第461話 城への潜入

キャサリンを守っていた護衛がやられて魔族になり代わり、その魔族を倒すことに成功したけど城は魔族に乗っ取られているような感じで2人を返すことができない。


どうするか、俺たちも宿賃を払っているのに、もう宿には泊まれない。


宿賃返してくれって言っても、返してくれないと思う。


もうすぐ、この国は魔族に占領されてしまう。



俺たちは、一度、来たことがあるなら、どこにでも瞬間転移できるから、どこにでもいくことはできるけど、行った先も魔族に関することが起きれば、火の粉を散らすことになってしまう。


ということは、俺たちは城門から、かなり離れたところにある山に瞬間転移してきた。


瞬間転移してきたあと、上空から見つけたのは洞穴。


その洞穴に潜むしか道はない。


洞穴なら、雨つゆを凌ぐこともできる。


そして今は雨が降っている。


この洞穴は、かなり奥まで続いているけど、魔物はいない。


そこで俺たちは、食事の準備をしながら、話をしている。


「イアン王子、これから、どうしますか?」


「ほんとうに困った」と言ってイアンは頭を抱えている。


「たぶん、お城に戻っても、もうダメでしょうね」


アリシアが「そうだね、あんな状況じゃ、王様も‥‥‥」


「イアン王子王様に最近、あったのは?」


イアン「えっと、私が旅に出る前ですね」


「キャサリンは?」


キャサリン「私は、昨日会いましたよ。でも、お父様は性格が変わったような印象で怖くて‥‥‥」


「普段の王様は?」


「普段なら、温厚で、優しいお父様です」とキャサリン


「なるほど」


キャサリンが「でも、最近は、怒ったり、イライラしたりすることが多くて、しかも暴力的でした」


「でもタイミングが良かったね、お城から出ることができたんだから」と俺


「そうですね、ほんとうに今、思えば危うかったです」とキャサリン


イアン「私がもっとしっかりとしていれば、良かったんですが‥‥」


「でも、君たちじゃ魔族に対抗できないでやられるだけだよ」


イアン「それは、そうなんですが」


キャサリン「でも、悔しいですね」


イアン「ああ」とほんとうにイアンは悔しそう。


「さぁ、これから、どうしたらいいものか?」


「お城に乗り込む」とアレク


「あっ、いいね」とアデル


エイミーが「どうせ、ご主人さまのことですから‥‥‥」


アイリス「そうだね」


なんだか俺が いつも無謀なことばかりしているような印象?


ジャネット「ご主人さま、どうしますか?」


「ひとまず、お城の偵察だね」


「じゃ、いくのは、アデルとジャネットとパトリシアとロゼッタで行くから、あとは2人を守ってくれる?」


「あ〜ぁ、今回はお留守番かぁ」とアレク。


「今回は、お留守番を頼むよ、アレク、今度、焼肉食べにいくから」


「はいっ、わかりました、この私めにお任せください」態度が急変した。


アレクの顔を見ると、口元が緩んでいる。



俺たちは5人で透明魔法を使っているけど、俺の目から見ても透明になる魔法力が以前よりも向上していることは明らかだ。


これなら、探知も気配もみつかることはない。


もし、ステイタスがあるとしたらレベル10で最高としたら、みんな10は超えているレベルだ。


お城までは透明魔法を使いながら飛んでいく。


城下町を見ながら、飛んでいくと城が見えてきた。


俺たちは、上空から、どこに降りるか考えている。


やっぱり、こういう時は上階に降りた方がいいと思うので、城の最上階のベランダに降りた。


ベランダに5人で降りてきて中を覗いてみる。


鍵はかかっていないから、人がいないか注意して扉を開けて中に入る。


城の中に入って検索魔法を使ってみると、地下に集められている人がいるみたい。ジャネットとロゼッタとパトリシアには、地下に向かってもらう。


たぶん、すぐには殺せない人たちでもいるんじゃないだろうか?でも、その中に魔族がいる可能性もあるから注意してと伝えた。


さぁ、ここからは別行動になる。


3人は地下に行き、俺たちはアデルとともに上階を探る。


普通なら上階は王族が住む階になるはずだけど、廊下には文官の姿も王族を守る騎士も兵士の姿もない。


こんな状態じゃ、王様と王妃様は、魔族から殺されているか、とらえられていることだろう。


俺と行動するアデルを選んだ理由は、アデルは狐の神獣なので、隠密行動に特化しているので、アデルを選んだ。


アデルと2人で通路を歩いていくけど、ほんとうに誰の姿もない。


罠じゃないかと思うくらい誰もいない、もちろん罠じゃないことは確認している。


検索魔法を使えば、どこに誰がいるか、わかるから、一々扉を開ける必要もないけど、今は見つかっても透明になっているので見えることはない。


この先の部屋の中に数人が集まっている。


透明になっているからと言ってドアを開けることはできない。


誰かが出てくるのを待つしかないか、瞬間転移で部屋の中に入るか?


いや、待てよ、危険をおかす必要はない。


俺の能力を使えば、扉の外からでも、会話を聞けるんじゃないかな。


と考えて横にいるアデルに合図して部屋から直に見えない位置に移動して、会話を聞くことを試してみることにした。


俺が集中している時には、アデルが周辺を警戒してくれている。


俺が目を閉じて集中していくと会話が聞こえてきた。


「おい、王子を暗殺するために送った奴らが帰って来ないがどうした?」


「はい、それがなんの連絡もなくて‥‥‥」


「誰かを派遣したのか?」


「いいえ、まだです、今から急いで確認の人員を送ります」


「急げよ、何かが起きている予感がする」


なんだか、国を奪っている人の言葉じゃないような感じで言っている。


人員を派遣するため、人が部屋から出てきたけど、文句ばかり言っている。


「なんであんな奴に命令されなけりゃならないんだ。まったく、もう、人をこき使いやがって」と言いながら廊下を歩いていく。


魔族と言っても、ここの奴らは寄せ集めの集団みたいで、うまくは言っていないみたい。


俺は、こんな時に、基礎魔法ができていれば、こんなことにならなかったと思ったけど、もう遅い。


これ以上の情報は集まりそうもないので、というのは、酒を飲み出したからだ。


ここにいる全員で酒を飲み出して騒ぎ出した。


俺は地下に向かった3人に念話を送ってみた。


「ジャネット、そちらは、どう?」


「あっ、ご主人さま、こちらは、大勢の人が牢屋に閉じ込められています。この人たちをどうしますか?」


「そうだな、今は危険がないから、そのままの方がいいかな?早急に対策を立てるから、3人で何かあったら守ってくれる? 俺は一度、戻るから何かあったら念話で連絡してね」


「はい、わかりました、お気をつけて」とジャネットとの念話を切った。


アデルを残して今度は瞬間転移でキャサリンとイアンがいるもとに戻った。


瞬間転移して皆んなのもとに戻った俺は、2人に城の中のことを伝える。


「じゃ、もうお父様はいないんですね」とキャサリン


「たぶんね、でも城の中、全部探したわけじゃいないからね、希望はあるかも、希望はいいけど、期待しないでね」と俺が説明する。


「ええ、それは、わかっています、ありがとうございます」とキャサリン


「イアン王子、これから、どうしますか?」


「そうですね、もう私一人の手に追える状態じゃないので、クリス様に全てお任せしたいんですが」イアン王子


「俺に任せて大丈夫ですか?」


「はい、私も勇者物語のファンですから、クリス様が、今まで多くの国を助けたのは知っています」


「でも、無茶苦茶になるかもですよ」と俺は脅してみる。


顔を青くしながら「まぁ大丈夫でしょう」とイアン。


「全ては勇者様の行動するままに」とキャサリン


そうするとイアンも「全ては勇者様の行動するままに」と繰り返した。


なんだ、この言葉、俺は、それを聞いた瞬間にゾクゾクした。


エイミーが「全ては勇者様の行動のままに‥‥‥」とおどけて繰り返している。


アイリスも「全ては、ご主人さまの行動のままに‥‥‥」と言って喜んでいる。


「もう、二人ったら‥‥‥」とアリシア

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