第537話 城のような屋敷

俺たちは事件を解決したことで港町にある屋敷をもらったけど、高台に立っている屋敷で海や港を見下ろすことができる。


しかも、屋敷と言えないほどの大きさがあり、小さな城だった。


木材で作られているものではなく石みたいな物で作られている。


外扉を開けて中に入ると、無茶苦茶、広い部屋が広がり、階段も広い、そして2階に横に広い階段を登っていくと、また広い住めるような廊下がある。


その両横に、ドアがある。


しかし廊下だけでも広すぎる。


そして突き当たりのドアを開けると会議ができるような、広い部屋があり、テーブルが置いてある。


さすが王族が会議をに楽こともある屋敷だけあって、テーブルも丸く広い。


椅子も豪華だし、テーブルも装飾されて豪華だ。


壁際に置いてある暖炉にしても、豪華だし、絨毯もふわふわで豪華なものばかり。


「ここがみなさんが集まるところですね。そして、横の部屋があるんですが、ここが以前はお父様が使っていた部屋です」というと悲しそうな顔をした。


「そうか、ここにはキャサリンの思い出が詰まっているんだね」


「‥‥‥は、い、そうなんです」


「じゃ、ここは後にして、他の部屋を回ろうか?」


「あっ、はい、そうですね」


王様の部屋には入らないで、メンバーの部屋を見て回るが、それぞれの部屋も広すぎて、行くだけで歩く歩数も多い。


俺の村にある部屋なら5歩、歩けば次の部屋に行ける。


一つの部屋に入るとドアも大きいし、部屋の中も、今までもらった屋敷の部屋よりの2倍はある広さだ。


しかも床が木じゃなく石になっている。


本当に、これじゃ屋敷というよりも城だな。


「ここも、管理は、こちらでやりますので、使用人はいませんが、食事も自分達で用意する必要がありますが、気兼ねなく使っていただけます」


「うん、俺たちがいつ来るか、わからないから、助かるよ」


「でも、頻繁にきていただいて構いませんよ」


「そうだね、できるだけ、そうするよ」


「もちろん、きた時には、私に連絡してくださいね」


「えっ」


「だって連絡くれないと、来れないじゃないですか?」


この屋敷をもらうとキャサリンも、もれなくついてくるということ?


「嘘ですよ、自由に使ってもらうことができますよ」


本当かな?


「キャサリンは、今日は泊まっていく?」


「そうですね、みなさんと親睦を図りたいですから、泊まります」


「部屋はたくさん、ありますから、私の部屋は、そのまま、使わせてもらいますね」


やっぱり、もれなくついてくるキャサリンじゃないか。


キャサリンも、ここに泊まるということで、今日は何を異空間から出して食べようか、考える。


俺は早く調査に行きたいけど、今は、時間もないし皆んなが寝静まった時に動くことにした。


「さっきも食べたけど、今日は、ここで焼肉をしようか?」


そうなんだ、俺たちは焼肉を食べるためにイーノック王国にきたんだ。


お城に行ったのはついでだった。


キャサリンを連れて焼肉屋に行くのもいいけど、「みんな、どうする?」と聞いてみた。


「ここで焼肉をするのもいいけど、あそこに行きたい」とアレク。


「うん、私も行きたい」とアデル


「じゃ、多数決ね、店に行きたい人?」


全員がお店に行きたいと手を挙げる。


キャサリンまでが「そんなに美味しいところだったら、私も行きたい」と言い出した。


「じゃ、行こうか?」


「わ〜い」

「やったね」


ということで屋敷には鍵をかけて、俺たちは全員で以前きた路地裏に転移してきた。


もちろん転移する前に誰もいないことを索敵魔法で確認している。


路地裏から出てきて、焼肉店に入っていくと「すいません、今、満席でして‥‥‥」と言われた。


「じゃ、待ちますね」と言って、しばらく待つことにした。


20分くらい待っただろうか、働いている人が呼んでくれて店の中に入る。


店の中は賑わっているので、俺たちは個室に通された。


「お客さん、いつもありがとうね」


「えっ、覚えているの?」


「ああ、みんな美人揃いじゃないか、こんな人たちを忘れるわけないよ」


「じゃ、今日もいっぱい食べさせてもらうね」


「ああ、そうしておくれ」


と言っておばちゃんは、注文を聞いていく。


「みんな、しっかり食べとくれよ」と言って去っていった。


「今日は、みんな、おばちゃんが言ったように、しっかり食べてね」というと全員が

「もちろん」

「は〜い」と返事をした。



俺たちは美味しい焼肉をたらふく食べて屋敷に帰ることにした。


屋敷に帰ってから、それぞれの部屋に戻ることになる。


「あっ、俺はもう疲れたから寝るね」とだけ言っておいた。


みんなは、話でもするのかもしれない。


俺は寝ると言いながら、もちろん寝るわけではない。


先ほど、上空から確認した隠し部屋のいく。


何が見つかるのか、ワクワクする。


掘り出し物が出ることを期待している。


俺は検索魔法で部屋の中の様子を確認して安全状態を確認してみた。


もちろん、安全な場所だったので自分の部屋から転移して、隠し部屋の一つの中に入った


俺が魔法で灯りを作って中を見渡すと、そこには本の山だった、壁にも一面に本があるけど、机の上や、テーブルの上にも、本がおいてあり、ないのは俺が立っているところだけ。


ランプを使うと酸欠を起こすので、魔法で明るくするしかない。


魔法で明るさを維持しながら、壁に並べられている本の背表紙をみてみる。


歴史書と魔法書などが多くある。


俺は魔法書を一冊、手に取り開いてみる。


その魔法書は、薄汚れているけど、本自体は劣化がない。


俺は、手に取った魔法書を机に座って開くことにしたけど、椅子を弾いたら埃だらけだったので、近くにあった布で椅子の埃を払った。


しかし、取った布を見てみると「なんだ? これ」


ボロ切れかボロ雑巾かと思ったら違った。


それはマントだった。


このマント、誰のだろう?


俺は動きを重視するため、マントは羽織っていない。


マントに防御魔法を付与するということも考えたけど、以前は、あっていなかったから、やめた。


今は、違うかもしれないな‥‥‥と言いながら椅子の埃を拭いたし、マント自体が埃をかぶっていたから、バサバサとマントを振った。


そして少し埃が取れたマントを羽織ってみる。


丈は長くもなく、短くもなく、ピッタリなサイズだった。


「あっ、いい感じだ」ここには鏡がないから、わからないけど自分で見てもいいと思う。


俺は鑑定魔法を使ってみた。そうするとマントには結界魔法が施してあった。


それも、かなり強力な結界魔法が。


しかしマントに施していた魔法は結界魔法だけではなかった。


誰が、作ったのか、わからないけど埃をかぶっていたからもらっておこうと思う。


まだ、他にも施してあるが、そこは後回しにして、本を読み解くために椅子に座った。


俺は本を読み前に、フト気になって、もう一度、灯りを照らして本を見てみる。


本棚を右にいくと、本が古くなっている。


しかし左を見ていくと、本が新しい。


埃をかぶってはいるけど、全体的に本がくすんでいない。


あれっ、これは‥‥‥


俺は左側の本棚に近づいていき1冊の本を手に取る。


パラパラとめくって、一番、最後のところに、西暦が書いてあった。


今は、フレア歴7051年だ。フレアというのは、この星の名前だけど、いつから始まったか、定かではない。


なのにフレア歴と書いてあって、それが8324年3月と書いてある。


これが、誰かが悪戯したのでなければ、未来に人が書いた本になる。


悪戯した本をとっておくとは考えにくいので、たぶん、これは本物?


俺は過去には簡単にいくことができるようになったが、未来には行ったことがない。


しかし、未来で書かれた本が、ここにあるということは、未来は存続しているのか?


なんとか厄災を乗り越えて星として人類として続いているのだろうか?


もしかして俺の気苦労で、厄災なんてなかったのか?


俺の取り越し苦労?


俺の考え違い。


いや、何かがおかしい、俺の疑念は消えていない。


なんだ、この違い?


昔から感じている疑念は、いまだに俺の心に残っている。


しかし、本は、この通りある。


その時、俺は異変に気がついた。


本棚が先ほどと違うんだ。


灯りを本棚に近づけると、本が薄くなっていく。


まるで消えていくように、少しずつ、薄くなっていく‥‥‥


なんだ、これ。


もう、その本を手に取ろうとしたけど、本の形はあるけど、さわれない。指が本を通り抜けていく。


本棚を見渡してみると、左側の本棚に本がないところがある。


俺はもっと本棚に近寄ると、本がおいてあった形跡が見える。


「どういうことだ」俺は手を組んで、本棚の前を行ったりきたりしながら歩いている。


「う〜ん、どういうことだ、これは‥‥‥なんだろう?」


‥‥‥もしかして未来が変化してきている?


未来に何か起きているのか?


どうする?


未来には行けるのか?


未来に何が起きている?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る