〜か!!

 もう、痛て〜んだよ!!


 俺が寝づらそうに身体を動かすので、シオンがもぞりと動いて、眠そうに目を開けた。

 

「・・・ふぁぁぁ、なぁに総司?また大きくして・・・まだ、シたりないの?」


 寝ぼけながらシオンが言う。

 そうじゃない!!


「・・・んなわけあるか。寝られね〜んだよ!密着されすぎて!」

「・・・仕方がないわねぇ。なら、脱ぐから入れときなさい?無しでも良いわね?」

「良くねぇ!」


 良い訳がない。


「もう・・・うるさいわねぇ・・・ほら、脱いだから、後は好きにしといて・・・おやすみ〜・・・ZZZ」


 ・・・信じらんねぇ・・・

 マジで寝やがった・・・


 ・・・はぁ。

 仕方がない。

 なんとか目を閉じていよう。

 まだ、俺はつけずにするつもりは無いし。


 万が一、出来ちまったら、シオンの将来を潰す事になっちまうからな。

 

 あ〜・・・きっつい・・・

 結局ムラムラしたままかよ!!


 目を閉じ、ムラムラを消すために今までの事を思い返す。

 こいつらとの出会いから思い返していると、自然と治まってきた。

 

 空は、まだ暗い。

 夜明けまで、まだ3時間位あるだろう。

 

 少しでも寝ておこう。

 おやすみ、シオン、柚葉、翔子、黒絵。


 俺は、お前らとこうなれて幸せだ。

 本当にありがとな・・・俺を導いてくれて。

 感謝は、この先一生をかけて返す。

 幸せにする事でな・・・


 俺は、そんな事を考えながら、まどろみの中に消えていった。













 ん?

 朝か?

 なんかす〜す〜して・・・気持ち良い感触が・・・


ほふひそうじほひた起きた?」

「ぐぅ!?な、なんだ!?何して・・・くぅ!?」


 一瞬惚ける。


「ごくん・・・ぷはっ!!・・・中々、顎が疲れるわね、これ・・・味も独特だし。」

「お、お、」

「?お?おはよう?」

「違う!お前何やってんだ!シオン!!」

「何って・・・フェ」

「言うな!!!見りゃ分かるわ!!」


 俺はシオンに叫ぶ。


「何よ。自分から聞いたんじゃないの。それに、周りを見たら?」

「周り?・・・って・・・」


 キラキラした目で、俺とシオンを見ていた柚葉、翔子、黒絵がいた。


「・・・お前ら、何してんだ?」


 その目に、背筋にひやりとした物を感じる。


「ソウ、おはよう。次は、ワタシの番だな!どれ、上手くやって見せよう!」

「その次は私です。まだ、チェックアウトには時間がありますからね!」

「うんうん。翔子ちゃんの次は私だよ!朝ごはん前には終わらせるね?そーちゃん!」


 ・・・嘘だろ、おい?


「・・・なんでこうなった?」

「あ、これ?一応、ジャンケンで順番決めたわよ?総司、頑張ってね?」

「知りたかったのはそれじゃねぇ!!」


 こうして、最後の最後まで翻弄され続けたクリスマスは幕を閉じた。

 ・・・てゆ〜か、これからの付き合いに背筋を凍らせる。


 果たして、俺は、寿命で死ねるんだろうか?

 幸せに・・・出来るかなぁ・・・?

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