第557話 救世主への道17

俺たちは情報収集のため、屋台で焼き串を買い、店主から情報を集めた。


裏付けはないが、ほぼ正解だろう。


戦争を仕掛けられる国にいく必要もある。


俺たちは、このエイダン帝国に宿を取る事にした。


俺はメンバーと共に路地に入って透明になり、上空から高級な宿を探す、その理由は、今は多くの人が王都に来ているので、安い宿から中くらいの宿は満員の可能性が強いし、セキリュティーの関係から、高級宿の方が安全だと決めた。


何があるか、わかったもんじゃないからだ。


できたら城に近い方がいいと考えているが、貴族が止まるような宿があると思われるが、この国の貴族だったら、王都に屋敷を持っている。


なので宿に止まることはない。


大商人か他国の貴族くらいしかいないと思うが、城の近くに高級そうな宿を見つけた。


透明になったままで降りて、様子を伺う。


そして路地に入って透明の魔法を解除して近くの店に入って買い物をする。この買い物も久しぶりだな。


俺たちは14人いるから、全員で入ると店の中がいっぱいになってしまうので、二つの班に分かれて入ることにした。


それぞれの班の人に宿の情報を聞いてもらったり、もし聞けるようだったら、有意義な情報も聞いてもらう。


俺は待っている間、紅茶が飲める店に入って待つことにした。


もちろん、宿と店が両方とも見える店にした。


店に入って窓際の席に座る。今は俺1人しかない。


注文する前に俺が持っている貨幣を使うことができるか確認したが大丈夫だった。


席に座ってメニューを見ながら、注文を聞きにきた女性に紅茶とケーキを注文した。


ケーキはメニューに載っていたイチゴケーキを注文してみたが、この時代にもイチゴはあるみたい。


しばらく待つと紅茶とケーキがきた。早速、食べてみるとイチゴが美味しい。


紅茶も飲んでみると、少し味が違うが、美味しい、いい店を選んだな。


窓から外を見ていると宿には、あまり客らしき人は入らない。


やはり高級宿だけあって、そんなにおいそれと入れないと思う、しかも今は戦争の前だから他国からの貴族はやってこないと思う。


いや、一国だけの戦争でも他国が関係したり密約ということもあるから他国の要人がいることもある。


根回しも必要になるから、他の国の要人が泊まっていても不思議じゃない。


しかし、相変わらず、人は中に入って行かない。


メンバーが入った店をみると、ウロウロ動き回っているみたいだ。


入る前に俺から料金を支払うジャネットとソフィアにお金を多めに渡している。


たぶん、先ほどの露店の店主に支払ったから、大丈夫だと思うが、一応、買う前に使える硬貨か確認してもらっている。


いまだに出てこないところをみると大丈夫なんだろう。


ある程度、金貨はデザインが違うだけで、金でできているから、形や重さ、デザインが違っても価値は変化ないから大抵は使える。


ここでも、店でも、宿でも、他国から冒険者や旅人、商人がくるはずだから‥‥‥。


まぁ、珍しいと言われるくらいだろう。


別に異常がないか、ここで見張っているけど、何も起こりそうにない。


高級な宿の方が、安心だけど、他にも泊まっていれば情報収集ができることもある。


それが安い宿にしてしまうと、大抵は冒険者だから、俺たちが求めているのは情報だけど、そういえば酒場に行く必要もあるかもな。


そして攻め込まれようとしている国にもいく必要がある。まずは、この国からだ。


ジャネットが出てきて、キョロキョロしているので、俺が念話で「ジャネット、ここだよ」と伝えると俺の顔を視認できたみたいで店に入ってきた。


全員で7人の女性たちが店に入ってきたら、今まで俺1人だったのが、突然に賑やかに、華やかになる。


俺の前にはジャネットとロゼッタ、横にはパトリシアが座って、隣の席にはアレク、アデル、エイミー、アイリスが座る。


「みんな注文、どうぞ」というと、メニューを見ながら注文している。


アレクはパフェを注文したみたいだけど、注文する時に「この超巨大パフェを」と聞こえた。


巨大パフェなんて、食べ切れるのか?


しかし一つしか注文しなかったので4人で食べるんだろう。


ジャネットが「ご主人さま、情報ですが、やはり戦争はあと1ヶ月後に予定されているみたいです」


「やっぱり、そうなるのか」


「国からおふれが発令されたみたいで、国民に従うようにと言われたそうです」


「勝手に戦争を始めて、勝手に駆り出される人が大変だよね」


「そうなりますね」


ロゼッタが「宿の方は評判は言いそうじゃぞ」


パトリシア「あの宿にしましょう、ご主人さま」


「うん、そうだね、あの宿に泊まろうか?」


そんな話をしていたら、アリシアたちが帰ってきた。


「あ〜、今日はいっぱい買い物したわ」と俺の椅子に俺を押し退けながら座る。


つまり一個に椅子に半分ずつ‥‥‥そこに店員さんがきて注文を取って行った。


「じゃ、俺先に行って宿が取れるか確認してみる」というと店を出ていった。


「もう、クリスったら、このアリシア様が一緒に座ってあげているのに」と怒っているが、そのことは、もう店を出ている俺には届かない。


超巨大パフェを食べがらスプーンを口の端っこに当てたアレクが「アリシアって大胆だね」と言っていた。


俺は宿に向かって歩き始めていく、宿の扉を開けて、中に入ると前にフロントがあり、その前に歩いていく。


「あの、今日、泊まる部屋はありますか?」と俺がいうとフロントの人は「何部屋必要ですか?」というので「え〜と一つは1人だけ、あとは13人が別でもいいから泊まれる部屋を」


「そうですね」とフロントの人は確認しながら、「部屋はあるんですが、というか、今日はガラ空きなんですけど」


「当宿は、個室と3人部屋しかないんですが」


「あっ、じゃ、それでいいです」


「では個室1つと5部屋ということでいいですね」


「はい、いいです。では10泊、お願いします」


「ではお代金は前払いですので、これになります」


と示された料金は、結構、高かった。


「言い忘れましたが、朝と夕方の料理がついております、朝も夕方も人気の高い料理をお出ししますので、ご安心ください」と言われた。


美味しい料理なら、まぁ、いいか、と思って、泊まることにした。


料金を支払い、鍵をもらって「じゃ、全員を連れてきますので」と行って宿を出た。


みんながいる店にいき、外から手で予約できた旨を伝えると出てきた。


「取れたんですね」とジャネット


「うん、個室とあとは3人部屋が5部屋だよ」


「大部屋はなかったんですね」


「うん、そうなんだ、でも今日は誰も泊まっていないって」


「へ〜、やっぱり戦争だからですかね」


「うん、たぶんねじゃ、行こうか?」と言って全員で宿に向けて歩き始めた。


宿の扉を開けると、さっきいたフロンマンが、「おかえりさないませ」と言ってくれた、「お食事は7時となっておりますので、この奥の食堂にどうぞ」と言われた。


「はい、わかりました」と言いながら鍵の階まで上がっていく。


鍵は、607と書いてあるので、結構、歩くことになるが最上階だ。


俺の個室が607だ、6階についたら602の部屋の扉を開けると、3台のベットがあり、結構、広い、クローゼットも立派なものがあり丸テーブルに椅子が3つ置いてあり、鏡もあるし、トイレはついているが流石に風呂はない。でも、驚いたのはシャワーがあることだ。


「すごい豪華だね」


「あっ、でもイーノック王国の屋敷の方がいいかな?」


「そうですね、クリス様の屋敷は、どれも立派ですが城の方が、立派ですね」


「まぁ、そんなことを言わないで、泊まる部屋の人選をしてもらえる?俺が自分の部屋にいくから」


「はい、わかりました、えっと5部屋あるんでよね」


「うん、それぞれにベットが3台あると思うよ」


「じゃ、誰が1人部屋か2人部屋ね」とジャネットがいう


「はい、私、2人部屋がいいです」とアレク


「はい、じゃ、私もアレクと同じでいいです」とアデル


「じゃアデルとアレクは、2人で一部屋を使ってね」


「は〜い」

「了解」と声を聞きながら俺は自分の部屋の個室の扉を開けた。


その部屋は601号室


鍵もかかっていない部屋を開けると、箒と道具が置いてある、物置だな?


あれっ、と言ってもう一度、鍵と部屋の番号を見比べると、確かに601だ???


そこにさっきのフロンマンが息を切らせながら上がってきた。


「申し訳ありません、個室は601ではなく、602です。大変、申し訳ありませんでした」と言って602号室の鍵をもらった。


「こちらが個室になります」と言って扉を鍵で開けてくれた。


602号室に入ると、先ほどの女性たちが泊まる部屋と同じくらいの広さがあり、豪華な調度品が置いてある。


たぶん、貴族用の主人の泊まる部屋だ。


あ〜、よかった、物置じゃなくて‥‥‥なんてね。


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