第83話 海(2)

 シオン達の水着姿は、先日見た水着と違うモノだった。


「どう?あたしの水着姿は!」


 シオンは、先日の水着とは、また違うタイプの水着だった。

 ギャルっぽいのは変わらないが、更に際どい感じになっている。

 大人っぽいシオンによく似合っている。


「そーちゃん!ど、どうかな?」


 柚葉は・・・圧巻だ。

 これでもか!って位、胸を強調したモノだった。

 なんというか・・・トップスがX様になっているなっているというか・・・うん、眼福だな。


「総司先輩?おまたせしました。」


 翔子のは、先日のメイド水着ではなく、セーラー水着だった。

 ・・・似合う。


「ソウ、どうかな?」


 黒絵は・・・流石だなぁ。

 ワンピース型といって良いのだろうが・・・V字状に生地がある感じというか・・・ゴージャスな感じというか・・・これを堂々と着こなすのは、流石黒絵だ、流黒さすくろだ。


 しかし・・・あんまり、際どいのはやめて欲しいなぁ。

 照れるのもそうだが・・・他の男に見られるのもなんかムカムカするし。


「・・・みんなとても良く似合っている。正直・・・あまり、他の奴には見せたくないくらいには、な。」


 こういう時は、ちゃんと本音で褒めねば。

 母さんに説教されたのだ。

 待たせてるなら、せめて照れても本音でしゃべれ、とな。


「ホント!?やったぁ!」

「うん!頑張った甲斐があったなぁ!」

「そうですね!見て下さい。総司先輩が顔を赤くしてますよ?」

「うむ!ソウが喜んでくれて良かった。安心しろ、ソウ。他の奴らに見られたとしても、触らせるのはお前だけだ。」


 ・・・ううう。

 照れくさい。


「おお!よく似合ってるじゃないか。」

「ホントですか!?嬉しいです!!」


 三津浦が、光彦に飛びついてる。

 光彦は堂々としている。


 ・・・悔しい!!

 なんか負けた気分になる。

 クソッ!!



 ・・・俺も、もっと堂々と居られるようにしなければ。

 

 新しい水着について尋ねると、シオン達の話では、どうもそれぞれの母親が、俺を悩殺する水着で!という事で金を出したらしい。


 なんと太っ腹・・・というか、本気度が凄い。

 ありがたいやら、怖いやら・・・


「さて、泳ぐとするか?」

「その前に・・・総司?オイル塗って?」

「・・・みんなで塗らなかったのか?」

「ええ、背中だけ塗ってないの。総司の為に開けといたのよ?」


 ・・・なんて有り難くない心遣いか。


「総司先輩?順番は決めてありますから。シオンさんの次は私、その次が黒絵さん、その後が柚ちゃんです。後が控えてますので、早く始めて下さい。」


 拒否も許されないのか・・・

 横目で見ると、光彦も三津浦にオイルを塗っている。


 俺は、流れ作業の様にオイルを塗っていく。


「あん♡総司ったら・・・エッチな触り方ねぇ♡」

「・・・普通です。」

「はぅ!?も、もう・・・総司先輩?そこは二人っきりの時に、ね?」

「・・・今の腰ですよね?」

「はぁ・・・ソウ・・・もうちょっと下まで頼む。」

「・・・これ以上、下だと、尻を触ってしまいます。」

「ああん・・・そーちゃん上手・・・じゃあ、次は前ね?」

「・・・自分でやって下さい。」


 こいつら!!

 絶対ワザとだろ!!

 俺をドキドキさせて楽しみやがって!!


 変な声出すな!

 俺で遊ぶな!!

 ここで反応したらどうするんだ!!


 隠す間も無く分かっちまうんだぞ!!


 こうして、難関のオイル塗りも終わり、海に入る事にした。


 海の水は、少し冷たく、かといって我慢出来ない事もない、ちょうどいい感じだった。


 俺達は、水辺で遊び、その後は、ビーチボールで遊ぶ。


 

 色々弾んでおり、俺と光彦は思わず見てしまい、ボールを落とす事が何度かあった。

 そして、それはしっかりと女性陣にバレており、光彦には三津浦が、


「光彦くん?もしよかったら、今夜触って見ます?」

「触らねーよ!?」


 こんな風に言って詰めよりタジタジにさせ、俺には、


「総司?夜楽しみにしててね?水風船みたいにしても良いから。」

「そーちゃん?私にもドリブルみたいにしても良いよ?でも、出来れば優しくしてね?」

「総司先輩?私はそんなに楽しませてあげられないので・・・大きくなるように、おまじない、して下さい。いっぱい触って下さいね?」

「ソウ、私のも大きさ、感触、ハリ、中々のものだと思うぞ?楽しみにしていると良い。」

「・・・勘弁してください。耐えられません。」

「「「「耐えなくていい(わ)(よ?)(です)」」」」


 いや、マジで勘弁して?

 絶対無理!

 童貞には荷が重い!!


 

 そんなこんなで、ナンパなんかの横槍も入らず、一日、楽しく過ごした。



 いや、正確には、ナンパはあったんだが、されたのは・・・


「ねぇ?あなた達二人なの?高校生?カッコいいね二人共。」

「そうね!私達、大学生なの。・・・筋肉も凄いね二人とも。どう?おねーさん達と遊ばない?一夏ひとなつの経験できるかも、よ?」

「い、いや、俺たちは・・・」

「ああ、連れがいるんでちょっと・・・」


 そう、俺と、光彦だった。

 女性陣が連れ立ってトイレに行った時、暇そうにしていた俺たちに、綺麗な女の人達が声を掛けて来たのだ。


「え〜?いいじゃん!ね?あっち言ってイイコトしようよ。」

「高校生じゃ出来ない事してあげるから、ね?」

「あっ!?ちょ、ちょっと!?」

「いや、ホントマズイんで!!」


 そして、腕にしがみつかれる。

 光彦と二人でなんとか離れようとしていた時だった。


「総司!!何やってんの!!」


 うぇ!?

 まずい!

 シオン達が帰って来た!!


「そーちゃん!こら〜!!」

「総司先輩?何やってるんです?ねぇ?なんで他の女とくっついてるんです?教えて下さい。返答如何によっては、夜、覚悟して下さいね?」

「ソウ・・・けしからん。けしからんなぁ・・・まさか、そんなに女に飢えているとは。これは、夜に満足させてやる必要があるなぁ・・・」

「光彦くん!何逆ナンされてるんですか!あたしという者がありながら!!」


「え・・・何この子達!?すっごい綺麗だし・・・可愛い・・・」

「こ、これは・・・ご、ごめんなさいね〜?じゃあね君たち〜?」


 シオン達を見て、驚愕の表情をしてから、そそくさといなくなるおねーさん達。

 そして・・・


「正座しなさい。」

「え!?し、シオン、ここ砂浜で・・・」

「早くするんだよ。」

「柚葉・・・嘘だろ?」

「総司先輩、吉岡先輩?早くして下さい。」

「東儀?お、俺も?」

「ソウ、吉岡、お前たちはどれだけ自分達が恵まれた状態かわかっていないようだ。この私達が直々に思い知らせてやろうか?ん?」

「く、黒絵、あのな?あれは向こうから・・・」

「「「「おだまり」」」」

「・・・はい。」

「光彦くん。」

「・・・莉愛、あのな?」

「今怒られるのと、夜襲われるの、どっちが良いですか?」

「・・・今で頼む。」

「じゃ、正座なさい。」

「「・・・熱っつっっっ〜!?」」


 この後、めちゃくちゃ説教された。

 俺たちが声かけたんじゃないのに・・・



*******************

今年最後の更新となりました。


皆様、良いお年を!

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