11話 黒の組織再来
それから数日経ってある日のこと、ユリヤが街を歩いていると不意に黒の組織が現れてユリヤを取り囲んだ。そして組織のボスらしき人物が話しかけてくる。
「そこの女。我々と一緒に来てもらおう」
「嫌だと断ったら?」
「力づくでも連れていく」
「そう。わかったわ」
こうしてユリヤは連れ去られてしまった。
連れて行かれた先は薄暗い建物だった。
「ここはどこ?」
「これからお前には我々の実験台になってもらう」
「どういう意味?」
「こういうことだ」
すると組織はユリヤに薬を打ち込もうとした。
その時だ。
注射器を一本のバラが打ちおとした。
全員がバラが投げられた方向を見ると、そこにはキールが立っていた。
「俺の女に不埒な真似などさせはせん。ユリヤ、助けに来たぞ!」
「キール様」
「キール王子。どうやってここが分かった?」
「ユリヤがさらわれたという情報を得てな。急いで駆けつけたというわけだ」
「なるほど。だが無駄足に終わったようだな」
「いいやまだ終わっていない」
「何?」
「貴様らは俺を怒らせた。覚悟しろ」
「ふっ。たかが一人増えたぐらいで勝てると思ってるのか」
「舐めるなよ」
キールは組織のメンバーを次々と倒していく。
「くそ、こうなったらあれを使うぞ」
「仕方がない」
そういうと二人は何かを取り出した。
「なんだそれは?」
「これは悪魔の実と呼ばれるものだ。これを食うと能力者になれる」
「そんなものを使って何になる?」
「私達は悪魔と契約し、その力でこの国を支配する」
「何!?」
「さあキール王子。これで形勢逆転だぞ」
「キール様。逃げてください」
「ユリヤを置いて逃げることなどできない」
「キール様……」
「大丈夫だ。心配するな。ユリヤ。君は必ず俺が守る」
そういうとキールは二人に立ち向かっていった。
「死ねええぇ!!」
「くっ」
キールは相手の攻撃に防御の構えを取る。
だが攻撃はされることはない。
二人は急に苦しみだして倒れた。
「どうなっているのだ」
「一体何があったの?」
二人が倒れているうちにキールは二人の持っていた悪魔の実を手に取る。
そしてすべてを察した。
「どうやらこの二人には悪魔の実が適合しなかったようだな」
「どういうことですか?」
「悪魔の実は適合者が食べれば能力を得る。だが適合しない人間が食べたらただの猛毒の実だ。このような物、無い方がいい」
そういうとキールは悪魔の実を捨てた。
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