第10話 冒険者

「…ここが冒険者ギルドだな。」

歩いて十分程度、僕は冒険者ギルドの前にきている。

「大丈夫かな…」

扉を開け、中に入る。

中は変わらず酒を飲んだ冒険者たちであふれていた。


「あの…冒険者登録ってできますか?」

僕はカウンターにいるお姉さんに尋ねた。

「あ、はい大丈夫ですよ!それではここに名前、年齢、固有魔法の有無を書いてください!」

僕は渡された用紙に順番に書いていく。

「この、固有魔法のらんって…」

「固有魔法は持っている人ともっていない人に分かれますからね。それで戦力に差が出るので書いてもらうようにしています。」

僕は『有り』と書いて渡す。

「えっと、ユリス、18歳、固有魔法はあり、わかりました!では作ってきますので少し待っていてください!」


待っているとすかさずカインさんが突然腕を首に回してきた。

「よぉユリス!とうとうお前も俺の後輩になったか?」

…こんな短期間でもうべろべろに酔っている。

王城での会話から今まで1時間半くらいだぞ…

「まあ大変だと思うが頑張れよ!まあ、お前にはそんな心配いらねえか!」

そういいながら王声で笑うカインさん。


そんな会話をした後、すぐにカードができた。

「はい!これが冒険者カードです。これが身分証明書となります!ギルドはEからSまでのランクに分けられていて、はじめなのでEからのスタートとなります。S目指して頑張ってくださいね!」

「ありがとうございます!」と言って僕は受け取る。

「まあうまくやれよ!」

そういいながらカインさんはまた冒険者の人だまりの中へと入っていった。

…なんか少しだけ悲しそうな気がした。



…特にやることもないし、これからどうしようかな.


とりあえず僕は王城に行くことにした。

寝泊りに1部屋貸してもらえるそうだ。

寝床がない僕にとってはとてもうれしい。


王城に着くと、王様があいさつに来てくれた。

「おお、帰ったかユリスよ。それではこれから護衛を頼むぞ!」

「承知いたしました。」

というわけで護衛が始まったようだ。

…護衛って何をするのだろう。

「…とりあえず王女様の様態を見に行くか。」


「王女様、護衛のユリスです。挨拶に来ました。入ってもいいですか?」

僕はノック扉をノックしながら言う。

「どうぞ。」と、声がしたので中に入る。

「失礼します、再度お初にお目にかかります王女様。」

「こちらこそお願いします、それとこれからはマリーとお呼びください。それと敬語は二人だけの時は使わなくていいですよ。」

王女様はフレンドリーなようだ。



「では、何かあったらすぐに読んでください。近くの部屋にいますので。」

「はい、わかりました。」

そういって僕は部屋を出る。

少し王女様と雑談したぐらいだ。ほんとに。

好きな食べ物なんですか、ぐらいの。

にしても、何であんな人当たりのよさそうな人が殺されそうなのだろう。

そんなことを考えながら僕は自分の部屋に戻り、眠りについたのであった。



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