第2話 遭難

「どうやら僕は遭難そうなんしたらしい。」

照りつける日差しの中一人そうつぶやいた

正確にはこの島には一人しかいないからなのだが。


港を出た船は何事もなく沖にまで出た、そこまではよかった、問題は次だ

目的地まであと半分と来たところで突然クラーケンと衝突し怒ったクラーケンにより船は沈没、船が傾いたところで僕は近くにあったたるの中に自分の荷物と体を押し込んで気づいたら浜辺。

そして今に至る。


「なんでこうなるんだか…」

たるの中に入った時点である程度覚悟していたので、そこまでうろたえることはなかった。

「とりあえず持ち物の確認だ。」

パン一個、銀貨20枚、水筒、本2冊、そしてナイフだけだ。

「樽の中だったから無くなったってことはないな、日用品はもうすでに学校に送ったからな…」

「泳ぐにしてもカナヅチだしを作るにしても場所がわからない限り危険だな…」

「………待つか。」

「とりあえずまずは家っぽいものでも作らないと…」



彼は待った、待ち続けた。

彼は知らない。

ここは船が沈没した場所はおよそ2000㎞も離れた場所だということを。

そして、この島はかつて世界を牛耳った魔王の魔物の実験場〈ヘルヘイム〉という人を寄せ付けない島だということを。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

魔王の実験場〈ヘルヘイム〉


神話の時代に魔王が配下に銘じて作った実験場。

ほぼすべての魔物が生息しており、独自の生態系を持っている。

島の外からは島が見えないように魔王が張った魔法が今も残っており侵入は困難。

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