第3話 勇者(ロリ専サイコレズ)

薄青い肌。

露出気味の衣装。

頭のてっぺんから生えてる2本の曲がった角。

白目の代わりに黒目に黄色の瞳。

可愛らしくお尻の付け根から生えてる尻尾。

そして未発達な体。


「ふ・・・ふふふ・・・そこのおチビちゃん・・・」


一歩踏み出してくる。

いや、来ないで。

何この魔力量・・・。

何この威圧感・・・。

そして何この・・・しちゃいけない顔をしている勇者・・・。


「来ないで!!!!!」


ありったけの魔力を勇者にぶつける。


「うぉ!!このガキすげぇな!?」


「確かにすごいですね!!」


最大出力。

間違いなく勇者に当たったが・・・。


「こらこら、ちょっと痛かったよぉ?

 でも・・・ロリの攻撃悪くない・・・調教のし甲斐が・・・。」


効いていない。


そんな・・・。

全力だったのに・・・。


「う、う、えーーん!!!!

 うわぁぁぁぁんんんんん!!!!!」


「おいおいおい、何泣かせてんだよ。」


「ほらほら、こちらへいらっしゃい。」


こうなったら敵も味方も関係ない。

言われるがまま、魔力持ちの人間に泣きつく。


「はいはい、怖かったですね。」


「えー、なんで私は怖がれるのさ。」


「いや、そりゃ下心丸出しだからだろ。

 おい、ガキ、大丈夫か?」


言葉は雑だが、心は優しい・・・。

こくりとうなずく。


「はぁ・・・あんたがドタイプみてぇだ・・・。

 一旦あいつの頭冷やしてくるから、なんか対策考えておけよ。」


「うん・・・。」


「よしよし、いい子ですね。ではまたお会いしましょう。」


「おら、行くぞサイコレズ。」


褐色女が勇者の髪の毛をおもむろに掴み、ダンジョンから撤退していく。


「待っててね!!!!!ロリちゃん!!!!!」


勇者の声を聞くだけで体が強張ってしまう。


「またお会いしましょう。」


聖女がにこやかに手を振ってくれる・・・。

久々の温もり・・・。

いや、何を考えている。


勇者一行がいなくなってダンジョンをどうするか考える日々が続く。


ーダンジョン外ー


「てか結局魔王っていなかったな。」


「そう言えばそうでしたね。見落としたのかしら。」


「あの子可愛かったなぁ・・・てかいい加減髪離してくれない?」


「いや、離したらソッコー戻ってあのロリ連れてくる気だろ。」


「そうはさせませんからね。」


「2人のいじわるー。でも、私は諦めないもんね!!

 待っててね!!

 ロリちゃん!!!!!!!」


「でも、またあのダンジョンに潜る必要性がありそうだな。」


「そうですね。

 結局お目当ての魔王にも会えませんでしたからね。」


「もう魔王なんていいじゃん!!

 あのロリさえ連れてくれぶぁ!?」


「鬱陶しいから気絶させちまった・・・。」


「いいえ、それでいいと思います・・・。」

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