第68話 最後の夜

「ドア側から、柚葉、翔子、シオン、俺、黒絵の順番か・・・」


 どうやら、俺はまたしても端にはならなかったようだ。


「く〜!!そーちゃんから遠い・・・」

「・・・残念です。今日もあわよくばと思っていたのですが・・・」

「ふふ〜ん!やったわ!!総司の隣!総司!分かってるわね?」

「ああ・・・ソウ、約束、覚えているな?」

「・・・ああ、分かってるよ。」


 は〜・・・そりゃ覚えてるよな。

 仕方がない。

 あと一日の我慢だ。


 家帰ったら・・・すっきりしよう、うん。


 こうして、電気を消し、布団に入る。

 

 30分位してから、もぞもぞと動く者が二人。


「へへ〜。総司、来ちゃった♡」

「ん?詩音もか・・・まぁ、仕方がないか。昨日の柚葉と翔子の件だろう?」

「黒絵もか。そりゃそうよね。さて、寝るとしましょうか。」


 ・・・寝れるかなぁ。

 遠慮なく身体を絡めて来るシオンと黒絵。

 ・・・無理!

 やっぱ無理だって!!


「あ〜・・・総司あったか〜い♡」

「ああ・・・どうだソウ。アルバイトしないか?何、簡単だ。ワタシの抱き枕になるだけだ。月いくらならやってくれる?」


 ・・・アホか!

 んな事出来るか!!


「ん?何このゴツゴツしたの?」

「!?」


 シオン!?

 や、やめろ!!

 膝でつつくな!!

 それは・・・


「詩音?何かあるのか?」

「膝に何か・・・・」

「膝?どれ・・・」

「黒絵!?や、やめ・・・」

「・・・ふむ。確かにゴツゴツと・・・!?ま、まさか!?」

「あ!?そういう!?」


 気づかれた!!


「ふ〜ん・・・総司・・・へ〜・・・」

「ソ、ソウ・・・こ、こんなに・・・な、何か手伝った方が良いか?その・・・寝れないだろこれじゃ?」

「・・・そ、そう思うなら、膝でつつくのやめてくれ!」

「やだ。」

「シオン!?」

「うふふ〜?な〜に総司?こんなに興奮しちゃって・・・もう、エッチなんだから〜。」


 そりゃお前だ!!


「こらこら詩音、男をそういじめるもんじゃないぞ?」


 黒絵!


「だから、その・・・寝られるように・・・て、手を貸そう。どうすれば良いか教えて欲しい。」


 黒絵!?


「何よ。黒絵だってエッチじゃない。」

「い、いや、そうでは無くてだな!?ソウが可哀想だと思って・・・」

「あ、じゃあ二人で手伝う?」

「仕方があるまい。ソウ、それで良いか?」

「良いわけないだろ!!」


 めちゃくちゃ言ってやがる!!

 お前ら意味分かって言ってんのか!?


「俺を可哀想だと思うなら・・・コレには触れないでくれ・・・物理的にも心情的にも。」

「ええ〜?・・・仕方がないわね。」

「・・・ソウがそれを望むならそうしよう。」 


 は〜・・・

 今夜もきついなぁ・・・


「でも、遠慮なく、くっつくからね!・・・ちょっと位なら触っても良いからね?がっつり触るなら、起きてる時にしてよ?」

「詩音の言う通りだな。まぁ、ソウに限ってそんな卑怯な真似はしないと思うがな。」


 ・・・やらね〜っての!!


 こうして、就寝する事になった。

 ・・・もっとも俺はほとんど寝られなかったのだが。


 しかし、そんな俺も、なんとか明け方には寝ることが出来た・・・のだが、事件が起きた。


 とんでもない事件が・・・






 朝、いい匂いと、何か気持ちの良い感触で目を覚ます。

 まだ、早朝である。


 黒絵すら、目を覚ましていない。

 

 相変わらず、左右にシオンと黒絵が張り付いている。

 ・・・もうちょっと寝る・・・ん?

 

 気持ちいい?

 何が・・・


 って!?

 一気に覚醒する。

 だってそうだろ!?


 黒絵とシオンの手が・・・俺のアレを掴んでる!?

 なんで!?

 どうしてこうなった!?


 いかん!

 すぐ外さないと・・・て、俺の腕、こいつらの身体の下敷きになってる!?

 ヤバ・・・なんとか外さないと!!


 パニックになった俺は身体を動かし、手を外そうとして・・・


「・・・ぅあ!?」


 思わず声が漏れる。

 ヤバい!!

 下手に動かすと・・・擦れて・・・溜まりに溜まったのが暴発する!!


 嘘だろ!?

 

「・・・ぅん。総司・・・」


 シオンの寝言が聞こえる。

 くっ!?

 これ以上刺激を与えないでくれ!!


 俺はシオンから顔を逸らすと・・・そこには黒絵の顔が直近に!?


「す〜・・・す〜・・・」

「っ!!」


 黒絵の寝息が顔にかかる。

 あかん・・・すべてが刺激に・・・


「はう!?」


 シオンが寝返りしようとしたのか、掴んだまま身体を動かした。

 ああ〜・・・やめろ!やめろ!!動かすな!!


 俺はなんとかシオンの方を見て、少しでも刺激を減らそうと・・・


「・・・ん・・・ソウ・・・行くな・・・行かないでくれ・・・」

「ひぃっ・・・」


 黒絵が背中に張り付きながら、手に力を入れる。

 なんの夢見てるのか知らんがやめろ!!


「・・・行かないで・・・」


 イきそうなんだよ!!

 

 やむをえん!!

 ここはこいつらを起こしてでも手を離させて・・・


「・・・総司、大好き・・・」

「・・・あっ・・・う!?」


 シオンが俺の方に転がって来て、俺の首筋に唇をつけながらそう言った瞬間・・・


 








 暴発




 





「・・・んぅ?なんかびくびくしてる・・・何・・・?」

「・・・う・・・朝・・・か?・・・なんの匂い・・・手が何か・・・濡れ・・・ソウ?」


 あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・あ・・・



 ・・・どうしよう・・・

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