第126話 クリスマス(5)翔子の場合

「はぁ・・・はぁ・・・」

「・・・ソウ・・・大好き・・・ん・・・」


 荒い息で、黒絵を抱きしめ、キスをする。

 黒絵は緩んだ微笑みを見せて、それを受け入れてくれた。


「・・・痛く無かったか?」

「・・・いや、ワタシはそもそも修練などで激しく動いていたからか、その・・・痛みは無かった。血も出ていないしな。」

「そうか・・・」


 俺がふうっと息を整える為に息をつくと、黒絵は焦ったようにあわあわしはじめた。


「ち、違うぞ!ソウ!ワタシは未経験だからな!お前以外の誰ともしていない!」

「・・・アホ。」

「あたっ!?」


 俺は苦笑して黒絵の頭をはたく。

 馬鹿だなぁ・・・


「焦らなくても、そんな心配してねーよ。お前の・・・お前たちの事は誰よりも信頼しているさ。それに、仮にそうだったとしても、今は俺を愛してくれてるだろう?気にするかよ。」

「そ、そうか・・・よかったぁ・・・」


 あからさまにホッとする黒絵。

 ・・・まぁ、これを天然って言ってしまうのは、ちょっと可哀想だしな。

 俺は、黒絵の頭を撫でる。


「心配すんな。俺はもう、お前らから離れないから。」

「・・・ソウ。ありがとう。ワタシもそうだ。お前以外は見えない。愛している。」

「ああ、俺も愛してるよ。」


 お互い、もう一度口づけを交わす。


「・・・ん?」

「あっ、やべ・・・」


 ・・・また反応しちまった。

 黒絵が可愛すぎるのがいかん!


「・・・お元気な事で。」

「・・・おう。うぉっ!?」


 黒絵が、俺自身をキュッと握る。

 そして、そのままニヤニヤしながら、


「このまま、受け入れてやりたいが・・・翔子が待っているからな。」

「・・・ああ、そうだな。」

「にしても・・・こんな太いのが入るのだなぁ・・・生命の神秘だ。」

「・・・それを言ったら、そもそも赤ちゃんが出てくるんだからな。そりゃ入るだろうよ。」

「まぁな・・・さて!」


 黒絵はそう言って立ち上がり、浴衣を着はじめた。


「ソウ、取り敢えず、聞き耳を立てているであろう、詩音達に終わったと伝えよう。それに・・・一度身体を洗って来い。そこの縁側からも、露天風呂に入れるだろうからな。ワタシは、後ほど入る事にしよう。何せ、時間はあるからね。」

「・・・やっぱその方が良いか?」

「それはそうだろう。お前は、翔子をワタシの匂いをプンプンさせながら抱くのか?」

「・・・だよな。」


 呆れたようにそう口にした黒絵に苦笑で返し、俺は露天風呂に行く事にした。

 湯船に入ると、先程の黒絵を思い出す。


 ・・・綺麗だった。

 それに、あんな顔をするとは・・・

 ・・・いかん、黒絵の乱れっぷりを思い出したら、すぐに反応してしまった。

 さっさと洗って出るとするか・・・



side翔子


「黒絵さん!どうでした!?」


 襖から黒絵さんが出て来ます。

 声も音も凄く聞こえていました。

 私も、詩音さんも、柚ちゃんも、みんな顔を赤くして聞いていました。

 今も、身体が火照って仕方がありません。


「・・・最高だったよ・・・なんというか・・・溶け合う、という感じだったな。今、ソウは露天風呂で汗を流している。翔子、心の準備をしておくのだよ?」


 黒絵さんが、顔を赤くしてそう言いました。

 私は、ごくりと喉をならします。

 黒絵さんはいつも綺麗だけど、今はそこに色気が凄い!

 

「痛くなかったの?」

「う、うん!私も気になるよ!」


 詩音さんと柚ちゃんが黒絵さんに詰め寄って聞いている。

 勿論、私もです。


「ああ、ワタシは武術で激しく動いているから、どうも・・・その・・・アレは既に切れていたようでな・・・ソウに誤解されなくてホッとしたよ。」

「そっか〜・・・と、なると、翔子のを聞かないと、判断出来ないわね・・・」

「うん・・・翔子ちゃん!頑張ってね!」

「はい!」


 勿論です!

 総司くんと結ばれる事を夢見て、これまで生きて来たんですから!


 そんな私達の所に、総司くんが露天風呂から出て来ました。


「・・・翔子。良いか?」

「・・・はい!」


 総司くんが手を差し伸べてくれます。

 私は、それをギュッと握りしめました。

 

 いよいよです・・・総司くん、愛しています!

 私は総司くんと襖の奥に消えました。





side総司


 俺達は寝室に入り、翔子と向き合った。


「翔子・・・心の準備は出来ているか?」

「はい・・・小学生の時から、出来ています。」

「だから、早いっての!だがまぁ・・・ありがとな?」


 俺は翔子にツッコミを入れた後、苦笑してそう言った。


「何がでしょう?」

「俺を諦めず、これまで愛してくれて。俺は一生お前を守り、愛すると誓おう。だから・・・俺に抱かれてくれ。」

「・・・はい!」


 翔子は、目を潤ませて俺に抱きついて来た。

 俺はそれをしっかりと受け止める。

 そして・・・口づけを交わした。


「チュッ!総司くん!・・・ん・・・チュッ」


 翔子は啄むように何度もキスをしてきた。

 勿論、俺も仕返す。


 そして、どれくらいしたかわからないくらいキスをして、翔子の顔が蕩けた表情を見せると、俺は翔子の浴衣に手をかけた。


「あ・・・」


 翔子の裸身が露わになる。

 黒絵とはまた違った美しさ。

 翔子は、恥ずかしそうに胸を隠した。


 俺は、そっとその手を掴み、そして左右に広げる。


「・・・恥ずかしい、です・・・胸・・・ちっちゃいから・・・」

「・・・何も恥ずかしく無いさ・・・綺麗だよ・・・翔子・・・」

「ああ・・・嬉しい・・・ん・・・嬉しい・・・です・・・はぅっ」


 翔子の身体、とある部分を優しく口に含むと、翔子は蕩けるような表情を見せる。

 俺はそのまま自分の浴衣を脱ぎ、翔子をゆっくりと押し倒し、覆いかぶさる。


「・・・嬉しい・・・私で・・・そんなになって・・・」

「翔子、愛している。」

「私も・・・私も!愛してる!!総司くん!!」


 翔子が俺を引き寄せ、むさぼるように口づけをはじめた。

 俺もそれに応える。


 翔子の体中を優しくまさぐる。

 室内には、翔子の吐息や嬌声が続く。

 そして・・・


「・・・良いか?」

「来て・・・総司くん・・・私を、完全に総司くんのものにして・・・くぅっ!?」

「翔子・・・大丈夫か?」

「・・・だい・・・じょうぶ・・・だから・・・ちゃんと・・・最後まで・・最後、まで・・・!・」

「・・・わかった。」


 こうして、翔子は俺を受け入れたのだった。


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