三匹の子豚と肺活量に優れた狼
水曜
第1話
むかしむかし。
あるところに三匹の子豚と肺活量に優れた狼がいました。
三匹の子豚は、それぞれ自分の家を作りました。
「僕は藁で家を作ろう」
「僕は煉瓦で家を作ろう」
「僕は木で家を作ろう」
一匹は藁の家をつくりました。
一匹は煉瓦の家をつくりました。
一匹は木の家をつくりました。
「わーい。わーい。立派な家ができたぞ!」
三匹の子豚は大喜びです。
その様子を肺活量に優れた狼が見ていました。
「ふふふ。そんな家など、俺が壊してやる」
肺活量に優れた狼は、まず藁の家を訪ねました。
「子豚君、子豚君。ここを開けて、俺を入れておくれよ」
「嫌だよ。絶対開けるものか」
「よし。それなら、俺が吹き飛ばしてやる」
肺活量に優れた狼はほっぺを膨らませて、大きく息を吹きかけます。
すると藁の家は、瞬く間に吹き飛んでいきました。
「はは。俺の自慢の息に藁が勝てるわけないだろう」
肺活量に優れた狼は、次に煉瓦の家を訪ねました。
「子豚君、子豚君。ここを開けて、俺を入れておくれよ」
「嫌だよ。絶対開けるものか」
「よし。それなら、俺が吹き飛ばしてやる」
肺活量に優れた狼はほっぺを膨らませて、大きく息を吹きかけます。
すると煉瓦の家は、瞬く間に吹き飛んでいきました。
「はは。俺の自慢の息に煉瓦が勝てるわけないだろう」
肺活量に優れた狼は、最後に木の家を訪ねました。
「子豚君、子豚君。ここを開けて、俺を入れておくれよ」
「嫌だよ。絶対開けるものか」
「よし。それなら、俺が吹き飛ばしてやる」
肺活量に優れた狼はほっぺを膨らませて、大きく息を吹きかけます。
ところが木の家は、びくともしません。
「馬鹿な。俺の自慢の息が木に負けただと」
「当然さ。とある東洋の国には地震や台風にも耐える優れた木造建築があるんだ」
木を使った子豚は、きちんと勉強した上で頑丈な木の家を建てたのです。これには肺活量に優れた狼もお手上げでした。
三匹の子豚と肺活量に優れた狼 水曜 @MARUDOKA
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