第16話 喫茶アイビー

君と僕が出会い

多くの時間と感情を成長させた場所。


あまり人で賑わうという日はないが

とても落ち着いていて

いわゆるレトロモダンと言われる場所だ


店主の気分によって

ジャズやクラシックが流れている


店主は落ち着いている風貌だが

話せば物腰柔らかく、よく笑う方だ


僕の背中を押すきっかけをくれたり

迷いがあれば道を示してくれる


今日は彼女と一緒に花を贈りに来た


いつも素敵な時間をありがとうございます

ここは自分達にとってかけがえのない

もうひとつの居場所ですと伝え

アイビーの花束を渡す。


「ありがとうございます」

そういう店主の目には少し涙が滲んでいた


きっと大変な事や辛い事も沢山あっただろう

けれど貴女が居てくれて良かったと

心からそう思う人だ。


これからも僕達の時間は

アイビーを中心に回っていくだろう。


窓からの木漏れ日が優しく


そして珈琲の香りがそっと僕達を包み込む




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