明日の明日のまた明日

 これは、私が幼稚園に通っていた頃の話です。

私の母型の祖母は他県に住んでいました。いつも会えるのはお正月ぐらいでした。

私は祖母のことが大好きでした。

よくビスケットのかけらを庭に撒いて鳥や蟻が来るのを窓からそっと見たり、庭でできた苺でジャムを作ったり、工作を一緒に楽しんだり、家族や身内の中でも一番私の趣味に付き合ってくれました。

 

 その日の夜は、祖母の家で過ごしていました。

祖母の料理を私はよく手伝っていました。

一緒に作った夕飯を楽しんだ後は、カルタや双六や、トランプ大会をして、飽きた頃にお風呂に入り、一緒に絵を描いて、そのあとは私が寝るまでお話を聞かせてくれます。

 お正月はいつもこんな流れでしたが、次の日の朝、地元に帰るということもあり、私は寂しくなって泣いていました。

 すると、おばあちゃんがこんな歌を聞かせてくれたのです。


「 明日の明日のまた明日 君は何をしていますか 友達と一緒に遊んでいるかな

ランドセルを背負っているのかな 着物を着ているのかな でもそれは、

まだ見えない 明日の明日のまた明日の話 今日の自分を見て前へ歩きましょう 

 遠くから 近くから 見守っているから 今日はもう寝てしまいましょう 」


 ここでこの夢は途切れてしまいました。

とてもとても短く、はっきりとした夢でした。

 ですが、この夢を見た直後、私は母に叩き起こされました。

何事かと話を聞くと、祖母が入院したという知らせを聞きました。






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黒種草 @asuka05

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