第33話 彼女とプレゼント
学期末テストがやっと終わって俺の成績も上がることができたので、安心しているけど、すべては七海ちゃんのおかげ。
学年順位も上がって、クラスの順位も上がってきたけど、本当に七海ちゃんと勉強するとわからないところは教えてもらえるし、勉強に集中ができるんだよね。
もうすぐ学校も終わりに近づいてくるので、そうするとクリスマスになる。
俺たち2人は以前話し合っていたようにクリスマスのプレゼントをする事にしたんだけど、七海ちゃんには何をプレゼントしたらいいのか、迷っている。
以前、遊びに行った時に、遊園地のくまのぬいぐるみをプレゼントしたときには、すごく喜ばれたけど、もう一度クマのぬいぐるみじゃーダメだろうし。
普通だったら別々にプレゼントを買いに来て相手に贈り物をするのが、普通だと思うけど、七海ちゃんは、まだ1人で歩くことが怖いと言っているので、2人で買いに来ている。
俺も七海ちゃんが一人で外を歩けるようになってほしいけど、まだ早いような気がするので過去のトラウマは、かなりひどく七海ちゃんの意識の中に残っていると思う。
今日は大きなショッピングセンターに買い物に2人で来ている。
今日のななみちゃんの格好は、冬のワンピースを着ている。
ワンピースの丈は膝のちょっと上かな。
ワンピースの上にはダウンを着ている。
俺の格好も ジーパンを履いて上はダウンを着ているので寒くは無い。
「七海ちゃん、今日は、どこから回るの?」
「そうね、まずは、雑貨屋さんから行こうよ」
「うん、雑貨屋さんね」
俺たちは雑貨屋さんに入ることになったけど、いろいろなグッズが置いてあって珍しいものや面白いものがいっぱいあって、七海ちゃんと楽しんでいるけど買わなかった。
まずは見て回らないと決められないので、いろいろなお店を見て回ることにした。
でも人が多くて、なんだか疲れてきたので、椅子に座って休憩することにした。
「七海ちゃん、はい」と行って暖かい缶コーヒーを差し出した。
「ありがとう」と行って受け取ってくれたけど、お金を出そうとしたけど、大丈夫だよって言って断った。
「 まだ、この前の遊園地でもらったお金が残っているから大丈夫だよ」
「 それにしても今日は人が多いね」
「うん、そうだね、もうすぐクリスマスだから」
「じゃ、行こうか」
と言って七海ちゃんを椅子から立ち上がらせるのに手を出した。
「ありがとう」 と言って俺の手を取ってくれた。
俺たちはショッピング センターを歩きながら、いろいろな店を物色しているけど、ゲームセンターにたどり着いた。
「 少しだけゲームをしていこうか」
「うん」
七海ちゃんは元気よくうなずいてゲームセンターに2人して入っていった。
七海ちゃんの目を奪ったのはクレーンゲームだった。。
早速、七海ちゃんがバックに入っている財布から100円を取り出してクレーンゲームの投入口に入れて、ボタンが灯った。
「いくよ〜」
七海ちゃんが元気よく言うと、クレーンゲームが動き出した。
クレーンゲームが横にスライドしていき、商品がある間上に止まってアームが降りていく。
降りたアームは爪でつかもうとするけど、途中まで引き上げるけど落ちてしまった。
「あぁん、もう」
七海ちゃんが熱くなってもう一度やるみたいだ。
俺は楽しそうにしている七海ちゃんを見ている。
ななみちゃんが投入口にお金を入れてアームを動かすスイッチを押す。
横にスライドをして、商品の真上に来て、アームが降りていく。
でもまた商品は引き上げたんだけど、アームが入れてしまって落ちてしまった。
「もう」
「なかなか取れないね」
「うん、悠くん、やってみてよ」
七海ちゃんが俺に代わってとってくれと言う感じで言ってくれたけど、クレーンゲームは俺も下手。
だけど彼女の依頼は断れないので、俺が100円玉を取り出して投入口に入れてアームを動かしてみる。
動かしたアームは降りて行くんだけど、商品が持ち上がることもなく何も取れなかった。
「悠くんでも、ダメか〜」
「うん、俺も下手」
クレーンゲームが取れなかったのでゲームセンターの中をウロウロしたけど、いいのがなかったので出ようとしたけど、先ほどやったクレーンゲームに目が言ったので、もう一度してみようと俺は言った。
俺が100円玉をポケットから出して投入口に入れて、取れないだろうなぁと思ってアームを動かしていると、なんと引っかかってきた。
「やったね〜、悠くん、すごいぞ」
俺が景品取り出し口から商品を出してくると、取れたのは、手の平よりも小さいぬいぐるみだった。
「うわーよかった、やっと取れたね」
「はい」と言って七海ちゃんに差し出す。
「えっ、いいの?」
「うん、もちろん」
「七海ちゃんのために、取ったんだよ」
「ありがとう、悠くん、大切にするね」って言ってくれた。
七海ちゃんは手に、大事そうにぬいぐるみを持っている、
女の子がぬいぐるみを持っていると言うのは見ていても本当に微笑ましいし、七海ちゃんのような綺麗な子がぬいぐるみを持っているなんて、なんて可愛らしいんだ。
「やった〜、これで悠くんから、二つプレゼントしてもらっちゃた」
「それも入るの?」
「もちろん」
「じゃ、今日は、もうプレゼントいらないね」
「えっ、まだ、くれるの?」
「えっ」
「だって、遊園地で悠くん、プレゼントしてくれたじゃない」
「あれは、クリスマスのプレゼントじゃなくて、行った記念だから」
「うわ、本当に、今日も買ってもらえるんだ、ありがとう、悠くん」
七海ちゃんは俺の手を握ってきて、肩を寄せ合った。
俺の腕に胸が当たっている。
横を見ると七海ちゃんの顔が近い。
「じゃぁ、一緒に買いに来ているわけだから、私が選んで、それをプレゼントしてくれない」
「うん、いいよ」
プレゼントされても気に入らなければ、着ることもないし、タンスの奥にしまっているだけだから、着てもらえた方が嬉しいから。
七海ちゃんは俺の手を引っ張って女性の洋服が置いてあるショップに入っていった。
七海ちゃんは、いろいろな洋服を見ている。
俺は、横に立っているだけ。
「これは、どうかなぁ」
「あっ、これもいいわね」
「悠くん、これは、どう?」
「あっ、こっちのもいいわね」とか、嬉しそうだ。
「これに、しよう」
と言って七海ちゃんは更衣室に試着しに行った。
俺は更衣室の前に来て待っている。
ななみちゃんが試着した洋服のままカーテンを開けて
「どうかな、悠くん」
「うん、いいよ、すごく」
七海ちゃんが買った洋服は、ミニのワンピースだ。
後は、お金が足りればいいなと思っているが、値札を見せてもらうと案外、安くてよかった。
七海ちゃんも、高くないものを選んでくれたんだろうと思った。
「じゃこれにするね」と言って、もう一度、カーテンを閉めた。
七海ちゃんが着替えて更衣室から出てくると、「悠くん、もう一着、いい?」
と聞いてきたので、いいよと答えたら、連れていかれたコーナーは下着だった。
下着のコーナーに連れていかれた俺は、なんだかすごいところに来たような気がした。
「えっとね、悠くんに一枚、選んでほしいの」
「いいけど‥、俺が選んだ奴を七海ちゃんが履くんだよね」
「うん、まぁ、そうなるよね‥」
「うわっ、一大事だ」
「そんな大袈裟じゃないよ」
「いいえ、七海ちゃんのお尻をカバーするものじゃないですか」
「悠くん、言い方が変、それとテンション上がりすぎ」七海ちゃんが苦笑いしている。
俺は目の前にある光景に、目を奪われながら、七海ちゃんが履いたシーンを思い描きながら選ぶことにした。
七海ちゃんだったら、やっぱり、紐パンかな、ものすごく小さいビキニかな、どれが似合うというよりも、履いてほしいかな?
それともTバック???
そんなことを妄想しながら、ななみちゃんが履いていることを 想像しながら選んでいる。
そうすると1枚の下着が目に焼き付いた。
その下着は紐パンでもなく、小さいビキニでもなく、Tバックでもない。
それは、前と後に黒いクマが書いてあるショーツだった。
「俺、これがいい」
「えっ、これ?」
「うん」
「でも、これ子供ぽいんじゃない」
「七海ちゃん、クマ好きだから、エロよりも、かわいいのがいい」
「‥‥そう、じゃ、それでいいわよ」七海ちゃんの顔が少し赤くなっている。
その下着を1枚とワンピースを買ってお金を払った。
店員さんに支払う時に2人で並んでいたけど俺は緊張した。
俺が緊張したことを店員さんは、もちろん知らないが。
俺が女性の下着を買うだなんて、想像もしなかった。
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お読みくださりありがとうございます。
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