第8話 魔王の社会見学(お食事編)
「何にしようかなぁ・・・。」
飲食街を歩く4人。
あまりにも種類が多いため、勇者が決めかねる。
「やっぱメシって言ったら肉だろ!!肉!!」
「あなたはそればっかりじゃありませんか・・・。
栄養バランスを考えないと・・。」
聖女が闘士に呆れたように物言う。
「うるせぇ!!この筋肉は肉を食ってるからついてんだ!!
魔王ちゃんだって肉がいいよな!!」
にこやかに話しかける。
「我は・・・が・・いい。」
「なぁに魔王ちゃん!!どれがいいの!?!?
このお姉さんが支払ってあげるよ!!!!!!!」
もじもじしている魔王ちゃんを見て、よだれを垂らしながら財布の準備をする勇者。
「その・・・だな・・・。」
近づいてきた勇者から聖女の後ろに隠れるように離れつつ、あるものを指差す。
指の視線の先には
『お子様セット!!おもちゃ付き!!』
とかかれたプレート。
ばたりという音がする。
何事かとその音を確認すると、勇者が地面に倒れていた。
「魔王ちゃん・・・かわいい・・・子供らしすぎる・・・無理・・・ロリ・・・」
「よし、なら行こーぜ!!」
倒れている勇者をほったらかしにして、3人はお店の中に入る。
いわゆるファミレスみたいなものだ。
店員が人間とそれ以外(メス、女性)が仲良く働いている以外には不思議な点はない。
「あたしはこれ!!
やっぱ肉!!ステーキ!!」
「そんなに早く決められるのも羨ましいものですね・・・。
どれにしょうかしら・・・。」
聖女の膝の上で一緒にメニューを見る魔王ちゃん。
「我はこれがいいぞ!!!!」
お子様セットのところで目を輝かせる魔王ちゃん。
「ふふ、そうね、おもちゃはどれがいい?」
「これがよい!!この見慣れぬ造形!!なんなのだ!!」
「それはアクセサリーっていって自分の体に身に着けてより魔王ちゃんが可愛くなる
ためのものだよ・・・うへへへ・・・・。」
「くぁwせdrftgyふじこlp・・・。」
あまりに突然すぎて、欲情にまみれた声のせいで魔王ちゃんが声にならない悲鳴を上げてしまった。
「魔王ちゃんが怖がってますよ。」
「ごめんねぇ・・・!!!!!」
「てめぇはこっちだ。」
闘士に無理やり魔王ちゃんとは反対側の席に座らせる。
まるで手綱を握っていないとすぐに獲物に襲い掛かる犬のように。
「わたくしはこれにしようかしら。」
聖女が頼んだのは野菜スープ。
「私はオムライスかな・・・魔王ちゃんに・・・あーんしてあげたい・・・ふふ・・・。」
頼んだものがテーブルにつき、皆で食べ始める。
魔王ちゃんがどうしてもうまく食べられずポロポロとこぼしてしまう。
「ほらほら、ついてますよ。」
聖女が紙ナプキンで拭ってあげる。
その光景を真剣な眼差しで見つめる勇者。
「なんとなく理由はわかるが一応聞くわ。
なんでそんな真剣に見てんだよ。
せっかくのメシが冷えるぞ?」
「あんな親子プレイ二度と見れないかもしれないんだよ!?!?!?!?
焼き付けておかないと!!!!!!!!
そして私も混ざらないと!!!!!!」
「お前マジでそろそろ収容所に突き出すぞ。」
「可愛いは正義!!JUSTICE!!」
一同が食べ終わり、お会計のときに、魔王ちゃん念願のおもちゃを手に入れる。
「丸くなっておるな?これはどうするのだ?」
「指出して?」
聖女が魔王ちゃんの手に指輪をはめる。
はめた場所がたまたま左手の薬指だった。
「何それ婚約?私と婚約ってことでいいのね?」
「ち、違うわ!!
いい加減にせんか!!
これでも我は魔王ぞ!!」
「可愛いに魔王だろうが何だろうが関係ない!!!!!!
可愛ければ襲う!!!!!!!!!
止まるんじゃねぇぞ!!!!!!!!」
「もういやじゃぁ!!!!!」
そう言って魔王ちゃんがどっかに行ってしまった。
「あーあ、どうすんだよ。」
「あなたのせいですからね?」
「まぁ、すぐに見つけられるでしょ。」
聖女と闘士がはぁとため息をつく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます