第97話 母さんの策略
「お先に上がったぞ〜?」
俺が入浴を終え、居間に行くと、シオン達は母さん達と談笑していた。
「詩音さん達お先にどうぞ?私達はもうちょっとお話ししてからにするわね。」
「は〜い。わかりました!柚葉、翔子、黒絵、行きましょう?」
「うん!みんなで入ろう!」
「楽しそうですね。行きましょう。」
「ああ、心配事も無くなったしな!」
母さんの言葉で、みんなは風呂に向かった。
心配事?
なんの事だ?
「総司!あなたはこっちいいらっしゃい!」
母さんが呼んでいる・・・正直行きたくないんだが。
「ほら、総司くん?早くおいで?」
「そうですよ。こっちにいらっしゃいな。」
翼さんと琴音さんが嬉しそうに俺を呼ぶ。
・・・嫌だなぁ・・・怖いなぁ・・・
「そーちゃん?安心して。私と葵が守るから。」
「そうですよ?あなたの貞操はしっかりと守ります。」
清見さんと葵さんの言葉に、おそるおそる近寄っていく。
「なあに総司くん。何をそんなに怖がっているのよ。大丈夫だからね?」
「ええ、琴音さんの言う通りです。怖くない怖くない。」
「・・・・・・」
正直、不安しかない。
しかし、逃げられないのも事実。
仕方がなく、二人が指示する場所に座る。
「さあ、お話しを続けましょう。総司くんに聞きたいことがあったの。」
こうして、シオン達が入浴中、俺は根掘り葉掘りあいつらについて聞かれた。
出来れば話したく無かったんだが・・・大事な娘の事で心配だったんだろう。
恥ずかしいのは我慢して、本音で話しをする。
「・・・なるほどねぇ。そーちゃん・・・本当に亮ちゃん似で硬いのねぇ。」
「本当に。総司くん?硬いのはアソコだけで・・・」
「翼!!」
「・・・まぁまぁ。葵さん?良いじゃないの。今日くらい。」
「そうよ葵。琴音さんの言う通りだわ。」
「あなた達のは今日だけとは思えないんだけど・・・」
苦言を呈する葵さんに、琴音さんと翼さんはどこ吹く風だ。
恐ろしい・・・
「にしても・・・総司?あなたはもうちょっと砕けても良いと思うけれど・・・」
母さんがなんか言っている。
ほっとけ。
俺はこのスタンスを変えんぞ!!
そんな俺を見て、母さんは、
「ほら、これ食べて?おつまみだけど、美味しいのよ?」
そう言って、ニコニコしながら小鉢を差し出した。
・・・確かに美味そうだな。
ちょっと、赤みが気になるが・・・
「思いきってパクっと食べてみなさい?ピリ辛だけど、美味しいわよ。」
「へ〜・・・じゃあ、遠慮なく。」
うん。
確かにピリ辛だが美味い・・・がぁ!?な、なんだこの辛さは!?舌がしびれる!?
「げほっ!がはっ!!み、水・・・!」
「あらあら大変!ほら!」
母さんが俺にコップを渡す。
俺はそれを一気に飲み干し・・・
「ぶはっ!?の、喉が焼ける・・・こ、これ酒・・・」
「あら?間違えちゃったわ。」
「双葉先輩!?ちょ、ちょっと!」
「総司くん大丈夫!?」
ぐぅ!?
身体が暑い!!
それに・・・なんか・・・
頭がふわふわして・・・
「大変、総司は亮司と同じで弱いのね。これはいけないわ。ねぇ・・・琴音先輩?翼?」
「・・・そうね。大変だわ。ほら、総司くん?もう少し、こっちにいらっしゃい?もたれかかった方が楽になるわよ?」
・・・ああ・・・そうかなぁ・・・
クラクラしてあんまり考えれない・・・
俺は言われた通り、琴音さんにもたれ掛かる。
「・・・総司くん、熱くないかしら?」
「・・・暑い・・・です・・・」
「そうよね。ちょっと脱ぎ脱ぎしましょうね?」
「あ、こら!翼!!」
「そうよ翼!あなた何する気・・・」
「まぁまぁ、清見、葵、落ち着いて。」
「双葉センパイ!一体何を・・・」
「そうです!このままじゃ総司くんが・・・」
・・・あ〜。
なんか涼しくなって来たような・・・
「・・・あら、総司くん・・・やっぱり良い身体してるわね。苦しくないかしら?」
「・・・ちょっと・・・苦しいかも・・・」
「それは大変ね!待ってて!今楽にしてあげるからね?」
「こら〜!翼!!もがっ!?」
「駄目よ!つば・・・もがっ!?」
「ほらほら、二人共飲んで飲んで。」
あ〜・・・足元からすーすーする・・・
「うふふ・・・総司くん、楽になったかしら?それとも、もうちょっと涼しくなる?」
琴音さん優しいなぁ。
俺の事を気遣ってくれて。
う〜ん・・・どうしょうかな・・・
もうちょっと涼しくなっても良いかなぁ・・・
「どうやら、その方が良いみたいね。じゃあ・・・最後の一枚も脱ぎ脱ぎしましょうね〜♡」
なんか、腰の辺りに手の感触が・・・涼しくしてくれるのか〜・・・
翼さんがやってくれてるのかな?
ありがたいなぁ〜
「もがっ!そーちゃ・・・だめ・・・このままじゃ・・・!」
「双葉先輩はなし・・・総司くん!気をしっかりと持って・・・」
ん?
なんか母さんと清見さんと葵さんがじゃれてる。
仲いいなぁやっぱり。
「母さん達・・・楽しそうだね。」
「ええ、総司。お母さん、とっても楽しいわ!」
楽しそうに母さんが笑ってる。
俺も嬉しくなって来た。
「総司くん?気持ち悪くない?」
「・・・今はあんまり・・・悪く無いです。」
「そう。じゃあ、気持ちよくなりたい?」
「・・・気持ち悪いよりは、気持ち良いほうがいいです・・・」
「そう!だって翼さん。これは仕方が無いわね!」
「ええ、そうですね琴音さん。総司くんが望むなら、あの子達の母親として仕方がありませんね。」
なんて優しい人達なんだ・・・
でも、なんで清見さんと葵さんはあんなに焦った顔をしてるんだろ?
母さんはあんなに楽しそうなのに。
「それじゃ総司くん?今も〜っと楽にしてあげるからね♡」
「そうね。そして、その後は・・・気持ち良くなりましょう♡」
気持ち良くなれるのかぁ〜。
「それじゃ御開ちょ・・・」
「・・・何やってるの?」
「「!?」」
あ、シオン達だ。
なんであんなに怖い顔してるんだ?
「し、詩音?これはね?総司くんが間違えて飲んじゃって、熱くなったから脱ぎたいって・・・」
「そ、そうですよ?他に他意はありません。それに、総司くんが気持ちよくなりたいと言うから、仕方がなく・・・」
うん、琴音さんと翼さんは俺を気遣ってくれてるんだぞ?
なんでそんなに怖い顔してるんだ?
「何やってるんですかぁ!」
あ、柚葉が怒鳴った。
珍しいなぁ。
「お母さん!私がいないところでしても意味がありません!」
おお、翔子もだ。
「そうよお母さん!なんで総司を襲ってるの!!」
シオン?
琴音さんは別に襲ってないぞ?
「・・・どうやら、皆さん酔い過ぎのようだ。ワタシ達はソウの部屋に避難させて頂こう。」
黒絵・・・そんな怖い声出さなくても良いんだぞ?
「ぷはっ!柚葉!この二人と双葉センパイは私と葵で怒っておくわ!」
「ええ、そうです!黒絵!早く総司くんを2階に!あなた達!ちょっとそこに正座しなさい!!説教です!!」
「「「ええ〜」」」
葵さんと清見さんがすごい剣幕になってる。
・・・なんでだ?
「ほら!総司!しっかり!!」
そんな母さん達を尻目に、俺はシオン達に抱えられ、自分の部屋に向かうのだった。
あ〜・・・ふわふわする・・・
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