第2夜 人のいつかない家に住んだ話。
日曜の昼日中、ふと思い出したから昔住んでいた家で起こった“不思議だなって今考えたら思う話の中の一つ”をする。暇な人は読んでってくれたら嬉しい。
なにが不思議だったかというと、この家は何でか知らんが異様に人が居付かなかった。
僕は何か月かそこに住んでたんだけれども、何とびっくり安心して家にいられた時間がほぼ0である。
は?って思うだろう。
何があったかというと、新居って入居したらその日からそこに住むものだけども僕は住めなかった。
引っ越して初日を過ごして起きて、学校行って次に部屋に入れたのは数日経った後。
理由はシンプル。引っ越しの少し前から大学の課題が忙しくなってきていて、それがとうとう切羽詰まっちゃって。入居初日、完全にデッドラインを超えた。
大学から近い友達の家に泊まったりしてたらあっという間に日が過ぎて新居生活の開始が入居から1週間ほど遅れた。(課題は終わったよ!)
今思えば“これが始まりの音”って感じ。
端的に表現しちゃうと家にいると家を出なければならなくなる出来事が頻発するようになった。
家に帰ってすぐ何か用事で呼び出されたり、急に買い忘れが発覚して買い出しに行かなきゃダメになったり、友達に誘われて遊びに行ったり長期旅行に誘われたりして。しかも複数回。
友達が遊びに来てくれた時も家にあがった後に家出なきゃならなくなる事が多くて。
予定そのものは潰れないけど、家に上がった後“忘れ物”とか“買い忘れ”とか“ちょっと呼び出された”って必ず一回は外出する。どれだけ確認しても僕か友達のどっちかが絶対に外でなきゃいけない状況になってた気がする。
今思えば忙しい時期なんてそう続くわけないのに、そういう異様な(不快感のない程度のじわじわくる)慌ただしさが半年以上続いた。
そんなこんなで半年少し新居に住んでたけれども家にいた記憶があんまりない。
その後なんやかんやあってまた引っ越す事になった僕はこの家を出たんだけど、最後の日に引っ越し手伝いで友達が来てくれて、荷物運び出してもぬけの殻になった部屋を皆で出ようとした時に全員バラバラに脱ぎ散らかしていたはずの靴のつま先が全部綺麗に玄関向いて揃ってたの見た時に、この家と相当相性悪かったんだなって腑に落ちた。
以上、不思議な家の話。読んでくれてありがと。
今あの家は誰が住んでんのかな。
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