第509話 1000年前の世界27
差し出したギルドカードを全員が覗き込みながら、まじまじと見ている。
「あっ、これはなんですか?」とダイアナ
「それは俺たちの冒険者ランクです」
「えっ、でも、特SSSランクだなんていませんよね」
「ああ、この世界ではいない」と王様
「その特SSSランクは、どうやってなったんですか?」
「俺が冒険者になった時は15歳、確か1年後の16歳の時にたまたまギルドに残っていたら王族の依頼があった。
姫を王都まで送ってほしいと言う依頼だったんだけど、送って行ったら皇太子は毒殺されようとしているし王様は夜中に切りつけられようとしている姿と言う感じで、それを助けたり、直したりしていたり、そういうことが何回かあるうちに特SSSランクになった」
アリシアが「それだけじゃないんだよ、クリスはね誘拐された姫を助けたり、誘拐されて連れ去られようとしている子供を助けたり、今日は今のところ表面上の風は反応していません戦争を仕掛けようとしていた国を停めたり、国を平和な国にしているんだよ、だから、私たちは13人いるけど、ジャネットのように魔法の力があった人もいるけど他のメンバーは、ほとんどが魔法使えなかったんだけど、クリスの指導で魔法が使えるようになって強くなったんだ。クリスの指導と言うのは自分の身は自分で守れるようにと言うのが基本だと思う」
「俺は平和な世の中であればいいと思うし、いつ何が起きるかわからない世の中だから、自分の身は自分で守れることが基本になると思っている」
アリシア「だからクリスが一番最初に教えてくれた魔法は自分を守る魔法なんだよ」
「自分を守る魔法?」とエイプリル
「結界魔法とか?」ハロルド
「違うんだよ、クリスが初めに教えてくれたのは基礎魔法なんだ」
「基礎魔法?」エイプリルが興味津々で聞いてくる、先ほどとは目の色が違う。
「そう、基礎魔法、やってみせるから、見ていて」
アリシアは基礎魔法を発動するけど、以前よりも早くなって濃密さが増している。
「うわっ」
「きゃっ」
「すごい」
「何これ?」
「これが基礎なのか?」と王
アリシアが魔法を解除した。
「みんなわかった?これをクリスが初めに教えてくれたことなんだ。私だって魔法が使えるなんて、思いもしなかったんだけど。
本当に毎日、毎日、練習ばかりしていると、いつの間にか、空も飛べるくらい魔力が強くなっちゃって」
「えっ、あなたも飛行魔法が使えるんですか?」
「うん、そうだよ、ここにいる全員が飛行魔法を使えるよ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん、はじめのうちは使えなかったんだけど空を飛んで急ぐときにはクリスが全員に魔法をかけて飛ばしてくれたんだ」
「でも、最近だけど、なんとか飛行できるようになったんだよ」と嬉しそう。
「へー、そうなんですか」とエイプリルが感心している。
コリンが「クリスは私たちの世界じゃ英雄」と言い出した。
「えっ、英雄?」
「そう、英雄」とコリン。
アリシアまでが「そうだね、クリスは私たちの世界じゃ、唯一無二の英雄だね」
コリン「そう、クリスは英雄だけど偉ぶらない。いつも私たちの普段と同じように接してくれる」
アリシアが「うん、そうそう」
コリン「だから、ここにいるアリシアがクリスのことを大好き」
アリシアが顔を真っ赤にして「えっ、えっ、そ、そんなこと言わなくても‥‥‥」と慌てている。
みんなが、それを聞いて微笑んでいる。
「とにかくクリスの言う通りにして協力していればいい、私たちは違う世界からきたから
「そ、そうなんですね」とエイプリル
「あっ、でも必要経費は貰いますよ、この国は俺たちの通貨とは違いますから」
「あっ、その違う通貨見せてみらえますか?」とエイプリル
なんだか、乗り気なエイプリル
俺が異空間から通貨を取り出してみせた。
通貨を手に取りながら「確かに、この国の通貨ははありませんわ」とエイプリル
「そうですね、近隣諸国の通貨も見たことがありますが、どれも違うみたいです」とダイアナ
「だから、言ったであろう?」と王様
「ちょっと待った、みんな見逃しているよ」とハロルド
「えっ、何を?」とエイプリル
「今、クリス様が、どこから通貨を出したのかを」
「あれっ、そういえば何もないところから突然でてきたわね」とエイプリル
「そうだよ、姉さん」とハロルド。
なんだか、こんな話をするのも久しぶりみたいで会話を楽しんでいる。
当然だろうけど、兄弟が次々と死んでいるんだから。
その光景に俺は微笑みながら「俺は異空間収納の魔法が使えるんです」
「まぁ、おとぎ話の異空間収納ですってよ」とダイアナ
そうか、今の時代には、異空間収納は空想の世界の産物なのか?
あっと、俺たちの時代でも他の魔法使いが使っているところみたことないのを思い出した。
俺の時代でも、どれくらいの魔法使いが使えるのか、わからない。
「俺は、今から1000年後に生まれる魔法使いだけど、さっきコリンが言ったように勇者です」
「まぁ、お認めになったわ」と1人ごとのエイプリル
「とにかく、これで俺たちが1000年後からきているとわかりましたね」
「うん、みんなもわかったと思う、しかし、わしは、こちらのクリス殿に助けてもらっているから信用しておる」
「えっ、助けられた?」とエイプリル
「そうだ、わしが毒を飲まされて危うかったところを助けていただいた」
「まぁ、そんなことがあったんですか?」
「夜に薬を飲んで寝たら急に苦しくなって本当に危なかったと思う」
「そんなことが?」
「そうですね、たぶん薬の中に毒が仕込まれていたんでしょう。ちょうど確認していたところでよかったです。もう少し遅ければ死ぬこともあったかも分かりません」
「‥‥‥」
「なんだかクリス殿は色々とすごいんですね」
「いえ、自分では、そうは思っておりません」
「えっ、どうしてですか?」
「1人が持っている能力もう限界があります」
「だから、メンバーの方々にも指導しているのですね?」
「そうです」
「それと全てが分かったから言えることですが、このガルシア帝国は今から700年後の世界まで存続しているんですが、700年後に戦争を仕掛ける国になってしまいます」
「まぁ、そんなことが?」
「そ、そんなことが?」
「無茶苦茶な」
「平和じゃないんですか?」
「700年後も続くんだ」
「そうです、ガルシア帝国は700年続くいて行くんですけど徐々に滅亡していきます」
「滅亡?」
「滅亡する理由は国が貧しくなって国民から税金を多くとり不平不満が多くなって、諸外国に資源を求めるようになったからです」
「そんなことが?」
「しかし諸外国に資源を求めようとしたって諸外国も黙って見ているわけではありませんので周りから叩かれて滅亡してしまいます」
「じゃ、私たちがしっかりしなければ」
「いえ、今ここでしゃべっても歴史の変換と言うのは起こりにくいんです。と言う事はガルシア帝国は間違いなく同じ結果を歩いていくと言うことになります」
「そ、そうなのか?、我が子孫は、そんなことになるのか?」と落ち込んでいる王
「はい、変えられません」
「人の行動や考えというのは、簡単に変えられるものではありません」
そこで初めて手を挙げた人がいた。それはヒルダの兄のエリオット。
エリオットは「それはクリス様でも無理なんですか?」
「私には、歴史を変える力はありませんよ、王子」
それでもなおかつ食い下がるように言ってくる。
「僕は、そんなことは信じられません」と言い出した。
王が割って入り「この子は未来予知が少し使えるんです。申し訳ありません、クリス様」
そうしたら突然、顔つきが変わり目が固定化されてエリオットが誰かが乗り移っているような感じで話し始める。
「あなたの魔法の能力は万能が故に隠す必要があったものだ、それほどの能力を持ちながら人知れずに隠匿したツケで使えないと思っているだけだ‥‥‥」
みんなはエリオットの言葉に驚きを隠せないが聞かずにはいられない。
エリオットが「あなたは未来でも、ここ1000年前の世界でも、ただ1人の勇者だ、そんな、あなたに使えないなんてない、使わないだけだ‥‥‥‥‥‥」
エリオットがの目の色が変化して、顔つきが戻った。
「えっ、なに、みんなして僕の方を見て?、僕、今、なんか変だった?」
「‥‥‥」
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