第26話 月明かり

気がつくと夜が更け

辺りの家の電気はまばらになっていた


仕事をし、帰ってきて寝る人

休みだと夜更かしをし、起きている人

眠れずに起きている人

大切な人と時間を過ごしている人


電気が消えている

電気が付いている


たったそれだけのことだが

人々の暮らしや悩みや幸せをふと考える


彼女は寝る準備をし

布団に潜り込んでいる


枕元の小さなテーブルランプが

夜だと感じさせる


消すよ、といいランプを消す


真っ暗になる部屋の中


月明かりが淡く輝き僕と君を照らす

青いような

白いような

綺麗な光りが。


ゴソゴソと中々眠りにつけずに

寝返りをうつ


寝ぼけている君は

僕の腕にしがみつき足を絡ませる


これは朝まで動けそうにないなと

君の幸せそうな寝顔を見て思う


一定のリズムで静かに君の寝息が聞こえる


なんとも眠気を誘う音だ


君の髪と頬に

起こさないようにそっと触れ

今日もお疲れ様と心の中で囁く


街や家々はまだ光に包まれている


僕と君の空間は

静かにそして穏やかに


月明かりが窓から覗き込む


明日も君と笑い合えますように


そう願いながら眠りにつく

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