第487話 1000年前の世界5(アリシアの活躍)
ゴブリンボスが暴れ回ったせいで洞窟は崩壊して崩れ去った。ゴブリンたちも、全部が埋もれて圧死した。
えっ、もしかしてゴブリンボスが暴れたのは、俺のせい? と思わないこともないけど。
結果的には良いと思う。
俺は転移でヒルダの元に戻ってきた、もうアリシアとジャネットとコリンは戻っていた。
ヒルダは女性たちに寄り添っている。
「クリス、言いたいことはいっぱいあるけど、この場では感謝しておくよ」とヒルダ
索敵魔法で検索しても生き残りのゴブリンはいないみたい。
でも、女性たちを、このまま連れて次に行くわけには行かない。
う〜ん、どうしようか?
「ヒルダには悪いけど、、女性たちを連れていくわけにはいかないから、ここで見ていてくれる?」
「え〜〜〜〜っ僕を連れて行ってくれないの?」
「まぁしょうがないよ」とアリシア
「そうですね」とジャネット
「そうだね、危ないよ」とコリン
ヒルダは3人からも言われたらしょうがないと諦めた。
まぁ、実際、能力の差がありすぎるから足手纏いになる。
「じゃ、ヒルダ、ここに戻ってくるから、女性たちのこと、よろしくね」と行って次の現場にいく。
「はい、もうしょうがないですから任されました」とヒルダ
俺たちは次の現場まで急ぐことにした。
しかしゴブリンの数が200を超えている。
ということは、その数を従えるゴブリンがいるということ。
女性を誘拐して捉えられている場所から、掃討することにした。
次は、ここから飛んで10分のところだ、飛んでだから歩いたら地形もあるから2時間くらいかかりそうだ。
もう速度に遠慮することはないのでアリシアとジャネットと俺で高速で飛んでいく。
10数分かかってしまったが、今はゴブリンの巣穴の上空。ここのゴブリンは数は少ないけど女性たちが2人いる。
まずは先ほどと同じように女性を安全を確保しなければならない。
俺は先ほどとは違って索敵魔法で女性たちを検索してみると、位置が判明した。
大体は誘拐されたら奥に閉じ込められるから、例外なく一番、奥にいるみたい。
ここのゴブリンは50匹くらいいるけどゴブリンブボスが若いみたいで荒々しい群れみたいだ。
今でも中でボスとゴブリンが喧嘩しているみたいだ。食べるものの取り合いか?
今のうちなら騒ぎの紛れていけると思う。
「ジャネット、さっきと同じように、転移して女性たちを助けてもらえる?」
「はい、わかりました」
「それで女性たちはヒルダのところに直接、連れて行って」
「はい、了解しました」と言うとすぐに消えた。
「コリンは、しっかり記録を取ること」
「うん、わかった」とコリン
ジャネットも索敵魔法が使えるから把握していたみたいだ。
牢屋に入れられていた女性2人は、もういなくなっている。
「ジャネットが女性を出したみたいだから、じゃ、やりますか」とアリシアに向かって言った。
「うん、そうだね、早めに終わらせよう」
俺たちは、同じように丘の中腹にあるゴブリンの巣穴に降りていくけど、ここには見張がいない。
それか、どこかの草むらで寝ているのかと思ったて索敵魔法で検索しても、いないみたいだ。
なので一番、簡単な方法をすることにした。
ゴブリンしかいないわけだから2人してファイヤーボールで洞窟を焼き尽くすことにした。
「じゃ、アリシア、ファイヤーボールを準備して」
「うん、強烈なやつをお見舞いするわ」となんだか怒っているような感じを受けるけど、多分、俺にじゃなくゴブリンにだと思いたい。
アリシアが手のひらにファイヤーボールを出すが結構、威力が上がっている。
俺は攻撃を遅せることにした。
アリシアが洞窟に向けてファイヤーボールを投げ込む。
赤く燃える火の弾が洞窟を明るく照らす。次から次へファイヤーボールを投げ込んでいくアリシア。
おお、結構、すごい
アリシアは10発以上のファイヤーボールを投げ込んで洞窟から熱気が出てくる。
数体のゴブリンが火に包まれながら洞窟を出てきた。
何もしなくても、もう焼け死ぬ。
アリシアのファイヤーボールで大方のゴブリンはやっけることができたけど、ゴブリンのボスが生きている、今、ボスはこちらに歩いてきている。
ゴブリンボスが、洞窟の入り口に立っているけど、あっちやらこっちやら焦げて嫌な匂いを出している。
「どうする? アリシアがやってみる?」
「いいの?」
「うん、いいよ」
「じゃ、私がゴブリンを倒すね」と言って前へ進み出た。
アリシアはなんの魔法で倒すのか?
アリシアは意外にも剣を出した。
剣をゴブリンに向けて構えて前へ走り出し切り掛かる。
ゴブリンはアリシアの剣を嫌い手の爪でアリシアを引っ掻こうとした。
しかしアリシアは、素早く剣を振り、ゴブリンの手首から先を切り落とした。
おお、アリシア、すごい、動きも早くなっているし、対処が早い、と思っていたらジャネットが帰ってきた。
「あっ、ジャネット、おかえり」
「はい、ただいま、戻りました、女性はヒルダに預けました」
「うん、わかった」
「アリシアだけで大丈夫ですか?」と前を見て言っている。
「少しは任せないと経験ができないからね」
「それは、そうですが」
「まぁ、危なくなったら、行く用意はしているよ」
「じゃ、見守りましょうか」
「そうだね」
俺たち2人は、アリシアの戦いを見ている。
コリンもそばにいて記録をとっている。
アリシアの方が優勢で戦闘は進んでいる。
ゴブリンは右腕の手首から先を失い、数カ所に剣の切り傷をつけている。
まだ致命傷には至っていない。ここで油断するとやられる可能性がある。
ゴブリンは剣は持っていないので、手で掴むか足で踏むか、爪で引っ掻くしかない。
ゴブリンが爪でアリシアを引っ掻こうとしたのか、摘もうとしたのか、わからないけど、アリシアに切られていない腕を伸ばしていく。
アリシアは横に素早くステップを踏んで腕を躱すことに成功した。
ゴブリンは勢いが早すぎて止まることができずに、足を地面の凸凹したところに引っ掛け倒れ込んだ。
アリシアは、そこを見逃さなかった。
アリシアはゴブリンが倒れ込んだのを良いことに、剣で首を切り込んだ。
ゴブリンを切ったことで大量の血を浴びてしまう。洋服が真っ赤になって顔も血で汚れた。
「あっ、イヤだ、洋服が‥‥‥」
「あ〜ぁ、アリシア、大丈夫?」
「うん、怪我はないけど‥‥‥服が」
「ご主人さま、なんとかなりますか?」
「うん、大丈夫だよ」
大丈夫だと言ったのは、以前から洋服の洗濯は俺がしているから。
水魔法で洗って空気魔法で乾かしているけど、それは洋服だけの場合。
どうするか?
洋服を脱いでもらうことは可能かな?
あっ、そうだ、「アリシア、とりあえず、異空間の中の荷物から、服を出してきたら‥‥‥」と言ってアリシアの鞄を異空間から出した。
「あ〜あ、これお気に入りだったのにな」と言いながら鞄を開いて洋服を出している。
「ちょっとクリス、向こうみいていてよ」というので、俺が反対を向いた。
アリシアは木のあるところに走っていき着替えている。
流石に洞窟は熱くて入れない。
アリシアの声が聞こえる「あ〜あ、下着まで血がついている」と
想像しちゃうな。
アリシアの着替えか、こんなところでオールヌードなんて。
濡れている服を脱ぐ音がしたと思うと「ジャネット、タオル取って」と言う声。
「あっ、はいはい」と言ってジャネットがタオルを取ってアリシアに渡す。
血で汚れた服を受け取り、後で洗うことにした。
俺は、この間に妄想に耽ることもいいと思うけど索敵魔法をしてみる。
どうも、近くにいる少数のゴブリンの群れが、ここの騒ぎに気付いたみたい。
まだ、近くまで来ていないけど、近づいてきていることは確か。
「アリシア、着替え、急いで、ゴブリンが近づいてきた」
「えっ、そんなことを言ったって、ねぇ、ジャネット、背中、拭いてくれる?」と言っている。
「はい、わかりました、でも服よりも水出しましょうか?」
「あっ、それいいかも、冷たいのじゃなく暖かいのをお願い」
「はい、わかりました、じゃ、行きますよ」というと水の音。
「あ〜、気持ち悪いけど、気持ちいい」と言う声。
「こんなところで全裸で言ってないで、急いでよ」というと、もう待っていられる状態じゃなくなったので、俺だけがいくことにした。
念話で『ジャネット、アリシアを頼む』
『はい、わかりました』
コリンだけはついてくる。
血糊はなかなか落ちないみたい。
俺が近づいてきているゴブリンの群れに走っていく。
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