第128話 クリスマス(8)

「・・・総司ぃ・・・」

「・・・」


 俺は、シオンの頭を撫でる。

 シオンは、俺の胸に頭をこすりつけていた。

 その顔には疲れもあるが、満足そうにも見える。

 痛みもあったろうに、俺の全てを受け止めてくれた。

 その愛の深さに、改めて嬉しくなる。


「シオン、ありがとう。」

「・・・なぁに?改まってお礼なんて。」

「いや・・・良いんだ。ありがとう。」

「・・・変な総司。でも・・・受け取っておくわ。こちらこそ、ありがと♡」


 シオンはにこりと笑った。

 ・・・全部わかってる癖に。


「はぁ〜にしても・・・喉カラカラよ。総司、向こう行って飲み物飲もうよ。」

「ああ、そうするか。」


 俺とシオンはキスをしてから立ち上がり、浴衣を着る。

 そして、隣の部屋に行くと・・・おい、お前ら、何故赤面している?


「・・・なんだよ。」

「・・・何よ。」


 俺とシオンが三人にそう言うと、3人は顔を見合わせた後、黒絵が咳払いをした。


「・・・ゴホン。あ〜なんだ・・・その・・・二人がちょっと情熱的過ぎてな。こちらまで当てられてしまった。」


 ・・・あ〜・・・なるほど。

 そうかもしれん。

 俺もシオンも我を忘れていた自覚があるし。

 

 お互いに顔を見合わせる。

 シオン・・・顔、真っ赤だな。


「総司、あんた顔真っ赤よ?」

「・・・奇遇だな。俺もシオンの顔が真っ赤だと思っていた所だ。」

「「・・・」」


 そして、お互いに俯いてしまった。


「ま、まぁいいんじゃない?そーちゃんもシオンちゃんも、愛し合ったって事で!」

「・・・ええ、そうですね。みんなそうだったんです。恥ずかしい事ではありませんよ。」

「そうだな。さて、どうだ?二人も汗だくだろう。みんなで風呂でも入ろうでは無いか。もう、隠す必要も無いだろうし。」


 黒絵の言葉に、少し考える。

 ・・・まぁ、今更バスタオルで隠す必要も無い、か。


「ああ、そうするか。」


 風呂に行って汗を流す。

 そして周りを見回す・・・う・・・


「あ!?そーちゃんまたおっきくしてる!!あんだけしたのに!!」


 うぇ!?見つかった!?


「し、仕方がないだろ!!こうやって見たら・・・興奮しちまったんだよ!!」


 右を見ても左を見ても、極上の女の子が裸でいるんだぞ!?

 興奮しないわけないだろ!!

 もっとも、もう反応するだけで痛いくらいになっているがな。


「あはは。まぁいいじゃないの柚葉。興奮してくれるって事は、魅力があるって事なんだからさ。」

「そうだな。我々の魅力に、ソウが参っているって事だ。むしろ嬉しく思おう。それに・・・なぁ?翔子?」

「ええ、黒絵さん・・・まだ、出来るって事ですものね。」


 俺を妖艶に見る3人。

 ・・・え?

 まだするのか?


「い、いや、もう今日は良いだろ?みんな疲れてるだろうし・・・俺も痛くなってきてるし・・・」

「まだ出来るぞ?」

「まだ出来るわよ?」

「まだ出来ますよ?」


 ・・・くっ!!

 俺、もうそろそろ限界なんだが・・・そうだ!


「柚葉!柚葉はまだ無理だろ!?な!?だから今日はもう休んで・・・ってあれ?どこ行っ・・・」

「・・・そーちゃん?えい♡」

「はうっ!?」


 足元!?

 お、お前何して・・・


「むにむに・・・こうかな?こうかな?」

「や、やめろ・・・うう・・・くっ・・・!?」

「えい!えい!」

「あああ・・・やめろ〜・・・」


 何とは言わないが、柚葉最大の攻撃を現在受けており、陥落しちまいそうだ!!

 

「くくくっ。ソウ。どうやら、まだまだ行けそうだな。どうする?みんなでするのか?」

「し、しない!!それは最初に・・・くっ!?・・・き、決めただろう・・・が!!」

「なら、もう一巡行くとしますか!さ、黒絵、総司を連れてって。」

「ああ、任された。」

「総司くん?次は私ですからね〜?」

「そーちゃん。今日中に気持ちよくなるようにしてね♡」

「総司、勿論あたしも、もう一回するわよ。その後は・・・その時考えましょう。」


 ・・・おいおいおいおいおい!

 こいつらどれだけするつもりなんだ!?

 こんなん身体が保つか!!


「ま、待て!待ってくれ!!お前らいったいどれだけを見越して・・・」

「あ、みんなで、一ダースを3箱買ってるから、今回の旅行で全部使い切りましょうね♡」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 死ぬ!

 死んじゃう!!

 俺、死ぬって!!


「さぁ、ソウ!シオンに負けず、情熱的にするぞ♡」

「た、たすけ・・・」


 ガラガラピシャッ!!


 黒絵に引きずられて、寝室に引きずり込まれる。


 あああああ・・・俺、早まったかなぁ・・・光彦・・・たすけ・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る