第486話 1000年前の世界4(ゴブリン退治)

俺たちは知り合ったヒルダに依頼されてゴブリン狩りをすることになった。


索敵魔法でわかったことはゴブリンが合計400匹以上で、群れが5つあるということと大型のゴブリンが5体確認された。


その中に人の女性がいるみたいだ。どこかの村から誘拐されたのか?


「村から女性が誘拐されたりしていますか?」と聞いてみた。


1人の男性が進み出て「妻がいなくなっている、畑仕事で出た後、帰ってこないから、たぶん‥‥‥」と呟いた。


この村では1人だけみたいだ。


「じゃ、ゴブリン退治に行ってくる」


「えっ、ゴブリンが襲ってくるのは夜だよ」とヒルダ


「ゴブリンの巣を見つけたから、場所はわかっている」と俺


「えっ、もう見つけたの?」


「あっ、うん、見つけた」


「じゃ、私も一緒に行くよ。剣の腕なら自信あるんだ」」と剣を取り出した。


「いや、足手纏いだ」


「えっ、私、剣だったら昔から習っているから強いよ」


「ねぇ、連れて行ってあげたら」とアリシア


「そうですね誘拐されている女性のこともありますし」とジャネットも検索してわかっているみたい。


「それじゃ、わかった」


「うん、よかった、君たちばかりに任せていたら、申し訳ないよ」とヒルダ


「じゃ、行こうか?」


「うん」とヒルダ


「行ってくるよ」と村人に声を声をかける。


村人「気をつけて」と


俺たちは歩き始めて村の門を出て木が生い茂ってるところに来ると、「はい」と行ってアリシアとジャネットが手を出す。


「えっ、また飛んでいくの?」とヒルダ


「そうだよ、もう位置はわかっているからね」


「あっ、そうなんだ」


「じゃ、いくよ」


「うん」と言ってヒルダと共に4人で隠蔽魔法を使って透明になりながら上空へ上がっていく。


アリシアとジャネットとヒルダは手を握って飛んでいきながらジャネットが方向を判断している。


しばらく飛んでいくと丘みたいな低い土地に竪穴が空いている場所にたどり着いた。


透明の魔法を使ってるので上空で滞空しながら、洞穴を見てみると、穴の入り口にゴブリンが4匹いる。


ここをはじめに選んだ理由は、人の女性の人数が多いからだ。


囚われの人は3人いるみたい。


索敵魔法で検索してみるとゴブリンの数は100を超えている。


囚われの女性がいなかったら、一気に洞窟こと焼き払うんだけど囚われている人がいるから、それができない。


ここは地道な方法を選ぶしかない。


普段なら、小規模のゴブリンなら、狭い洞窟にいるんだけど、ゴブリンの親玉がいるから、洞窟は大きい。


俺は奥まで洞窟が大きいか確認してみたが、奥に行けば行くほど大きくなっているみたい。


まぁ、ゴブリンの親玉が奥にいるせいだと思う。


他のゴブリンは、身長が俺より低くて1メーターから1.5メーターくらいだ。


「でも、ここはゴブリンの洞窟だから、洞窟の脇道に注意して進むように」


「あの剣は、普段、使ってる剣でいいですか?」ヒルダ


「ああ、問題ない、洞窟が先まで大きいからね」


「でも、いいかい、まっすぐ洞窟を入っていくと、ここと、ここと、ここと、横穴がある。

その横穴は狭いから、隠れるにはもってこいの場所だから背後を狙われないように注意して」とわかっていることを説明した。


「えっ、まだ入ってもいないのに?」


「あっ、うん、感だよ」


「えっ、横穴があるってわかるのが感?」


「まぁ、そんなとこ」と適当に言う。


「じゃ、いくよ」と言いながら入り口に立っているゴブリンをアイススピアで脳天を狙って瞬殺した。


「なんだかクリスって、すごいね、勇者みたいなことができるんだね」


「う、うん、まあね」


アリシアが笑いをこらえている。


「どうしたの、アリシア」ヒルダ


「ううん、なんでもない」とアリシア


「じゃ、いくよ」と俺


俺たちヒルダを入れて5人は、地上に降り立ち洞窟に入っていく。


中には数カ所に松明の火が灯されている。


俺たちはしゃべることなく、洞窟を進んでいくと匂いで気づかれたみたいで鼻をヒクヒクさせながら、ゴブリンが出てきた。


そのあと、どんどんゴブリンの数が増えていく。


これは早めに女性たちを助けて、一気に殲滅した方がいいと思う。


『ジャネット、どこかに隠れて透明の魔法を使って女性たちを助けてもらえる』と念話した。


『了解です』とジャネット


たぶん、ゴブリンたちが匂っているのは、俺とアリシアとヒルダの匂い。


ジャネットは透明になりながら検索魔法で位置を判断して、一気に瞬間転移していった。


そこで見つけた女性たちを、また外の離れた場所に待機させる。


女性たちは驚いたが、横にいたのが同じ女性と言うこともあり、ジャネットが助けに来たということを、そのまま信じた。


そこで横に剣を構えているヒルダを、何も言わないでジャネットの元に転移しさせた。


「あれっ」急に明るくなったところに出てきたヒルダは周りを見渡すが、横にはジャネットと女性たちがいるだけなので、意味がわからないと言う顔をしている。


「あの、僕、どうしてここにいるのかな?」とジャネットに聞いている。


「それはご主人さま様の意向だからだよ」とジャネット


「ご主人さま、あっ、クリスか、クリスの意向?」


「そう、今からご主人さまは、ゴブリンどもを掃討するから危険なの」


「あっ、そうなんだ」


「この人たちを見ていてもらえると嬉しいけど‥‥‥」とジャネット


「あっ、うん、わかった」


「じゃ、私は戻るから」と言って返事も聞かないで洞窟へ転移した。


あとに残った女性たちとヒルダは、呆気に取られていた。


コリンは記録を取るために、戦闘には参加しないで、少し離れたところでメモに書いている。



俺たちは女性がいなくなったのを確認して、掃討に入ることにした。


数匹のゴブリンが地面に倒れている。


ゴブリンに襲いかかられながら、確実に剣で切っていく。


もちろんアリシアも基礎魔法を展開して防御と魔力消費を抑えている。


横穴にも注意してゴブリンの背後から襲われることもない。


ジャネットも戻ってきて、ゴブリンと戦いが始まる。


俺は「ここは任せていい?」


「うん、いいわよ、クリスは奥のボスをお願い」とアリシア


「了解、ここは任せた」と言ってボスの近くに転移した。


洞窟だからファイヤーボールを使うことはできない、そんなことをすれば窒息してしまう。


だから剣で切っていくしかない。また魔法も火以外で発動させる。


俺は一気にゴブリンのボスの前に姿を現した。


ゴブリンボスは、戦闘態勢だったためすぐに俺に気がついた。


ゴブリンボスは大きな剣を持っているけど、こんな大きな剣をどこから入手したのか?


その大きな剣で俺に切るかかってくる。上から剣が振り下ろされようとしている。


すごいパワーで振り下ろされるゴブリンボスの剣。


俺は振り下ろされる剣を、瞬足を発動させて横に逃げる。


あまりにも早く動いたためゴブリンが首を横に振っている。どうも完全にあたったと思っているみたい。


俺は一気に蹴りをつけることは簡単な方法がいくらでもあるから、少しゴブリンと戦ってみることにした。


ゴブリンの武器は、今のところ剣だけみたいだけど、あとは爪と口なのかな?


足で踏み潰したり、手で掴むこともありだな。


俺は剣と手と足と口に注意すれば大丈夫だと考えた。


奴が剣を構えて、俺の方を睨みながら剣を振り下ろす。


俺は剣を今度は避けもせずに、両手で刃の部分を受け止める。渾身の振りだったみたいで、俺の周りに剣による空気層の波紋が広がる。


ゴブリンボスが剣を引こうとするけど、俺が離さない。


奴が咆哮を上げる「フゴッ〜」


一気に怒りが頂点に達した見たい。


それからは、もう無茶苦茶だった、やたらと剣を振り回して、俺に切りかかったり、洞窟を剣で削ったりしている。


こんなにしたら洞窟が崩れる可能性もあるからジャネットに念話で「洞窟が崩れそうだ」と言った。


ゴブリンは、もう俺を見て斬りつけることもなく、無茶苦茶に剣を振り回している。


俺は少しゴブリンから離れた。


離れた瞬間に上の岩盤が崩れ出して、ゴブリンを埋め尽くした。


俺がいるところも危なくなったので、念話で「全員、退避』と告げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る