突発イベント1

閑話 いつかのクリスマス

サプライズです!

メリークリスマス!!

この話は、もしもの話です。

もしも、総司達が、高校卒業後、全員で付き合っていたら・・・という話。


直接的に本編とは繋がりません。

 

もし、つながるとしたら、それは・・・ハーレムエンドを迎えた時だけでしょう。

それではお楽しみ下さい。


***********************



時は数年後。

五人は高校を卒業し、大学生になっていた。

学部は違うものの、全員が地元の国立大に進学し、全員でルームシェアならぬ、ホームシェアをしている。


中古の一軒家を借り受けて暮らしているのだ。



ここは大学校内。

まもなく大学も冬休みに入る。


経済学部にて


「ねぇ!暮内くん!!ウチのサークルのクリパに来ない!?」

「そうそう!楽しいよ?」


 現在大学2年生となっている青年。

 暮内総司である。


 以前のような陰キャは完全になりを潜め、整えられた髪型と、細身ながらも鍛えられた身体、そこそこの高身長と、父親や母親譲りの整った顔で、いつも清潔感のある服装をしていることもあって、女性から声をかけられることも多い。


「あ〜・・・悪いけど、クリスマスは用事があるんだよ。誘ってくれて嬉しいだけどさ。悪いね。」

「え〜?いつもそう言って断るじゃん・・・たまには良くない?」

「そうだよ〜。ね?少しだけでいいからさ!!」

「・・・ごめん。家族が待ってるからさ・・・」

「そっかぁ・・・残念だね・・・って家族?いつも一緒にいる女の子達じゃなくて?」

「・・・家族だよ。それじゃあね。」

「あ・・・」

「・・・あ〜あ。行っちゃったぁ・・・相変わらずガード硬いなぁ〜・・・」


 残念そうな顔をして、総司が駆けていくのを見送る同級生だった。

 




 ところ変わって、ここは文学部。

 

「ねぇねぇ!西條さん!今日クリコン来てくれない?あ!南谷さんも一緒にさ!?」


 柚葉と詩音は文学部に通っていた。

 同じ学部の女性が二人を必死に誘っていた。


「・・・イヤよ面倒くさい。それに今日は用事があるのよ。悪いわね。」

「私も、今日は用事があるから。ごめんね?」


 詩音は、相変わらず大人びた容姿そのままに、綺麗な女性を地で行く成長をしていた。

 柚葉は、可愛らしい容姿はそのままで美しくなり、凶悪な胸はさらに凶悪になっていて、既に清見を越えていた。


「ちょ、ちょっと待って!二人共彼氏はいないんでしょ!?だからさぁ・・・」

「しつこいわよ。興味無いし。」

「ごめんね〜?」


 詩音と柚葉はそのまま二人で去って行く。


「・・・駄目かぁ。なんとかして連れてきてって頼まれてたんだけど・・・はぁ。やっぱ無理だよあの二人は・・・飲み会も、コンパも、全部断る事で有名なのに・・・はぁ・・・」


 文学部は女性比率が多い。

 しかし、大学生ともなれば、他学部やサークルなどで、伝手は広がる。


 この女性も、普段から学校では二人と話すが、一緒に遊びにでかけたりはしない。

 今回は、サークルの先輩や、男性陣に頼まれたのでしつこく誘ったのだった。


「まぁ・・・仕方がないね。みんなには脈は一切無しって言っとこう。文句があるなら自分で声を掛けろってね。」


 柚葉と詩音も大学を後にする。





 法学部では・・・


「東儀さん!どうか一緒にクリスマスを過ごして下さい!!」


 絵に書いたようなイケメンが頭を下げている。

 この男の前には、クールビューティと呼ばれた翔子がいる。

 翔子は、短めだった髪を伸ばし、相変わらずの整った容姿と、ミステリアスな雰囲気で、周囲の男性陣を虜にしていた。


「・・・先日も断りましたよね?私は用事があるから無理です。失礼します。」

「ま、待ってくれ!俺は本気なんだ!!本気で君が好きなんだ!!」

「・・・あなたが本気だろうと、本気じゃ無かろうと、私には関係ありません。では。」

「・・・駄目か・・・はぁ・・・」


 立ち去っていく翔子を見ながら、同じ学部の男が肩を落とす。


「お前、いい加減諦めろって。あの子は無理だ。」

「・・・諦めきれるかよ。一目惚れだったんだ・・・」

「だけどさぁ・・・あの子、あの、経済学部の奴と以外、男と話さないだろ?それがどういう意味かわからないわけじゃないよな?彼氏じゃないって聞いてるけど・・・」

「・・・それは・・・わかってるが・・・くそっ!!」

「まぁまぁ・・・今日は飲もう!な!!」

「うう・・・」


 ちなみに、これはこの男だけではない。

 何人も玉砕している。


 そして、こういう話は翔子だけでもない。


 そこら中で、詩音、柚葉、翔子相手に、似たような光景は見られる。


 そして、最後の一人である黒絵はというと・・・






「悪いね。ワタシは不参加だ。」


 黒絵である。

 黒絵は、高校の時よりも更に美しく成長し、その完璧なプロポーションと怜悧な美貌をそのままパワーアップさせていた。


「し、しかし北上さん?ゼミの集まりなんだよ?」

「そうそう!准教授と教授も何か言って下さい!!」


 まったく相手にされていないゼミ生は、教授と准教授に泣きつく。

 かくいう、教授と准教授も、黒絵の美貌の虜になっている者達である。


「・・・北上さん。どうだろう?ゼミの飲み会だけでも・・・」

「そうだね。彼の言う通りだよ。北上くんもたまには・・・」

「申し訳ありません、鈴木准教授、白瀬先生。ワタシは、男性がいる飲み会は、一つの例外を除き、いかなるものでも出席する気は無いのです。」

「・・・しかし、それではゼミの親睦を・・・」

「先生。それで、ゼミでの評価に関わるというのであれば、遠慮なく仰って下さい。ワタシはそれを甘んじて受け入れ・・・大々的に発表しますので。飲み会に参加しなかったら評価が下がった、と。」

「・・・そんな事が可能とでも?」

「勿論です。まずは学生課、その次は大学そのもの。世論に訴えても良い。ワタシに出来ないとでも?」

「・・・いや、君なら可能だろうね・・・それだけの能力は有しているだろう。何せ君は・・・天才だからな。」

「これは先生ともあろう方が、御冗談を。ワタシは優秀ではあるかもしれませんが、天才などではありませんよ。さて、もう良いでしょうか?この後、用事がありますので。」


 颯爽と立ち去る黒絵。

 

 そして、それをしょぼんとして見送るゼミの者達。

 三年生にして、優秀さと美貌で、既にゼミすら支配しつつあるのであった。





 そして、ここは総司達が暮らす家だ。


「ただいま〜!!あ〜もう!!あいつらしつこいったらないわね!!」

「まったくだよ・・・何度も何度も電話してきて・・・嫌だって言ってるのにさ・・・女の子の友達まで使って・・・バレてないと思ってるのかな?」


 ムスッとした顔で帰って来た詩音と柚葉だ。


「おう。おかえり。なんか大変だったんだな。準備はしておいたぞ?」

「あ!総司!!ホントにそうなのよ!!まったく・・・私には総司がいるってのにさ?」

「そーちゃん!ただいま!!準備ありがとう!流石はそーちゃんだね!!」

「柚葉もおかえり。後は・・・ケーキを取りにいくくらいかな・・・」

「ただいま帰りました。あ、それなら私が取りに行って来ましたよ。」

「あ、翔子もおかえり。ありがとうな。後で、共用の財布から、金持ってけよ?」

「いいえ、総司くん。別にこれくらいなんでもありません。お金についてはわかりました。」


 翔子は既に、先輩呼びをやめ、以前の様にくん付けで呼んでいた。

 と、あることを境に。


「ただいま、今、帰ったよ。」

「あ!黒絵も帰って来た!!おかえり〜!!」


 そこに、黒絵が帰宅する。


「ああ、詩音、ただいま。ソウも、柚葉も、翔子もただいま。すまなかったね。準備をさせてしまい。」

「お帰り黒絵。別に良いぞ。たいした事はしていないしな。」

「おかえりなさい黒絵ちゃん。そーちゃんがやってくれたんだよ?」

「おかえりなさい黒絵さん。私も、先程帰った所ですから。」


 こうして、この家に住まう者たちは全員帰宅した。


 簡単にシャワーを浴びると言って女性4人は席を外し、その間に総司はのんびりとテレビを見ていた。

 そこそこの時間を待ち、そして、パーティが始まる・・・


 アルコールを飲みながら、美味しい料理に舌鼓を打ち、ケーキを食す。

 ・・・翔子はまだ、未成年なので飲んでいないが。


「・・・にしても、こんな風になるとはなぁ・・・」


 食事後、ぽつりと総司が零す。


「そうね・・・まさか、みんなで付き合う事になるとはね〜。」

「でも、私、詩音ちゃんも翔子ちゃんも、黒絵ちゃんも好きだから、むしろ良かったかも・・・」

「・・・私もそうですね。それに・・・この関係が成り立つ一番の要因は・・・」

「ああ、母上達の尽力だろうな。まさか父上達を説き伏せてくれるとは・・・」

「そうね・・・普通は絶対反対するもんね・・・」


 そう、この関係になった時、総司たちは、母親や父親達に、包み隠さずすべてを話した。

 当然、罵倒されるのも視野に入れてだ。


 父親たちは苦い顔をしていたが・・・それに対して、母親たちは苦笑いして頷いた。

 そして、そこから始まる、父親への説得。


「もし、認めないなら、離婚して出ていきますから。」

「私もです。あなた?黒絵の幸せは黒絵のものです。あなたのものではありません。」


 既に、離婚していた翼や琴音は良いとして、清見と葵は夫に噛みつき、認めさせる事になった。


「・・・感謝しか無いないな。」 


 総司が微笑みながらそう言う。

 総司は、母親達に感謝していた。

 普通では無い、この関係を認めてくれた母親達に。


「・・・そうね。じゃあ、ちゃんとお礼をしないと。」

「そうだな・・・今年のお礼、どうしようなぁ・・・」

「え?そんなの決まってるよ?」

「ん?柚葉?それってどういう・・・」


 そんな総司の呟きをそのままに、総司以外の面々は立ち上がる。

 首を傾げる総司をそのままに、全員は服を脱ぎはじめた。


「ちょ!?何してんの!?」


 いきなりのストリップに狼狽える総司。

 そんな総司に、翔子が一歩前に出て、妖艶に笑った。


「総司くん。お母さんたちへのお礼・・・それは、家族を増やしてあげる、これに決まってます。」


 何故か、翔子の服の下には下着をつけておらず、上手く局部をリボンで隠してラッピングがなされた肢体がある。

 総司は愕然として見回すと・・・


「ソウ。ワタシは道場主の娘として、強い子を残す必要がある。学生生活?何、大丈夫だ。稼ぎは、ワタシが株でもなんでもやって稼ごうでは無いか。心配はいらないよ?思う存分子作りすれば良いさ。」

「そーちゃん?今日は寝られると思って無いよね?私、がんばっちゃうよ〜!!最初は女の子が良いなぁ・・・」

「く、黒絵・・・柚葉・・・?あ、あのな?いくらなんでもそれは・・・」


 同じ様にラッピングされた二人が妖艶に笑ってにじり寄って来る。

 総司は立ち上がって後退り・・・トンっと誰かにぶつかる。

 振り向くとそこには・・・


「そ〜う〜じ〜?何逃げようとしてるの〜?プレゼント・・・ちゃんと受け取ってよね♡プレゼントは〜・・・わ・た・し・た・ち♡」


 ラッピングに身を包むシオンがニヤニヤとしながら立っていた。


「プ、プレゼントって・・・いや、シ、シオン・・・節度は守ろうって話だったよな・・・?」

「ええ、守ってるわよ?大丈夫。お母さん達の許可は貰ってるから。最悪、就職も子育ても、面倒見てくれるってさ!なんなら、お母さんと翼さんが引っ越して来るって言ってたわよ?だ・か・ら・・・さっさと孫の顔を見せなさいって♡」


 妖艶な表情で、ぺろりと唇を舐めるシオン。

 そして、たじろぐ総司は・・・ 


「ひっ!?」


 ガシッガシッと、全員にそこら中を掴まれて寝室に引きずられて行く。

 身体の関係は既にある。

 しかし、複数でというのはこれまで無かった。

 

 これは、この家に住むことを決めた時、色に溺れぬようにと、みんなで決めた事であった。  


「と、取り決めが・・・」

「ソウ、大丈夫だ。これは色に溺れるではなく・・・神聖なる子作りだからな・・・頑張るのだぞ♡」

「あ、アレもそんなに・・・」

「そーちゃん・・・今日という今日は、無しでしてもらいますからね!いっつも拒否するんだから!!もう、許しません!!」

「そ、そういえば、今日はのんびりと過ごしたいと常々思って・・・」

「大丈夫です総司くん・・・明日から大学は休み、という事にしましょう。よかったですね?年明けまでみっちりがんばれますよ♡」

 

 愕然とした表情をした総司が、詩音を見る。

 詩音はニヤリと笑って・・・


「頑張ろうね?あ・な・た♡」

「嘘だろ〜〜〜〜〜!?」


 寝室に引きずり込まれた総司。

 この後、どうなったのかはこの五人以外は誰にもわからない。


 ただ、一つ言えることは・・・この家族には、本日は聖夜では無く、性夜であったと言う事だけであるのであった。


 


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る