第125話 クリスマス(4)黒絵の場合
さて、ここで問題が一つ。
気合は充分。
相手の覚悟も完了している。
部屋も確保。
ただ・・・どこで待機するか?である。
最初に俺と黒絵でするのは良いが・・・その間、シオン達がいる場所がなぁ・・・
何せ、隔たりは襖一枚。
間違いなく、声も音も丸聞こえ。
百歩譲って俺は良いとして・・・女性陣がそれを看過できるか否か、だ。
俺がそれを告げると、黒絵達が話し合いを初めた。
そして・・・
「ソウ、ワタシは構わん・・・勿論、恥ずかしいという思いもある。しかし・・・皆、条件は同じだからな。」
「ええ、黒絵の言う通りね。聞いている方も恥ずかしいし、嫉妬も出ると思うわ。でも・・・まぁ、それは自分の番の時に、総司で発散するわ。」
・・・おお、凄い事言うなシオン。
「ううう・・・で、でも・・・ここで出来ないほうが嫌だもんね・・・」
「ええ、そうです。それにいずれはみんなでするかも・・・」
「あ、ちょっと待ってくれ。」
そう、そうだ。
それを言うのを忘れていた。
「なんです?総司くん?」
「俺達は、確かに愛情を持って、そういう行為をする。だが、色に溺れてしまうのは良くないと思うんだ。」
「と、言うと?ソウはどう考えているんだ?」
「複数でするのは良くない。」
俺がそう言うと、みんなは無言で俺を見た。
「・・・なんだよ。」
「・・・まぁ、良いわ。時間の問題だと思うけど・・・私達も、流石に恥ずかしいもんね。」
「そ、そうだよ!複数でなんて・・・恥ずかしすぎるよ!」
「・・・そうです、かね?でも、わかりました。将来の楽しみにしておきます。」
「ああ、節度は守ろう。」
はぁ、良かった。
流石に、そうなったら、絶対に溺れてしまう自信がある。
何せ、あんなDVDを持ってるくらいだからな!!
・・・にしても、翔子がちょっと怖いが・・・
はぁ、・・・自分で考えてても情けないなぁ。
ま、みんなが納得してくれて良かった!うん!
している所を第三者に見られるのは、流石に恥ずかしいからな!
ボソボソ
「(ま、覗くんだけどね。)」
「(ああ、興味が無いわけないではないか。)」
「(そ、そうだよ。みんながどんな感じか気になるし・・・)」
「(ふふふ・・・総司くん、甘いですね・・・)」
「(総司にはナイショにしましょ?後、最初は流石にやめましょうね?)」
「(賛成だ。2周目からとしようではないか。)」
「(うん!)(はい!)」
「(そして将来は・・・)」
「((((ふふふふふふ))))」
・・・何をコソコソ話し合ってるんだ?
まぁ、良いか。
さて・・・緊張するが、シオンの覚悟を受け止める為にも、情けない所は見せられないな。
・・・よし!
「みんな。」
俺がそう言葉を発すると、みんながこちらを見た。
「改めて言っておく。俺はお前らを愛している。だから、これからお前たちを抱く!」
「「「「・・・うん。」」」」
俺の言葉に、全員が顔を真っ赤にして頷いた。
「く、黒絵!」
俺は黒絵に手を差し伸べる。
「は、はい!」
黒絵は頬を染めたまま返事をした。
「一緒に来てくれ。」
「・・・はい。」
そして、もじもじしながら俺の手を取ってくれた。
「シオン、柚葉、翔子。待っててくれ。すまないな。」
「・・・良いのよ総司。黒絵?女になって来なさい?」
「うん。黒絵ちゃん?そーちゃんに愛されて来てね?」
「総司くん。黒絵さんに優しくしてあげて下さいね?」
「・・・みんな、ありがとう。先陣を切らせて貰うよ。心遣い、感謝する。」
「ああ、優しく愛すさ。勿論、お前らの時もな。」
俺と黒絵は、襖を開け、寝室に入り・・・襖を閉めた。
室内は、暗い。
それでも、見えない程では無い。
室内には、月明かりも差し込んでいる。
俺と黒絵はお互いに立ったまま向き合った。
「黒絵。」
「・・・はい。」
いつもと違い、頬を染めたまましおらしく返事をする黒絵に、身体の内から何か熱いものが
この熱を全て黒絵に捧げるんだ。
「俺は、お前を愛している。」
「・・・はい。いつまでも、ソウ・・・君と一緒に。」
俺は黒絵を抱き寄せ、そして・・・はじめてのキスをした。
思い返してみたら、俺達は唇を合わせるキスすらしていなかった。
この関係になるまで、色々な事があり、なってからも二人きりで会う事はほとんど無かったから。
黒絵は俺の首に手を回し、ついばむようにキスの雨を降らす。
その瞳からは、涙が流れているのがわかった。
「ソウ・・・ん・・・ソウ!・・・んむっ・・・愛して・・・チュッ・・・愛している!」
「黒絵・・・黒絵!」
俺は、黒絵の浴衣に手をかけ、脱がした。
黒絵は、既に下着をつけていなかった。
目が慣れて来て、先程よりも更にはっきりと見える。
窓からの月の光が、黒絵の裸体を照らす。
その完璧なプロポーションに目を奪われる。
「黒絵・・・綺麗だ・・・」
「ソウ・・・嬉しい・・・」
俺は、黒絵を抱きしめ、そのままゆっくりと布団に横になる。
そして、俺は来ていた浴衣と、下着を脱ぐ。
「ああ・・・ソウ・・・あの頃から・・・君と・・・あなたと、ずっとこうなりたかった。」
「黒絵・・・俺だってそうだ。あの頃、お前との別れは本当に辛かった・・・お前も辛かったよな?・・・すまなかった・・・」
俺がそう言うと、黒絵は涙を流しながら微笑み、そして俺を抱きしめた。
「良いんだ、良いんだよソウ。あれは必要だったんだ。ワタシはあの頃よりもずっと幸せだよ?詩音が居て、柚葉も居て、翔子も居る。父上と母上にも認めて貰った。そして・・・大好きなあなたをこうして抱きしめられる。」
「黒絵・・・」
「ソウ・・・ワタシを・・・女にして・・・?」
「黒絵!」
「ソウ!」
もう、俺達を阻むものは無い。
室内に響くのは黒絵の嬌声と淫靡な音、俺の息遣い。
俺達は真の意味で一つになった。
***************
あとがき
これくらいなら、大丈夫・・・ですよね?
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