第602話 勇者のレゾンデートル(存在意義)10
俺はセラフィーナからの告白を受け取り、魔族の重圧を強めていく。
端っこにいた数体の魔族が逃げることに成功した。
しかし城から確認してみていたメンバーたちは転移して倒してくれている。
俺のステイタスが突然、目の前に表示された。
「なんだ?」 今までは、使おうとしない限りはステイタス表は表示されなかった。
それが当然、呼びもしないのに表示された、その理由は、ステータス表をみたら、理解できた。
そう、勝手に表示したのは、ステイタス表に変化が生じていたからだ。
今までは重圧と思って、発動した圧力魔法が、神圧に変わっている。
それも無限大のマークが書いてある。俺は神圧?を使いながら、ステイタスを、隅から隅まで見てみると、多くのところで変化しているが、今は神圧をしているので、集中する。
集中すると、圧力が増したみたいで、地面が凹んだ。
そこにいた魔族は、押し潰されてぐしゃっと潰れてしまった。
「う〜ん、あまりいい光景ではない」
それを聞いていたセラフィーナが「クリス様、どんな形であれ、攻め込んできているわけですから1人でも逃すと非常に厄介ですし、ここまま攻め込まれてしまうと、民に多くの犠牲が出てしまいますので、お願いします」
「あっ、そうだね」セラフィーナから、情けは無用だと言われた。
俺は神圧を加えながら、魔族は失神したり、押し潰されたりしているが、苦しむことが少しでも減るように早めに押し潰していくが、それを実行しながら魔族が出てきた空間を調べてみる。
検索魔法と鑑定魔法を使って空間を調べ上げていく。
そうすると俺が作る空間と同じだと判明した。
鑑定魔法で作った人物の特定ができるか、確認してみたがウルフだった。
しかしウルフは、向こうの世界の城から動いていない。なのかやり方があるのか、誰かに任せているのか?
ということは四天王しかいない‥‥‥
四天王は見たことがないから、検索魔法でも引っかかってこない。
もしかしたら魔物の大量出現の時に、うろついていた奴が四天王か?
それなら3体倒している。
いや、四天王だからと言って、四人とは限らないな、グループの総称ということもある。
つまり四グループいると思った方がいいかな?
もしかして魔物を背後から操っていた3体が、四天王の一つかもしれない。
ということは、今、眼下にいる魔族にも強いやつがいるのか?
それとも、魔族を操る奴がいるのか、俺は押し潰している魔族を観察してみた。
それにしても、家族を持っている奴はいないのかな?
家で子供が待っているとか?
でも、人を殺すために、勢揃いしていたわけだし‥‥‥
人略行為自体が、戦争行為になる。
あらかた魔族を潰し終えた‥‥‥
今は、メンバー全員が、現地にきている。
俺もセラフィーナと共に、みんなのいる場所まで降りていく。
もちろん、その前に生存者がいないことは確認ずみだ。
2万を超えた魔族が死んだ‥‥‥
いくら魔族だからと言って、無駄に死んでしまっていいわけがない。
指示した奴が背後にいる。そいつを叩かなければ、また犠牲者が増えてしまう。
魔物や魔族がいなくなるまで、続くことだってある。
*
俺は、死体になっても消えることもない魔族を、このまま放置することはできないので、炎系の魔法を使って、焼却していく。
近くの木や草に燃え移ることがないように、魔法を使って数カ所に集めて焼却していくことにした。
魔族を倒すことよりも、焼却の方に時間がかかった。
その間、セラフィーナとアレクに、お城まで転移してもらい報告を頼んだ。
他のメンバーは、待つだけ。
こんなところで食事はできない。
*
俺は開いたままになっている空間の入り口にやってきた。
普通なら、閉じていてもいいと思える空間の入り口が開いている。
罠の可能性もあるから、疑いながら近くまで行かないで確認してみる。
空間の中には、生物の気配はない。 出入り口の近くに四角い機械が置いてある。
多分、これのせいで空間の出入り口が閉じないんだろう。
俺が機械を観察していると、カチッと音がした。
機械の音がして、少しの間、何も変化がなかったが、空気が吸い込まれていく‥‥‥。
「みんな、できるだけ大きな木につかまれ」と俺がいうと、一斉に木につかまる。
俺が空間の中を索敵すると穴が空いている。
その穴は、どこに通じているんだ?
空気を吸い出しているから、空気がないところに通じている可能性が‥‥‥。
暗い、真っ暗な暗さ‥‥‥宇宙だ。
どうすればいい?
穴を塞ぐには‥‥‥
機械を壊すか?
どちらだ?
穴を塞いでも、また機械が別の穴を開ける可能性がある。
それなら機械か?
「ク、クリス、早くして」とアリシアが叫ぶ。
「もう、つかまっていられないよ」とイザベラ
「よし、決めた」と言って俺は機械を壊すことにした。
俺は神圧を強めて、一気に機械を潰す。
「ボンッ」と音を立てて、機械は機能しなくなった。
しかし、宇宙へ開いた穴は塞がらない‥‥‥
「くっ、くそ」
二万もの魔族を収納していた空間は、結構、広い。
空間の口を閉じる方法があるのか?
宇宙へ通じる空間の穴は広がってきているみたいで、空気が、どんどん吸い込まれていく。
俺は、その流れを利用して、自分で空間を作って、吸い込ませた‥‥‥吸い込ませると、俺の使った空間を大きく広げていく。
しばらくすると、徐々に流れが落ち着いてきた。
「みんな、まだ木につかまったままだよ」と言いながら俺は中の確認をする。
俺が作った空間が、うまく穴にはまっているみたいだ、俺は空間を作る時に柔軟性を持たせて作っている。
しかし誰かが作った空間が、持たなくなってきて穴の周りにヒビが入ってきた。
この空間を作った奴は、いい加減な空間の作り方をしている。
壁も薄いし、硬い作りをしている。
今の俺だったら、こんな
俺も以前、空間を研究していたので、出入り口は、こちらにあるんだけど、奥は次元が違う場所にある。
ここから見えるのは、出入り口だけ‥‥‥
どうする?
俺の空間で新たに覆うようにするか、いや、不可能だ。
他人が作った空間を、どうにかすることができるのか?
『考えるよりも実行してみろ、お前ならできるじゃないか』と女性の声だけど、言い方が荒っぽい。
誰かは、わかっているけど、俺もやる時はやる。
俺が考えたのは、あの壊れかけた空間を操作すること。
今ある空間に俺の魔力を混入させていく。
「よし、もう少しだ」
そして空間を乗っ取ってしまった。
俺の魔法と合体した空間は、もう脅威ではなくなっている。
そして、俺は簡単に空間の口を閉じた。
「ハァ〜、吸い込まれるかと思った」とイザベラ
「うん、すごい勢いだったね」とアリシア
「ご主人さま、大丈夫ですか?」とジャネット
というもの、今、俺は空間を併合したから、情報を読み取ろうとしている。
「あの‥‥‥」とジャネット
俺は喋らないで、口に指を一本を立てた。
「‥‥‥」
全員が喋らない。今の空間の吸い込みで、多くの魔族の死体も持っていかれた。
火がついたまま‥‥‥
人の使った魔法には情報がある‥‥‥鑑定魔法で情報を読み取って‥‥‥
「よし、いいよ」
ジャネット「今のは、何を?」
「ああ、俺の魔法と他人が作った空間魔法を融合させたから情報が読みとれたんだ」
「では?」
「うん、ウルフが作成したものだ」
「‥‥‥」
「それを四天王に貸し与えたみたい」
「えっ、そんなことができるの?」とシャーロット
「うん、可能みたいだね、ただし、あの機械がいるみたいだけど」
「えっ、あの機械?」
「あ、みんなは知らないのか?、神獣たちは?」
「私たちは分かりましたが」とジャネット
「あの空間の出入り口に機械が置いてあったんだ。その機械で、操作して、こうなった時に手段として使ってみたい」
「へ〜」とソフィア
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