隙間怪談
怪談夢屋
第1夜 変な隙間の話。
変な隙間がある、という話をしたい。聞いてくれ。
なんという事もないよくある“隙間”の話なのだけれども興味がある人は読んでいってほしい。マジでただの“変な隙間”の話。
隙間というのは家に普通にあるものなので僕の部屋にもだいたいフツーに隙間がある。
ドアノブのあるドアは閉めてしまえばお仕舞いなわけだけど、スライドするタイプだと閉め損ねたり、詰め込みすぎた本棚がカッチリ閉まらなくてどーしてもこーしても仕方なく隙間生まれる、みたいなやつである。
性格上、僕はそういうの実はあんま気にしない。(神経質そう、とは言われるのだけれど)
ので、隙間があるのが割と普通な自室に住んでいる。
でまぁこの隙間なんだけど、もちろん“開けて閉めた”からあるのでよく開ける本棚とかはよく隙間が開いてたりする。当たり前である。
閉まり切らん本棚など隙間がなかったら逆に中で本が圧縮されて潰れてるわけなので、なんならやんわり閉めてあえて隙間をあけている事が多い、なんて事すらある。そういう部屋に、住んでいる。本が矢鱈多い。
そういう日常の“隙間”の話なんだけれど、最近よく隙間なくかっちり閉まるようになってきたのだ。理由は部屋を掃除して物が減ったから。棚とか引き出しの中身が少なくなってスムーズに閉まるようになったし、掃除する時は棚開けて中を掃除して、きっちり閉めてそれを掃除の完了にしていたからだ。まぁ隙間は明らかに減った。
それでふと気付いた事がある。“あるはずの隙間”が“ない”という事がたまにあるという事。今まで隙間の多い部屋に居たから気づかなかったんだけれど、アレ?あそこ開いてたはずじゃない?みたいな瞬間がたまにあるのだ。さっき棚から本出して閉めたっけ?いや開けっぱじゃない?という事がたまーーにある。なんで?って思う。
これ最初に“変な隙間”の話と言ったから“変な隙間があるんかな?”って思った人いると思う。
ではなくて僕の部屋、なんでか知らんけど隙間が減ってる事があるのである。さっき引き出し開けたままにしたよな、いやでも今閉まってんな?って。素直に厭。
そんでこれが一番厭な話で、たまーに最近、瞬きした時に目開けづらい時があるんですよ。
もう想像するの厭だし何も考えないようにしてる。読んだ人が何想像するかは自由。
以上“変な隙間”の話、聞いてくれてありがとう。
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