§ 1-7 白い髪の女子高生
やや寒気を帯びた風の感触でゆっくりと目が覚めると、ここは外なのだろうか、夜の
地面の冷たく硬い感触から、寝ぼけた意識がはっきりしていく。
上体を起こし、自分の身体を確認してみる。貫かれたはずの胴体を触っても痛みもない。何事もなかったかのように、いつも通りの身体だ。服も
しかし、それに
何だったんだ! さっきの化け物たちは!
震えながら恐る恐る周りを見渡すと、
夜空を見上げると、そこには都会では見られないような満天の星空が広がり、表面の凹凸まで見えるような強大な
そんな薄暗さの中、蓮はふと気がつく。月明かりに照らされ神秘的に輝く白い髪を揺らし、両の手で握られた長い槍の刃を星に向け、こちらに近づいてくる人影。ゆっくり近づいてくると、赤いスカーフの黒いセーラー服で、同年代の女子だとわかる。
彼女は俺のすぐ傍らに立ち、冷たい表情で見下ろしながら口を開く。
「あなた、名前は?」
「……
「鳴無 蓮くんね。私は、
冷淡な声で、表情を変えず、手を差し出してきた。
「……おれに何か用?」
「えぇ。だから目が覚めるのを待ってたの。お願いがあってね。ここがどんなところかも聞きたいでしょ?」
「お願い? ……とりあえず、わかった。いろいろ知りたいこともあるし、まずはそれを教えてくれないかな」
「そんなに私も知らないけど、知ってるかぎりは話すわ。それでいい?」
「……それでかまわない」
あの化け物のこと。この世界のこと。周りの人たちのこと。なぜ、いま生きているのか? 知りたいことは山積みだ。この
差し出された手を握り、蓮は立ち上がった。
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