第521話 魔族、魔物襲来

ライオネル公国に多数の魔族が現れて家を壊したり、人を襲ったりしている。


初めは自分の国の兵士や騎士たちが出動していたんだが歯が立たないということで応援要請がきた。


そうしたら念話の魔法通信で、またもやダイラス連邦からも魔族襲来の連絡があり応援要請がきた。


魔族の陽動作戦か?


念話は、全て今はオープンチャンネルになっているので、神獣たちだけじゃなく、メンバー全員が聞いている。


『クリス殿、今、我が国に魔族と魔物が多数、確認されている、至急、応援要請する』と連絡があった。


『みんな、俺は、ダイラス連邦の要請に応じて行ってくるから、ここは任せてもいい?』と念話で確認してみる。


たんだか厄介なことになってきた、全部の国じゃないだろうな。


そこに、また、念話連絡が入り、今度はリッチェスト国からだった。


『クリス殿、至急、応援に明日来てほしい、魔族と魔物が複数確認されている‥‥‥』と連絡が入る。


やはりか?


俺は舞台を分けることになるが、こんなことは初めてのことだ。


今までは、どこに行くのも全員が一緒に見たわけだけど今回は、そうはいかなくなった。


そして念話連絡で、ブラッドフォード大公国、サイラス帝国、オズワルド王国、オーリス王国からも応援要請がきてしまった。


俺が盟主をしている国の7カ国からの要請だ。


俺の加盟国以外は連絡手段がないから、わからないけど、魔法連絡を持っているのは、今、加盟を検討中のボールドウィン王国だけ。


イーノック王国は、まだ話もできていないと思うから今からだ。


どちらにしろ加盟国が増えれば増えるほどメンバーの負担が増えてくる。


現在のメンバーでやるのも不可能になる場合もある。


しかし今は加盟国に出現している魔物を、どうにかしなければいけないから集中することにした。


俺の分身体を21体、作ることにした。


それをメンバーとともに各国に派遣する。


メンバーはジャネット、ロゼッタ、パトリシア、アレク、アデル、エイミー、アイリスたち神獣たち7人。


そしてソフィア、イザベラ、コリン、アリシア、シャーロット、セラフィーナの6人だ。


13人いるので、一つの国に2人ずつ派遣して、ジャネットは一番、能力が高いので1人と分身体を3体つけることにした。


いよいよ本格的なことが始まるのか?


これだけ大規模に敵が攻めてきたのも珍しいことだと思うけど今まであったのも試験的なものが含まれているのか?


今回出現しているのは魔族と魔物だ。


しかも正確な数がわかっていない。


だから俺だけが、いつでも検索魔法で確認して、危ないところにいくことにした。


戦闘経験を積む良い機会だけど、本当は、こんなことはさせなくない。


いくら俺たちにしかできないことだって、魔族を殺すことには躊躇してしまう。


魔物ならいいというわけじゃないけど、魔族は人に似ている。


肌の色が黒くて角が生えていること、空を飛べる翼があることくらいかな。


襲ってくるやつを全て敵だから倒してもいいと思えるんだが考えの違いと言うのは戦いになってしまう。


魔族だって家族があるだろうに、その家族が死んでしまうことに何も思う事は無いのかと考えてしまう。


魔族は人間を憎んでいるから話に持ち込むことも不可能だ。


またもやメンバーを分けることになる。


シャーロットにはパトリシアと分身体2体の組でオーリス王国に向かってもらう。

セラフィーナとロゼッタと分身体2体の組で自分の国だから、ここライオネル公国に残ってもらう。

サイラス帝国にはアレクとソフィアと分身体2体

リッチェスト国には、アデルとコリンと分身体2体

ダイラス連邦には、アリシアとエイミーと分身体2体

オズワルド王国には、ソフィアとアイリスと分身体2体

ブラッドフォード大公国にはジャネットと分身体3体


今、目の前には分身体を作っているから、メンバーの数が増えて感じがする。


まだ分身体を作る余力はあるが残しておくことにした。


「じゃ、みんな頼むよ」というと軍隊みたいに胸に拳を作って敬礼したのが、あまりにも見事に揃い過ぎていたから、みんなで吹き出してしまった。


「あ〜、面白かった」とエイミー


やっぱり企んだのは、エイミーだったか。


でも、みんなの緊張がほぐれた気がしたのでエイミーには感謝だ。


全員に神獣たちがついているので、念話でも、瞬間転移でもできるから安心だと思う。


「みんな危なくなったら逃げることも考えてね」と言って全員の顔を見渡して「じゃ、作戦開始」


みんなが消えていったが、ここライオネル公国では、戦闘中だ。


みんながいなくなって、すぐに戦闘が再開させる。


今、ここには兵士、騎士、雇われた冒険者がいる、そして自国の姫であるセラフィーナも参戦する。


俺たちは戦うために最前線に転移して出てきた。


俺の分身体も2体いるから、俺たちは5人体制で、早めに討伐していくことにした。


前線では魔物がいるが、後方になると魔族がいるみたいだ。


俺たちが前線に転移してきたら、現場にいる人たちから歓声が上がった。


「おおっ、勇者さまだ」

「姫さま〜」

「ロゼッタお姉さま〜」という声がしているので女性もいるみたいだ。


「皆さん、大規模な攻撃をするので下がってください」と俺がいうと「みんな逃げるんだぁ〜」と男性が声を上がるので、みんなは顔を青くして前線から下がっていく。


全員が下がったことが確認できたので俺は火炎砲の準備に入る。


「ご主人さま、1人、逃げ遅れている人がいます」とロゼッタが言う。


そういえば魔物の方を確認していなかった。


俺が確認してみると魔物が大きく混紡振りかざして女性に降り下ろそうとしている時だった。


俺はすぐさま転移して、棍棒を片手で受け止めて魔物に対してファイヤーボールを投げつける。


ファイヤーボールがまともに当たった魔物は、焼き崩れてしまう。


なんだか以前よりも俺の魔法の能力が上がってきているような感じだ。


一撃で魔物を倒して、女性を救助して転移して、すぐにセラフィーナに任せた。


俺とロゼッタの共同で、前面にいる魔物を攻撃していく。


ロゼッタはファイヤーボールで魔物を倒している。


俺は、火炎砲を準備して、放つ。


ファイヤーボールは範囲は狭いが、火炎砲は範囲を変えることができるから、前面的に倒す数は多くなる。


しかも以前は赤色だったが、今の火炎砲は青白い色をしていた。


威力も増したみたいで、かなり遠くまで達して魔物が倒れている。


それだけじゃなく姿も残らないほど消滅しているみたいだ。


そして威力が増したと思われる分だけ土の部分も赤くなっている


後方から来る魔物も、まだ赤く残っている部分を踏んでいくと瞬間的に消滅していく。


という事は普通の魔物じゃなく作られた魔物の可能性が強い。


また、あのドス黒い魔力を入れたブラックボックスを使って、魔物を出しているのか?


ブラックボックスを魔族に使わせているみたいだ。


索敵魔法で奴を探してみては反応は無いから


隠蔽魔法で隠しているのであればわかりづらいけど。


奴の隠蔽魔法がどんどん上達して分かりにくくなってきているから、どんな隠蔽手段を使うか分からないから。


大規模な魔法を行使して魔物を押し返すことができたので俺は他を見て回ることにした。


ブラックボックスを使っているのであれば、壊さなければ延々と魔物が出てくる可能性もあるから消耗戦になってしまう。


なので俺は索敵魔法で、ブラックボックスを確認してみると30カ所にブラックボックスが置かれていることに驚いた。


俺は魔物と魔族の群れの中に転移して確認しておいたブラックボックスを聖属性魔法で消滅させていく。


群れの中に現れても瞬間的に破壊して、また、転移していくので、俺を攻撃できる奴はない。


止まることもなくブラックボックスを破壊し終える。


「ロゼッタ、セラフィーナ、ここは任せたよ」


「任せるのじゃ」とロゼッタ


「はい、了解しました、クリス様も気をつけてください」とセラフィーナ


「うん、ありがとう」と言って転移してきた。


転移した先はオーリス王国に行っているシャーロットとパトリシアの元へ。


俺が2人の横に転移してきたら戦闘中で驚かれたけど、俺の分身体も活躍している。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る