第30話 遊園地編 3
俺たちは卓球をして時間を潰すことをしたが本当に楽しい時間を過ごすことができた。
七海ちゃんが卓球の球を取ろうとして前かがみになったときに下着が見えたのは予想していなかった。
あまりにも予想していなかったので、心臓がドキドキした。
七海ちゃんもパンツを見せるなら見せると言って欲しい。
見せてもらったパンツの色は白だった。
見ようとして見た場合と、全然そんな気がないのに見えてしまった場合は、自分で感じる度合いが違う。
俺たちは人が多くなってきたので、帰ろうかと思う。
入り口のところにお土産屋さんがあったので、寄ったんだけどクッキーやおまんじゅうなども多くあったけど、七海ちゃんがその店に入って、しばらく見ていたのはぬいぐるみだ。
「七海ちゃん、どうしたの?」
「えっ、ちょっと‥‥‥」
ぬいぐるみばかり見ている七海ちゃんのことをかわいいと思って、今日のもらったお小遣いの中からぬいぐるみを買ってあげようと思った。
「七海ちゃん、今日の記念に、あれ、買わない?」
「えっ、いいよ‥‥‥高いし」
「 今日は、ほとんどがフリーパスの乗り物ばっかり乗ったから、俺の母親からもらった、お小遣いがはまっているんだ。」
「えっ」
「 それに、七海ちゃんと食事するんだったら高い料金よりも、さっき食べたアメリカンドックやフレンチドックでもいいと思うから」
「そう?」
「 さっき食べたアメリカンドックとかフレンチドックでもおいしかったよ」
「それじゃ、記念に買ってもらおうかな」
「うん、どれがいい?」
「 私もお金持ってきているから、実は‥‥‥あれが欲しいの」
そこには大きなクマのぬいぐるみがあった。しかも、かなり大きい。
値段は、13000円と書いてある。
買えないような値段じゃなかったので、そのぬいぐるみを記念に買うことにした。
「じゃ、俺が、そのぬいぐるみを棚から取って、七海ちゃんに渡してあげた。
そしてお金を払う段階で、店員さんから、「この商品は、30%引きですから」といつてくれた。
俺は、つい口に出してしまい、「やった〜」と言ったが、七海ちゃんも「よかったぁ」と笑顔になっている。
かなみちゃんは、ななみちゃんのお母さんが言っていたように本当に一人っ子だから甘えん坊のような気がするが、高校では、そんな事はかけらも見せていない。
俺たちは店員さんが言うように30%引きの料金を支払った。
店員さんは、入れる袋がないんですけどと言ってきたら、七海ちゃんは手で持って帰りますと うれしそうに言った。
店員さんから、もらったぬいぐるみを、大事そうに両手に抱えて俺たちは遊園地を後にした。
バスに乗っている間も七海ちゃんは、うれしそうにぬいぐるみを抱きしめたり、お俺にお礼を言ったり、終始、笑顔だった。
俺たちは、七海ちゃんの家の前に帰り着いたが、七海ちゃんの家の扉を開けた途端、七海ちゃんのお母さんが出てきて、大きすぎるぬいぐるみを見て驚いている。
「ななみ、 そのぬいぐるみどうしたの」
「うん、悠くんが記念にって買ってくれたの」
「まぁ、悠くん、ごめんさないね」
「いいえ」
「ななみ、悠くんにねだったんでしょ?」
「ううん、違うよ」
俺の方を見て、「本当?」
「ええ」
「 今日、母親から遊園地に行く軍資金としてお金をもらっていたんですよ」
「そうなの?」
「 だから大丈夫ですよ」
「あっ、そういえば、ななみ、 あなたにもお小遣いあげたでしょ」
「うん、 今日もらったお小遣いは、今度、悠くんに何か買ってあげようかと思って、だめ?」
「 それじゃあ、悠くんに、今度、何か買ってあげるんだよ」
「うん、わかった」
「さぁさぁ、悠くん、上がって、あがって」と七海ちゃんのお母さん
「じゃ、お邪魔します」
「 七海ちゃんが、うれしそうに大きなくまのぬいぐるみを抱きながら俺の前を階段を上っていく」
そして大きなクマのぬいぐるみをベッドの上に置いた。
そして七海ちゃんは、 ぬいぐるみの横に座って、にへらっと顔が笑っている。
七海ちゃんは、すごくうれしそうだ
にへらっとしている、七海ちゃんを、いつまでも見ていたい。
そこにななみちゃんのお母さんが入ってきてコーヒーとクッキーを持ってきてくれた。
「 悠くん、本当に、七海ったらごめんなさいね。 もう本当に子供っぽくって、甘えん坊なんだけど、外面は、すごくいいのよね」
「そうですか?」
「えぇ、 七海は学校でも多分、優等生ぽいと思うけど、成績のほうはいいんだけど、家では本当に甘えん坊で困っているの」
それを聞いていた七海ちゃんは、熊から離れている。
七海ちゃんのお母さんが部屋を後に出て行ったが、七海ちゃんのにへらっとした顔は変わっていない。
「 だって、仕方ないじゃない、お気に入りのキャラクターのぬいぐるみがあったんだもの」
「そのぬいぐるみお気に入りなの?」
「うん」
「 それでかぁ、ななみちゃんがあの時ぬいぐるみを見る目線が異様に違ったのは」
「 私そんな目で見ていた」
「 うん、すごく違った」
「 やだ、何か恥ずかしいわ」
「 でも、ぬいぐるみを欲しがる七海ちゃんが可愛かったから」
ななみちゃんは顔を赤くしている。
今でもお母さんが部屋を出て行ったので、七海ちゃんはぬいぐるみを膝の上に置いている。
「今日は楽しかったね」
「うん、悠くん、ありがとう」
「 あの時、クレーンゲームで何も取れなかったのが悔しいよね」
「 私も、あんなに楽しかったの久しぶり」
「そういえば、今日はごめんね、ジェットコースターとか気分が悪くなっちゃって」
「 うん、あれは私が悪いの」
「悠くんがジェットコースター嫌いだって聞いていたのに、私が無理矢理、誘ってしまったんだもの、 私ね、悠くんとジェットコースター乗るの夢だったの」
「そうなんだ」
「だってねー、好きな人とジェットコースターに乗るっていいと思わない」
「そうだね」
「 でも悠くんが、あんなにジェットコースターで酔うなんて思わなかった、 本当にごめんなさい」
「ううん、いいよ、 ジェットコースター乗った後、七海ちゃんに膝枕してもらったもん」
「 あ、そうだったわね」
「 あの時、悠くんが私のほう向いて、お腹をこちょこちょするもんだから、くすぐったくて」
「そうなんだ、 でも俺は、今日初めて七海ちゃんに膝枕をしてもらったし、ななみちゃんの匂いを嗅ぐことができた」
「あっそうだね、初、膝枕だね」
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