第476話 事件とソフィア視点

「もうちょっとお兄さまと話がしたかったのに」と帰ってきたら早速、シャーロットに文句を言われた。


ロゼッタが援護してくれて「まぁまぁ、あのままシャーロット姫を置いて置いていたら皆んなが寄ってきて大変なことになっていたところなのじゃ。

なにせ、ドラゴンをやっつけたお姫様だからな」


「うん、そうだね」と惚ける


「王子よりも強い姫なんてシャーロットだけだから」とロゼッタ


「それはちょっと嬉しくないかも‥‥‥」と微妙な表情


「それでクリス、どうだったの?」とアリシア


「うん、ほんとうはドラゴンと聞いていたからロゼッタを選んだんだけど、話し合いで退いてくれればって思っていたんだけど、ね」


「奴に話しても、なんだかおかしい感じで、一向に聞こうとせんのじゃ」とロゼッタ


「もしかして魔族かウルフが関係している?」アリシア


「可能性としてあるよね。これも嫌がらせかもね」


「そうだね、私たちはがドラゴンくらいでやられるとは思っていないだろうし」


「ということを考えれば、続く可能性もあるね」


と言っていた矢先に、念話が入る。


これは俺たちを寝ている暇を与えないつもりか、それで消耗させた叩こうかという作戦か?


念話『はい、こちらクリスです。首長どうしました?」とダイラス連邦からだった。


「おお。よかった、夜なのに申し訳ないが依頼をしたい、国の首都近くに、どこからか、トラの魔物が出現して困っている。巨大なものは5メートル以上にもなる。トラの魔物は凶暴化しているみたで、騎士や兵士や冒険者でも無理みたいだ」


「分かりました、すぐに用意を整えて向かいます」


「皆んなダイラス連邦からだけど、やはり嫌がらせだな」


「そうみたいだね」とアリシア


「それで、今回は誰がいく?」


「あっ、やっぱり私かな‥‥‥」と手を挙げたのはアレク。


「一応、無駄かもしれないけど、トラを殺さずにできればいいと思っている」


「うん、私も思っているけど、ロゼッタの時みたいに無理かな?」とアレク


「たぶんね、話して帰ってくれるといいけど、そうはいかないだろうな」と俺


できるだけ、同族だから殺さずにおければいいと思ってしまう。


「じゃ、アレクともう1人?」


「はい、じゃ、私、行きたい」とソフィア


「うん、わかった、今回はアレクとソフィアに頼む」


「何か、持っていく?」と俺が聞くと「お腹が減った時に食べるお菓子」と言ったので、異空間からお菓子を出してあげた。


「じゃ、頼むね」と俺


「行ってきます」とソフィア

「ご主人さま、行ってきます」とアレク


2人はダイラス連邦の瞬間転移して行った。



ソフィア視点


アレクに手を取られてダイラス連邦も上空に瞬間転移して現れた。


音がしている方を上空から探してみると右側の遠くの方に木が倒れるようなメキメキって音がする。


アレクと離れて飛行魔法を使って、音がした方角に飛んでいく。


上空から森を見下ろすと下には黄色いトラや白いトラや、そして黒いトラまでいる。


黒いトラなんて初めてみたけど本当にいるんだ。


黒いトラは他のトラと比べても一段と大きい。


たぶん黒いトラがボス的な存在だと思えるほど、怖い感じがする。


あの黒いトラはアレクに任せよう。


私は黄色いトラと白い虎をターゲットにしていこう。


でも、すぐに攻撃ができないほど、人とトラが入り乱れている。


これじゃ、攻撃したら味方に当たってしまう。


しかもトラは素早い動きをしている。


火を吹いたりするわけじゃないけど、鋭敏な動きで牙と爪で攻撃している。


私は剣を今は持っていない、初めの頃は剣を持って戦っていたけど、クリスに出会ってから剣は持たなくなった。


一応、クリスに預けているから、あるにはあるんだけど、今は持ってこなかった。


それはトラ相手に通じるかわからないことを試すためだ。


私は基礎魔法をいつも時間があれば練習をしているせいで、空を飛ぶことができるようになったけど、攻撃魔法も得意になってきた。


本当にクリスと会ってから、変わってしまったよ。


以前は魔法なんか使えなかったのに、今でも剣よりも魔法が得意だなんて自分でも信じられない。


私は上空から下で戦っている人に逃げるように大声を出した。


でも大声を出しても人は動いてくれなかった。


じゃ「勇者クリスのメンバーです。救援に来ましたので、下がってください」というとトラに向かいあっていない人は全員が後方に下がっていった。


やっぱり勇者の力は、こんなところでもすごい、それを私たちがクリスと出会ってから、作り上げた力だと思う。本当にクリスはすごいと思う。


トラに向かい合っている人は簡単に下がる事はできない。


でも今現在1番危険な目に合っているのはトラに向かい合っている人だ。


私は一人一人上空からトラを退治するためにアイススピアを作って正確にトラに当てた。


トラを退治しながら人を逃していく。


木の下にトラがいたので、私は地上に降りてトラを討伐することを考えて降りた。


そこには屈強な男性がトラと剣を交えていた。


「逃げてください」と私がいうと「そうはいかん」と言ってきた。


その人は「君みたいな人が来てくれても、私も逃げることなんてできない」と言ってくる。


もうしょうがないな、と思ったけど、言わなかった。


トラが、私の方に向かってきている。


あ〜ぁ、こんな時に猫じゃらしでもあれば面白いな、と一瞬、トラの手を見て考えてしまった。猫じゃないんだ。でもあの大きな肉球が‥‥‥


トラは私めがけて入って襲い掛かる。


「危ない」と男性は叫びながら、剣をトラに向ける。


トラは剣を手で薙ぎ払っている。


男性の剣が飛ばされる。


あ〜ぁ、もう、出てこなきゃいいのに‥‥‥と思ってしまった。


私が基礎魔法を展開していることは男性は知る由もない。


剣を飛ばされた男性にトラが襲い掛かる。


私はトラに素早く近寄りトラを蹴飛ばした。


蹴飛ばされたトラはすごい勢いで飛んでいき木にぶつかって変な音がした。


体が変なふうに曲がっているから、もう生きていない。


男性が私とトラを見て、大きな目を開けて口まであんぐりと空いている。


「あの〜大丈夫ですか?」と声を男性にかけたが、返事は返ってこない。顔は、驚きの表情だ。


女性を見る目じゃないでしょう、と思った。


やっと再起動した男性は「き、きみはいったい‥‥‥」という言葉を言ったので、「私、これでも、勇者クリス様の仲間です」と答えた。


「なに、勇者クリスの‥‥‥」


失礼な人だな、せっかく助けてあげたのに‥‥‥呼びすてなんて。


「勇者クリス様!」と声を大にして言った。


「ああ、勇者クリスさまね。でも君みたいな綺麗な人が勇者の仲間なんて、驚きだな」と言ってくれたので。さっきの発言は許してあげるわ。


「今からトラを掃討しますから、後方に下がってくれますか?」


「ああ、わかった。私はダイラス連邦の将軍で、今はここに指揮官をしている」と


「ああ、指揮官ですか?、じゃ、邪魔にならないところに下がってくださいね将軍」というと、倒されたトラを見て将軍は納得したみたいで後方へ下がって行った。


もう、ここの戦場にはアレクと私だけ‥‥‥さあ、やるわよ。


でも、あらかた上空から倒したから、あとは少しだけね。

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