第13話 前日
次の日、いつもよりちょっと遅く起きた僕は王様に呼ばれたので、呼び出された部屋に向かった。
「王様、何でしょうか。」
「うむ、ユリスよ。伝え忘れていたのだが明日、マーガレットの誕生日パーティーを開くことになっている。」
「明日!?、まだ何も用意していませんけど!?」
「いや、それもあるが…、私はそこで例の殺害予告の犯人が来るとにらんでいる。」
「…つまり要注意して下さいということですね?」
「まあそういうことだ。」
「了解しました。」
「それと用意はこちらがするから気にしなくてよい。」
少し苦笑いしながら王様は言った。
「う~ん…。」
王様がいる部屋を出た後僕は悩んでいた。
正直周りを警戒するくらいしかやることがない、というか護衛自体初めてだしわからないな…
「…とりあえず王女様のところへ行こう。」
部屋の前に行くとなんだか騒がしかった。
「中に入ってもよろしいでしょうか?」
ノックした後僕が
「いいわよ、入ってきて。」
僕が中に入ると、そこにはクレアもいた。
「今日はクレアもいるんですね。」
「そうなのよ。いちいちうるさいのよ。」
「『うるさいのよ。』じゃないですよ!もう少し王女としてしっかりしたらどうですか!?」
「あはは…」
僕は苦笑い思わず苦笑いする。
「ところでクレア、ここに来たということは何か用があってきたのでしょう?ユリスも来たところですし話してくれる?」
「ちょ、まだ話は終わって…。わかった話そう。」
少し納得していない様子だが、クレアは話を進めた。
「明日のパーティーで例の犯人が来る可能性が高いと警告されたのでその報告に来ました。」
「ああ、その件ね。まあ大丈夫でしょ。」
「そうかもしれませんが、私たちはそうにはいきません。当日騎士団が見回りに着きます、王女様も十分気を付けてください。」
「はいはい。」
王女様がやる気のなさそうな声で答える。
「それとユリス殿。」
いきなりクレアがこっちを見る。
なんだよ…、驚いたじゃないか。
「昨日したことはすまなかった。図々しいのはわかっているが、王女様のそばで守ってほしい。」
クレアが頭を下げながら言う。
「別にもう気にしていないしいいよ、それと王様からの依頼だし最後までやり遂げるよ。あと、ユリスって呼んでくれ。」
「いきなり注文が多いわね。」
王女様がツッコミを入れる。
「それでは、また明日。」
クレアは王女様への説教が一通りついてからそういって、部屋を出て行った。
結構長かったな…おおよそ三十分ぐらいか?
まあそれを全く間に受けていなかった王女様のほうもすごいが…
「クレアっていつもあんな感じなのか?」
「ああ、そうだわ。何か用があっては必ず説教があるのよ、結構めんどいのよね。」
「気の毒に…」
…少しクレアには優しくしてやろう。
「…王女様は、怖くないのですか?」
僕は前から思っていた疑問を口に出す。
「え…」
少し驚き、そして困ったように王女様は答える。
「………まったく怖くないわけじゃないわよ。でも大丈夫よ、絶対に私は死なない。」
少し悩んだ後に王女様は答えた。
そこには相手に不安を与えないような圧があった。
「…そうですか、それではまた明日。」
「ええ、おやすみユリス。」
話ができるような空気では無くなってしまったので僕は逃げるように部屋を出る。
「はぁ~」
僕は部屋に戻った後、ベッドへ倒れこむ。
なんか話を聞きまくって疲れたな。
「…明日に備えて早く寝るか…!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈王女side〉
「ええ、おやすみユリス。」
そして彼は部屋を出ていく。
私は内心でほっとしていた。
「まさかユリスがあんな質問をしてくるとはね。」
『怖くないんですか?』と言われたときはごまかすのに焦った。
前の時代ではまだ治安がかなり悪かったので、一週間に一度はごはんに毒が混ぜられている感じだったので、正直殺される気がしなかったのだ。
「まあ、あれがあるし大丈夫でしょ!」
そういって彼女はベッドに入り、眠りについた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみません、かなり更新が遅れました。
ゴメンナサイ。
評価お願いします…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます