第24話 彼女と

七海ちゃんの冗談も聞けて、もらったフリーパス券のチケットの期限が迫っていたので、次の日曜日に遊園地にいく事にした。


今から楽しみでたまらない。


でも、明日から学校なので、遊園地に行くのは数日先になる。

湖に行って、ボートに乗って、早めに帰ってきた。


帰りのバスの中でも、昼の1時を過ぎた頃なので、バスの中は空いている。

俺たちは、来た時と同じようにバスの最後尾に席に座っている。


七海ちゃんは窓の外を見ながら、景色を楽しんでいるけど、俺は七海ちゃんの横で、七海ちゃんの手を握りながら七海ちゃんを見ている。


バスの中は暖房が入っているので寒くはないが、握っている七海ちゃんの手からぬくもりが伝わってくる。


七海ちゃんは冷たい時もあるけど、今日はバスの中が温かいせいもあるけど、七海ちゃんの手は柔らかくて暖かい。


その温かさが、俺を心地よくさせる。


俺たちは、別に寒くはないけど体をぴったり寄せ合っている。


七海ちゃんの足と俺の足


七海ちゃんの体と俺の体


七海ちゃんの肩と俺の肩


そして七海ちゃんから、いい匂いがする。


バスの中では、あまり話をしていない


七海ちゃんの体のぬくもりを感じながら時間が遅く過ぎていくことを願いながら…


俺の至福の時間だけど、もうすぐ降りるバス停が近づいてくる。


七海ちゃんが握っている手をぎゅってしてくれる。


そして、どんどん、その手の握り方が強くなってくる。


「七海ちゃん、痛い、痛いっ」


「あっ、ごめん」


「七海ちゃん、うらみ?」


「うん、下着、見られた、うらみ!!」


「その、うらみ、すごいね」


「だって、悠くんとの時間が長く続けばいいなと思ったら、無性に手を強く握りたくなったんだもん」


「そうなんだ…」


バスに乗っているのは30分くらいなので、もうバス停についてしまった。


「あ~ぁ、もう到着したね」


「じゃ、降りようか」


俺たちは、バスから降りてきて、七海ちゃんの家に向かう。


10分もたたないうちに到着した、いま2時を過ぎたところだ。


まだ帰るには早いな


七海ちゃんが「悠くん、うちに上がっていくでしょ」と言ってくれたので、「いいの?」と俺が言うと「もちろん」と返してくれた。


七海ちゃんの家の前に到着して、門を開けて、七海ちゃんが家のカギを出して、扉を空けた。


扉を開けると、いつもは七海ちゃんのお母さんががいるんだけど、今はいないみたい。


俺たちは、リビングでコーヒーを飲んで、七海ちゃんの部屋に上がった。

おばちゃんがいない時に、七海ちゃんの部屋に入ったことが、緊張感を上げている。


七海ちゃんの部屋に入ると、テーブルの前に座る。

七海ちゃんが、一度、部屋から出ていって、コーヒーを新しく入れてくれた。

そのコーヒーを口に運びながら、部屋を見渡す。


七海ちゃんの部屋は俺の部屋と違って汚れていないで綺麗にしている。


七海ちゃんの部屋は、ベットと小さいテーブルと机と椅子が置いて横に本棚があって、あとは大きなクローゼットがある。


洋服類はクローゼットの中にあるみたいだ。


俺の家みたいにタンスがないから。


俺の家はクローゼットなんて、ハイカラなものはない。


最近、買ってもらったけど、テーブルを置いた。


勉強するためには机の時もあれば、床に座った方が良い時もあるから。


特に七海ちゃんがきて、座る時にも必要だから。


もちろんその時に、座布団とクッションも買ってもらった。


今まで、俺の部屋は、本当に殺風景でクッションなんて置いてなかった。


七海ちゃんの部屋はぬいぐるみが置いてあるけど、クマのぬいぐるみが置いてある。


それも一つじゃなく、色々なぬいぐるみが置いてある。


ベットの上にも複数のぬいぐるみ、テレビのキャラクター物も


なんだか女の子の部屋らしくていいな


おれが七海ちゃんの部屋を見渡していると、机の横にある本棚に目が行った。


七海ちゃんはどんな本を見るんだろうと、七海ちゃんに許可をもらって、本棚の前に来てみる。


少女漫画も置いてある。


本棚を見ていると、七海ちゃんのアルバムらしきものを見つけて、胸が緊張してドキドキしてきた。


「七海ちゃん、アルバム見ていい?」


「いいけど、恥ずかしいな」


俺は許可されたので、重たいアルバムを本棚から引き出して、テーブルに置いた。


「中、見るよ」


「うん…」


アルバムを開いていく、


まずは1枚目の写真は


そこには生まれたての七海ちゃんがいた。


七海ちゃんが病院で寝ているおばちゃんに抱かれて泣いている。

顔が真っ赤だ。


七海ちゃんが赤ちゃんの時の写真が数枚、貼っている。


そして数枚目は、

七海ちゃんと俺の小さい頃の2人で撮った写真。


その中に一枚分の空間がある。

「ここ、どうしたの?」


「あっ、その写真は、机の写真立てに入れてたの」


机の上の写真立てには、もう最近の俺の写真と、アルバムに貼っていた写真が飾ってある。


さらにアルバムをみていくと、


小学校高学年の運動会の写真、


七海ちゃんの小学校の運動会の写真には、もちろん今ほどではないけど、もう胸が大きくなっている。


「七海ちゃん、小学校で、胸大きいね」


「もう、どこ見ているのよ」


「だって小学校で、ここまで大きくなっているなんて」


「男の子たちから、よく胸の大きさで、からかわれたわ」


「そう…なんだ…」


そして次の写真は、水着の写真もあった。


家族で海にいった写真だ。


七海ちゃん、ビキニを着ている。


まだ、スタイルが今とは大違いで幼児体系だけど、胸だけ大きい。


そして待望の中学生の写真が貼ってあった。


中学生の時の七海ちゃんって、どんなだろう?? 期待が大きく高鳴る

中学生の時の七海ちゃんの写真はセーラー服だ。


入学のときらしく、家族3人で並んで校門で写真を撮っている

横にある桜も綺麗に咲いている。


「七海ちゃん、セーラー服、かわいいね」


「もうっ」と顔を赤くしながら、まんざらではなさそう


次は、やはり運動会の写真があった、やった~


七海ちゃんの中学の時には、胸が、また、一段と大きくなっている。


しかもブルマーを履いている七海ちゃん


おれは生唾を飲み込みながら「七海ちゃん、この写真、ほしい」と考えもせずに行ってしまった。


その写真は日付があるので、わかるが中学校3年生の運動会でブルマーを履いた七海ちゃんの写真


今の少し前だけど、すごく、いい


「え~、普通に運動会で撮影した写真だよ」


「ちがうよ、七海ちゃんがブルマー履いてる…」


「えっ、まぁ、中学だったし、その中学、体操着はブルマーだったんだよね」


「そうなんだ、七海ちゃんのブルマー姿の写真が欲しい、ね机に飾っておくから、頂戴」


「もう、しかたないな」と言ってアルバムから写真をはがしてくれた。


「はい…」


「ありがとうございます、七海ちゃん、家宝が増えました」


「もう、そんなの家宝にしないでよ」


「いえ、いえ、七海ちゃんのものなら、俺には家宝です」


「他はなんなの?」


「それは、もう七海ちゃんのパンツを見た記憶」


「そんなの記憶しなくていいから」


「いえ、大事な財産です」


「もうっ」と言いながら顔を赤くする



「だって以前、部室でも七海ちゃん、棚の上に荷物、乗せようとしてパンツ見せてくれたから、そこからうちの家宝が始まりました」


「別に見せたわけじゃありませんけど、よく、覚えているわね」


「うん、そういう所は記憶力、抜群   

  はぁ~あの時の、七海ちゃんのチラッと見える記憶が、鮮やかによみがえる…」

妄想にはいる、頭の中には、そのシーンが…


「そんなの、蘇らなくていいから…」


「何を言いますか? ななみ姫」


「大事なことです」


どうしてか、七海ちゃんが横にきた


体を寄せてきて


「2人の思い出、いっぱいつくろうね」


「そうだね」


……

俺たちは、キスをした




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

お読みくださりありがとうございます。


ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。


大変、励みになっています。

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