第2話 王と奴隷

 単純に言って。俺エリックは底辺だ、通ってる学校もレベルが低いし、金もない。そして彼女もいなければ、友達も少ない。


 そんな、底辺のいわばガス抜きに『テオスアーキテクチャ』はつかわれている。


 『テオスアーキテクチャ』は一つのサーヴィスだ。それには多少の金と、そしてただいな承認欲求が必要だ。


 それは単なる暇潰しの道具ではない。


「『白銀の勇者』まずは魔王政府に取り入るぞ」


 俺は『白銀の勇者』に耳元で囁く。


「え、近、キモい、んで、どうやって?」 


 軽く拒否られた俺は特に落胆せず


「嫌なに、『白銀の勇者』が魔王政府の軍門に下れば否応なく魔王の支持は集まる……」


「魔王の力の源は魔王への支持だか、力をましてどうする?」


『白銀の勇者』の黄金色と紅の瞳が首ごと傾く。


「単純さ、無能な行いをする、つまり恐れるべきは有能な敵はなく無能な味方というわけだ」


「ではどうやって魔王政府の支持の基盤は万能薬『パーフェクトポーション』と娯楽マシーンたる『テオスアーキテクチャ』この二つを民営化させれる、そうすれば魔王政府よ支持率は大きく傾くだろう」


 『白銀の勇者』はそれを聞いた後、


「でもどうやって」


「簡単さ、新古典派の哲学に染めさせる、マーシャリアンクロス、需要と供給の均衡点にこの二つを巻き込む、いま魔王政府は独裁政権にありがちな傲慢な権力集中に夢中だ、そこで利権団体を増やしいわば仲間を減らせると思われがちな民営化はいいエサだ」


『白銀の勇者』は 


「よし、よく分からんがやってみるぞ」


 と息巻いた。


 そうして魔王政府と接触し、仲間となった。


 最大敵対勢力である『勇者パーティー』の陥落は喜ぶべきだろう。




 



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神之構造物 坂西警護 @tarantulata2

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