第84話 海(3)
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!!
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「・・・あ〜熱かった・・・」
「総司・・・お前、いつもこんな感じなのか?」
「・・・ノーコメントで。」
「・・・『クレナイ』も、女には形なしかぁ・・・」
「・・・うっせぇ。」
あの後、許しを得て、俺たちはパラソルなんかの片付けをし、宿に戻った。
「許してあげる。でも、罰は受けて貰うから。」
という、不穏な言葉を耳にして。
・・・あれ、罰じゃ無かったのかよ・・・
何されるか、今から不安なんだけど。
現在は、とりあえずシャワーを浴びて浴衣に着替え、食事待ち中だ。
俺は、光彦達の部屋で着替えさせて貰って、逆に三津浦は、俺達の部屋に行って女性陣で着替えている。
「・・・なぁ、総司。」
「なんだ光彦?」
「お前、誰を選ぶとか決めてんのか?」
「・・・いや、まだだ。それぞれに色々あってなぁ・・・惹かれてるのは間違いないんだが、決定打が無いんだ。それに・・・俺自身の過去も関係していてな。ちょっと付き合う事に恐れているのもあるんだ。」
「・・・なるほどな。まぁ、後悔しないように・・・するのは難しいかもしれんが、自分でしっかりと考えるんだな。」
「おう。そうするつもりだ。そういうお前は、いつまでお試しの予定なんだ?」
「・・・俺も、あいつは大事な後輩だったからなぁ。すぐに、彼女として見るのは、難しいんだよ。だが・・・」
光彦は、ぼんやりと天井を見上げた。
「ここ数日、あいつが可愛く見えて仕方がない。時間の問題かもなぁ・・・」
「そうか・・・」
こいつは良い奴だ。
三津浦とは色々あったが・・・まぁ、光彦が納得してるならそれで良いんだろうな。
どうやら、シオン達も三津浦と仲良くなったみたいだしな。
本質的には悪い奴じゃないんだろう。
何か、他の要素・・・感情が関係して、爆発したんだろうな、この前のは。
「美味し〜い!!」
「ホントだね!!すっごく美味しい!!」
「・・・新鮮な海の幸。とても美味です。」
「この煮付け・・・なるほど・・・参考になる。」
「美味しい!最高!!」
ニコニコしながら舌鼓を打っている女性陣。
勿論、俺と光彦も同じくだ。
光彦達の部屋で、みんなで食事を取っている。
美味いなぁ・・・
食事後、少し
ここはちゃんと男女に風呂が分かれているし、家族風呂も無い。
流石に前の様に、突撃される事も無い。
こう言っちゃなんだが・・・安心して入れるなぁ。
俺は光彦と二人で風呂に向かった。
「あ”〜。」
「・・・総司、お前おっさん臭いぞ?」
「うるせぇ。落ち着いて足伸ばして入れる風呂は貴重なんだよ。誰か男と入る時じゃないと無理なんだ。」
「どういう・・・まさかお前・・・」
「・・・突撃してきやがるんだよあいつら・・・旅先だと。」
「・・・良く我慢できてるなぁ・・・」
「毎回必死だよ。何回か気絶もしてるしな。」
「・・・『クレナイ』のそんな面、知りたくなかった。」
「うっせぇ。」
俺たちはのんびり風呂に入っている。
「そういうお前こそ、今日は二人寝だろ?大丈夫なのか?」
「・・・大丈夫、だと思うが・・・」
「あいつらが変な入れ知恵してねぇと良いが・・・」
「怖いこと言うなよ・・・」
光彦がげんなりする。
「・・・お前は知らないからな。あいつら・・・ピラニアと変わんねーぞ?」
「マジか・・・人は見かけによらねぇなぁ。」
「まったくだぜ。しかも、あいつらの母親も、止めるどころか、それを後押ししてやがるんだよ・・・もう、俺どうしたら良いのか・・・」
「・・・大変だなぁ。そう聞くと・・・早めに身を固めた方が良いような気がしてきたわ。ま、俺はお前ほどモテねぇからな。」
「よく言うぜまったく・・・お前の方がモテモテだろうに。」
「俺のは、チャラ男を演じたからこそだからな。お前の逆だ。」
こうして見ると、俺と光彦が仲良く出来てた理由がなんとなく分かるな。
俺は陰キャを、光彦は陽キャを、お互い演じていた。
そこに共通点があったんだ。
だが、俺とは決定的に違う点がある。
「それでも、告白位されてんだろ?」
ここだ。
陰キャではまず無いこと。
「まぁなぁ。だが、だからこそ、付き合わなかったんだよ俺は。本当の俺じゃ無い所を見て告白されてもな・・・」
「・・・だろうな。」
確かに・・・わからなくも無いな。
しみじみと二人で話し合う。
というか・・・俺たちの本音は一つだった。
少しでも部屋に戻って部屋に軟禁されるのを遅らせたい。
これに尽きる。
なんか、妙に気合入れてたんだよ。
夕飯の後。
怖え・・・
頼むから無茶苦茶はやめて欲しい。
本当に頼むから。
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