第28話 帰る居場所

また明日

また今度

じゃぁね

次を約束させる言葉は幾つかあるだろう


僕もほぼ毎日君と過ごしているとはいえ

まだ半同棲の状態で、

互いの家に帰ることが週の半分はある


今日は二人で住む物件探しにきた


お互いの職場からもちょうどいい場所を探そうと

表情には出さないが

実は僕もかなり楽しみにして今にも足が弾みそうなほどだ


何件か内見をして

お互いにここだ、というところが見つかった


アパートの2階


ベランダに出ると大きな川と河川敷

陽もよく差し込み、だが不快感はない


ここにします。


即決しその日のうちに契約をしてきた



家に帰り印刷してもらった間取りを

2人で見ながら、ここには何を置く

あとは何が欲しいなど、小さな会議は夜まで行われた。


よく同棲は大変、なんて聞くが

僕達は楽しみしかなかった


もちろん喧嘩に近いことも増えるのかもしれない

それでも一緒にいられる、これ以上に時間を共有できることは幸せだと思った


それから新しい家のことや仕事で

1ヶ月はあっという間に過ぎていき


何が大変だったかと考えれば荷造りくらいなものだろう


こんなにも物が多かったんだとお互いに驚いて、要らないものは容赦なく捨てあった


家に着き、次々とまとめた荷物を運び込む

運び終わると外の日は落ち始めていた


荷解きはまた別の日にしようと

ひとまず珈琲を淹れぽつりと置いてあるソファーに二人で腰掛けた


これからも君と


ただいま

おかえり

心と時間を紡いでいく

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