6【感想雑談?】私が嬉しい、小説作者の反応

 応募をして感想書きに感想を書いてもらったとき、返事などで反応を示す小説作者がほとんどだと思います。

 お礼を言ったり、感想内容に言及したり。

 ということでフィンディルが思う「この反応は嬉しい!」をレベルに分けて紹介してみたいと思います。どういう反応をしたら感想書きは嬉しいのだろうかと考えたことがある方は、参考にしてみてください。

 なおイラッとした反応や悲しい反応はこの記事では割愛したいと思います。嬉しい反応のみを取りあげます。



 まずはレベル1。

 指摘を受け止める反応。

 指摘のある感想にかぎりますが、「指摘された内容は自分でも感じていたことで、自分を見つめ直すきっかけになりました」「指摘された内容は非常に納得できるもので、思わず膝を打ちました」など、指摘内容を肯定的に受け止める反応です。

 この反応ですが、感想書きは安心します。「良かった、受け止めてくれた」と安心します。トラブルにはならなさそうだな、円満なやりとりができたなと安心します。

 指摘というのは火種となりうる性質を持っていますから、いくら配慮をしても小説作者が受け止めてくれるまで感想筆者は不安です。私も毎回少なからず不安を抱いて感想を出しています。

 小説作者が指摘を受け止める態度を示してくれることで、感想筆者は安心します。

 ですので「嬉しい」というより「安心する」ですね。



 レベル2。

 指摘は受け止め、褒めは喜ぶ反応。

 褒めと指摘の両方がある感想にかぎりますが、指摘についてはレベル1と同じように受け止め、それとは別に褒めについては喜ぶ反応です。

 実はこの反応、感想書きとしては嬉しい。嬉しい。

 「普通の反応では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とレアなんです。両方とも反応できる人は実は少ない。

 自作に指摘されたら小説作者はどうしてもそっちに意識が集中しちゃうんですよね。もちろん褒められたら嬉しいと思うんですけど、それ以上に指摘のことで頭いっぱいになってしまう。

 予想できていた指摘なら「やっぱりな」「ここが弱点なんだよな」、予想できていなかった指摘なら「そういう弱点があるのか」「気づかなかった視点だな」と思います。そして同時に「どう改善・洗練していこうか」とも考えるでしょう。

 なので褒めに喜ぶ余裕がないと思うんです。

 そのため私の経験上、たっぷり褒めてたっぷり指摘した感想だと、褒めはスルーして指摘にのみ言及する小説作者が多い印象があります。


 あるいはこれは私の想像ですが「感想の大事なところは指摘だから、褒められて喜んでも仕方ない」と考えられている小説作者もいるかもしれません。

 褒められて無邪気に喜んでる姿を見せても感想筆者さんは困るだけ、なんて考えられているかもしれません。


 ですが私の場合、私の褒めで小説作者が無邪気に喜んでくれていると、すごく嬉しいです。気分はサンタさん。

 感想は贈り物にたとえられますがそのとおりで、私は褒めを入れるときには「これを言われると小説作者さん嬉しいだろうなあ、喜んでくれるだろうなあふふふ」と思っていることが多いんですよね。「多分きょとんとされちゃうだろうなあ」と思いながら褒めを書いているときもありますけどね。

 プレゼントする側はプレゼントされた側の喜ぶ顔が見たいのと同じように、感想書きは自身の褒め言葉で喜ぶ小説作者の顔が見たいんですよね。もちろんそれ目的で無理に褒めたら駄目ですけどね。


 また小説によっては指摘よりも褒めのほうにエネルギーを使っている感想も少なくありません。この作品においては指摘も大事だけど、まずこの作品の魅力をありったけ言語化してベタベタに褒め散らかすのが大事だわ! という作品も少なくありません。そういう作品だと褒めに全身全霊をかけています。いかに魅力を言語化して褒めて褒めて小説作者に自信を持ってもらうか喜んでもらうか、そこにエネルギーを費やす感想もあります。

 その感想への小説作者の反応が褒めスルーの指摘言及だと、「まあ仕方ないよね」と思いつつちょっと寂しい。素晴らしい小説は指摘のレベルも高くなりがちなので、小説作者が指摘に集中するのは当然なんですけどね。ただ、ちょっと寂しい。


 なので指摘で頭がいっぱいな小説作者に無理に「褒めたんだから喜べ」と言うつもりはありませんが、「喜んでも感想筆者は困るだけだろうな」と思って自重する小説作者がいらっしゃるならば、どんどん喜んでほしいと私は思います。喜ぶ余裕があるなら喜んでほしい。

 指摘は受け止めて褒めは喜ぶ反応をする小説作者は、基本的に最高です。感想書きに好かれる。私は「書いて良かった」とほくほくします。



 レベル3。

 指摘は受け止め、褒めは喜ぶ。さらに感想を褒める反応。

 レベル2に追加して、「感想筆者・感想への褒め」に文章が割かれている反応です。指摘は受け止め褒めは喜び、さらに「この感想の良いところはここだ」「あなた(感想筆者)の感想は素晴らしい」などの褒めがある反応です。

 これはもう神様ですね。感想書きは多分もう惚れちゃいますね。「あぁ、もうあなた大好き……」ってなっちゃう。


 この反応については「そんなにないだろうな」とおわかりいただけると思います。

 レベル2では指摘に意識が集中してしまって褒めに喜ぶ余裕がないという話をしましたが、レベル3では自作に意識が集中してしまって感想品質を考える余裕がないからです。褒めに意識が向かないなら、感想品質なんてなおのこと意識が向きません。

 自作があれこれ褒められ、あれこれ指摘された。そうなると褒めなり指摘なりを消化するのに手いっぱいになっちゃうんですよね。その感想筆者が上手いとか気にしてる余裕がない。当然です。

 なので私の経験上、感想に対して小説作者が長大なコメントを残しても、そのほぼ全てが自作に関する内容というパターンがほとんどなのです。それは当たり前のことですし、「これだけコメントを残したくなる感想を書けたんだ」と嬉しくはあるんですけどね。


 また褒めたくなるような品質の感想は、大体内容が詰まっていて濃いんですよね。素晴らしい感想ほど消化が大変。得るものが多すぎて小説作者はそれを捌くのに必死になっちゃう。なので素晴らしい感想の素晴らしいところに言葉を費やす余力が残っていない。だからスルーしてしまう。

 ただ私としては、その感想が素晴らしく、小説作者に余力があるのであれば、感想を褒める意識を持っていただけるとすごく嬉しいです。


 感想書きって褒められ慣れてないんですよね。褒められる機会が少ない。その理由は先述したとおり。

 ありがたいことに私はフィン感を褒めてもらう機会が多いんですけど、多くの感想書きは自身の感想を褒められた経験はあまりないんじゃないかと想像してます。

 なので「感想とはそういうものだ。小説作者に喜んでもらったら、糧にしてもらったらそれでいい」と割りきったり、「丁寧な感想をありがとうございます」「深く読みこんでくださってありがとうございます」という僅かな褒め言葉を啜って飢えを凌いでいるのではないかと思います。

 だからこそ素晴らしい感想を褒める文章をしっかり設けてあげると、「ああ、大好き」と感想書きをメロメロに喜ばせられるんじゃないかなと思います。

 ここがこうでこうだから素晴らしいみたいな感想書きレベルの褒め言葉は必要ないと思うので、「素晴らしい感想をいただいたな」と思ったら感情的感覚的な言葉ででも、その感想書き・感想を褒めてくださるとありがたいなと思います。

 そんな反応をしたら、感想書きはメロメロになっちゃうんじゃないかなー。感想書きに愛されるんじゃないかなー。私なら「この人にはもっと良い感想書いたろ!」ってなります(良い≠褒める)。



 ちなみに私はレベル4反応として「紹介(口コミ)の場を作ってもらう」「金銭的支援をしていただく」を受けることがあります。

 本当にありがたい。レベル4反応をしていただいた方には、私は惚れています。ふっふーい。本当にありがとうございます。



 以上、フィンディルが思う「この反応は嬉しい!」でした。便宜的にレベル分けしているだけで実際とは少し異なるのでご了承ください。

 感想は特殊な性質でして、小説作者一人だけを読者として想定している読み物です。不特定多数を読者にしているレビューや評論はまた別なんですけど。

 小説作者一人だけを読者に想定しているということは、その感想にコメントを残すのも基本的に小説作者一人のみです。あなたが言及しなければ他に言及する人はまずいません。

 応募して感想を読み、「素晴らしい感想をいただいたな」と感じた方は、よければその感想書きを喜ばせてあげてほしいなと思います。


 ただ自作に濃い感想を受けた小説作者は、感想内容の消化で精一杯になると思います。なので無理に喜んだり感想を褒めたりする必要はないと思います。それは感想書きも望まないはずです。

 意識を向ける余力のある方だけ、参考にしてみてください。

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