9話 暴かれたウソと傷心二人。
翌日、私と男装したリリーが待ち合わせ場所にまっているとキールも現れる。
「おはようユリヤ嬢、そっちの男は?」
「初めまして。ユリヤの恋人のリリヤです。貴方がユリヤに付き纏っている男性のキールですね」
「お、おい。いきなり何を言っている。俺はただユリヤ嬢に愛を囁いているだけだ」
「それを世間一般ではストーカーと呼ぶのです。さあ、早くどこかへ行ってください。これ以上ここにいるなら警察を呼びますよ」
「何を言う。それにその声にその小柄な体。お前女だろ」
「…………」
「図星か。そんなバレバレの変装で騙せると思ったか」
「やっぱばれちゃったか。ごめんにユリヤ様」
「いいよ。こんなことで騙せるとは思わなかったし」
「ユリヤ。お前嘘までついて俺を……」
「ごめんキール。つい嘘をついて。でもこれにはわけが……」
「いやいい。今日はもういいよ」
そういうとキールは去っていった。
(傷つけたかな)
そんなことを感じユリヤも心の中にもやがかかっていた。
一方その頃、キールは自分の部屋に戻り落ち込んでいた。
「まさかあんなわかりやすい嘘で騙されると思われたとは」
「やはり俺のような身分の高すぎる者は相手にされないということか」
「だが諦める気はないぞ」
「たとえどんな障害があろうと必ず落としてみせる」
そうしてキールは決意を新たにするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます