36.硬い装甲にはコレが効く
それならばとローザが斬りかかるのだが、やはり硬い鱗で剣が弾き返されてしまった。
「ジーナ姉さん、
「残念だけどないわ。身体能力は下げられるけど、鎧や鱗を弱くすることは出来ないの」
有効な手段が見つからず、幸い
なので付かず離れずで他のモンスターを倒す事にした。
しばらくは動きが遅いので何とかなっていたが、
背中のトゲがユラユラと揺れ、徐々に揺れは激しくなっていく。
「怒ってるのかな」
「ダメージは無くても攻撃をされているんだもの、嫌がらせにも程があるわ」
「あれ? そういえば
ローザとオレンジーナが顔を見合わせる。
「「あ!」」
気付いた時には遅かった。
幸い
「わ、忘れてたわ。トゲを飛ばしてくるんだったわね」
「うっわビックリしたー! あんなに速く飛んでくるんだ!」
近づいても倒せず、かといって離れればトゲが飛んでくる。
硬い上に面倒な相手だ。
しかし手立てが無いため何もできないので、トカゲに注意しながら他のモンスターを倒していく。
だがそれも上手くいかなくなった。
他に二匹もトカゲが居たのだ。
「これ以上は無理だね……一体どうしたら……ん? あれ? あれあれ?」
「どうしたの? ブルー君」
「えっと、何か頭に浮かんできたんだけど……え? これ本当に?」
ブルースは少し戸惑っているようだが、有効かもしれない手立てが出来たようで、
「姉さん!
「え? ええ」
そして完全に見えなくなると、今度は長方形の箱が現れる。
箱の前後には丸いキャップが規則正しく十一個付いているが、一体どうやって攻撃をするのだろうか。
「
前後のキャップが一組ポンと吹き飛ぶと、中から長い棒……ミサイルが飛び出して来た。
一瞬勢いがなく落下するかと思いきや、すぐさまロケット噴射して
が、何故か上空へ方向転換し、空高くまで飛んでいってしまった。
「ブルー? 外れてしまったわよ?」
「あれ? おっかしいな、じゃあもう一発! 撃てー!」
次のキャップが一組吹き飛び、同じようにミサイルが発射されるのだが……やはり上空へと飛んでいってしまった。
「あら~? ブルー君の武器は失敗?」
「おかしいな、誘導兵器のはずだから外れないと思うんだけど」
そう、外れてはいなかったのだ。
ミサイルは上空へ向けて飛んだ後で方向転換し、
十分な加速をつけ、音速を超える速度で
ブルース達が爆音に驚いていると、もう一匹の
「……外れじゃなかったみたい」
「なんで上から落ちてきたのかしら」
「気まぐれな武器なんだね!」
効果があるとわかれば話は早い。
もう一匹の
先ほどと同じく空に向けて飛んでいくが、そのミサイルは四方八方に飛び散ると急降下し、広範囲を爆撃していく。
硬い装甲があれば通用しないが、どうやら火薬の力だけで十分な相手がほとんどのようだ。
「ずいぶん遠くまで飛んでいくのね」
「最大射程は四十キロメートルみたい。本当は空に向けて使う物だけど」
「ふ、ふぅ~ん? 小さい国ならまたいで飛んでいけそうね」
その頃、ローザは暴れたりなかったようで、近づいて来るモンスターを手当たり次第倒していた。
ミサイルと弾丸で異常氾濫の鎮静化に勤め、三人の力で七割がたのモンスターを討伐していた。
七割というと、今回の異常氾濫は三万匹ものモンスターが現れたので、二万匹以上倒してしまったのだ。
後は
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