第21話 木漏れ日と珈琲

休みの日はゆっくりと朝を迎える

君が隣で寝息を立てている幸せを感じながら


君の髪に触れ

もう一眠りしたくなる気持ちを

抑えながら洗面所へ向かう


顔を洗ってから

珈琲を淹れる為に湯を沸かす


珈琲を淹れていると

決まって彼女は香りに誘われて起きる


「眠い。」

そう言いながら僕にくっつく。


普段はとても真面目で

キリッとスーツに身を包まれている彼女


こんな一面もあるのだと初めて知った時は

とても嬉しいと思い

それは今になっても変わらずに思う。


特に予定のない日を

どう過ごすかよりも君がいる、ということが

僕にとって1番大切な事だ。


君の分の珈琲を淹れ、ソファーに腰をかける


君と出会うまで

珈琲を一滴も飲んだことがなかった僕が

珈琲を飲まない日はないほど好きになった。


毎日珈琲の香りが違う

味が違う

気分が変わる

日々好きな気持ちが増し続けている


それは君がいるから

君がいない日の珈琲は

いつもより味気ないだろう


君の薬指にある一つの輝きが

この日々が現実なのだと思わせてくれる


寒くなってきた外の木々たちが

ざわざわと小さく揺れる


優しく揺らぎ


寄り添い


君とこれからも過ごしていきたい


木漏れ日と珈琲


そして君がいる今を大切に想いながら

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