第538話 未来への扉

俺はイーノック王国からもらった城のような屋敷で大変なことに気がついてしまった。


あのまま異変を気づかなければ、よかった。


しかし、それじゃあ、未来がなくなる‥‥‥


くそっ、なんなんだ‥‥‥


未来を守るためにも、何か行動を起こさないと‥‥‥


しかし未来にいくためには、どうやっていけばいいんだろう?


以前、1000年前の過去に行った時にはワームホールを使っていけたけど、確か反対側にはなかった。


つまり、ワームホールは、俺たちの時代から始まっていたんだ。


だから、あのワームホールは使えない。


あのワームホールは、考えてみると、作られているところのワームホールのような気がする。


5分先には5分だけのワームホールが出来上がるということだ。


だから、8324年3月にはいくことはできない。


今はフレア歴7051年だ。だから7051年分のワームホールはできているけど、その先はない。


しかし未来は繋がっているはずだ。


どこかに、どうやってかわからないが、行ける方法があるんじゃないか?


俺は片っ端からここにある本を読んでいく。すべてに目を通すことができないけど何かのヒントがどこかに書いてあるんじゃないかと思う。


本が消えないうちに目を通すことをしないと。


急速に消えることはないみたいだけど、いつ消えるのかわからない。


俺は並んでいる順番に消えていくみたいだから、最後から手に取れるものを見ていく。


本を手に取りパラパラと読んでいくと、この本は歴史だ。


その本には、勇者のことが書いてあった。その本の中に出てくる勇者が誰のことを言っているのか、わからない。


フレア歴9023年、勇者が住んでいる国に訪れる。


勇者は、この現状を見て、解決するのかと‥‥‥ここから文字が消えて読めない。


パラパラとページをめくってみても、もう白紙のページが多くなっている。


本が出版された時よりも、何かが起きて本を書いているわけだから、何かが起きていることが変わってきているのか。


本というのは歴史書であれば、あったことを書いていくわけだだか、そのあったことがなくなれば、事実は変わってしまうから、文字が消えていくんだと思う。


つまり書いてあることが、なかったことになるということ。


もう未来が変わり始めている‥‥‥。


俺は顔や背中に冷や汗をかき始めて顔から汗が滴り落ちてくる。


やばい‥‥‥このままじゃ未来はない。


しかし何が原因で未来が変わり始めているのか?


いつから、変わり始めているのか?


俺が過去に行ったからか?


いや、俺が過去に行くことは決まっていたはずだ。


ということは? 他の誰かが未来を変えようとしている?


普通の人が、そんなことできる奴はいないと思う、ということは、ウルフが復活しているのか?


俺たちが、魔物や魔族を退治している時に、奴は復活して未来を潰しているのか?


俺は体がゾクっとしてきた。


こんな怖いことを考えるなんて、奴らしかいない‥‥‥


でも、どうやって未来にいくんだ?


またもや部屋を右へ行ったり、左へ行ったりして腕を組んで考える。


そうするとマントに足を引っ掛けて転びそうになってしまった。


俺は下においているマントを手に取り、手に取った瞬間に、今度は違和感を感じた。


どうして、こんなところにマントがおいてあるんだ?


不思議に思ってマントを手に取り鑑定魔法を行使してみる。


関係魔法では、結界魔法が付与してあるのはわかっているが。俺は結界魔法が攻撃の防衛のためだと勝手に思っていた。


いや、待てよ、もしかして守るためか?


何から守るため? 攻撃じゃないとすると、もしかして未来にいくときの何かから守るため?


未来にいくときは、過去に行く時よりも、風じゃないと思うけど、何かが強いのか?


それから体を守るために結界魔法を張っているのか?


マントをもっと深く鑑定してみると、結界魔法とワームホールの魔法が付与させれている。


でも俺はワームホールの魔法は持っているから必要ない。


いや、待てよ、俺が使えるワームホールは、この星の歴史に関与するワームホールだ。


つまり、今より先に通じるワームホールはない。


このマントに付与させているのは、別のワームホールなのか?


俺は危険なことも考えもせずにマントを羽織る。


マントを羽織ると、少し埃が待って、俺の肩に収まった。


肩を動かしてみたり、腕を回したりしても違和感がない。


なんだか、とてもしっくりするけど俺用に、あつらえたみたいに感じる。


思っていたよりも、重たくもなく、逆に軽く感じるくらいだ。


マントを羽織って、俺の基礎魔法を濃紺か、黒に近い色のマントに入れてみる。


俺の魔法を吸ったマントは色が徐々に明るい光を発し出しだ。


光り輝くほどではないが、しっかりと魔力をまとっている感じがする。


今までとは違って、暖かく魔力で守られている感じだ。


しかし、これを纏って、どうすればいいんだろう?


なんだか、初めてのことばかりで戸惑ってしまう。


でも、俺ならやれると思っている。


というか、俺がやらないで誰がやれるんだ?


魔力で光るマントを見て、俺は見たいへ行くワームホールと言うイメージを持ってみる。


それしか思いつかなかったからだ。


しかし、それでよかったみたいだけど、行くことができた未来は、翌朝だった。


どうして、それがわかったのかというと俺が、白の部屋でマントを羽織ったまま、ベットに座っていた。


「ここは昨日の城の俺にの部屋か?」


俺が、あの部屋でマントを羽織ったのは、そんなに遅い時間ではなかったはずだ。


なんだか、過去に行くのと違って未来は、変な感じだ。


ということは、今の時間から過去に遡れば、あの部屋にいた時に行けるのか?


多分、変な感じがしたのは、その時間にいる俺と合わさることだと思う。


未来にも俺が存在するわけだから、同時に2人が存在していることになってしまう。


もう一度、俺のいる時間から、過去にいくことにした。


過去に行くには、今までと同じ方法が使えるので、俺はワームホールには行かずに先ほどの過去というよりも現在に戻ることにした。


時間が近かったせいか、戻る時にやはり、変な感じがする。


以前、行った1000年前では俺は存在していないわけだから、変な感覚に囚われることはなかったが、近いと変な感覚に襲われるみたいだ。


しかし、未来にジャンプするということは、俺が死んでいない限りは、変な感覚はあると思われる。


俺は簡単に、隠された部屋に戻ってこれた。


また、魔法で灯りを灯して部屋を見渡すと、先ほど読んでいた本は、どこにもなかった‥‥‥


マントは着込んだまま、俺は触れる本を手に取り、めくってみる。


この本は誰かが書いた雑記帳だ。


次の本を手に取ると、この本も料理レシピが書いてある。


次の本は‥‥‥と数本を手に取って見てみたが、どれも大したことはない本だった。


本棚の本よりも机の上に積みあげらた本を見てみる。


俺は椅子に座り、そこにある本を開いてみる。


机には積み上げられている本もあるが、一冊だけ机の上においてある本がある。


表紙をめくって


「現在の時間から、世界が崩壊に向かうことになる」と突拍子もないことから書いてある。


もう一度、本の表紙を見てみると、これは日記だ。


「俺が、これを読んでいるということは、今までの事件を解決して、ここまで辿り着いたということだろう、」と‥‥‥俺?


「よく、聞いてほしい、今、読んでいる時より、世界は崩壊を始める」


世界は崩壊?


「世界は徐々にあらゆるところから崩壊して崩れ去る、それを止めるのが、俺の役目だ、救世主となり得るのか?、それが決まる」


世界の崩壊を止めるのが救世主としての役目?


これから俺の、もう一つの称号の試される時なのか?


救世主としてのスキルを‥‥‥


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