第462話 イーノック王国2

俺たちはイーノック王国にきているけど、本当はニセ勇者に会いにきたんだけど、このニセ勇者も魔族の仕業だと思う、ニセ勇者で城への潜入が容易たやすくなったと思う。


それで王に取り入ってから始まったのかな。


もっと早くに訪れるべきだったと思うが、そんなことが起きていることも普通なら勇者と言っても、わからないからしょうがない。


こんなことが世界中で起きていなければいいが‥‥‥


「じゃ、俺に任せていただけるんですね」と俺は念を押す。


「はい、もうあなたしか頼る人はいません」とイアン王子


「戦闘になれば城も壊れるかもしれませんが、いいんですね」


「それは困りますが、しょうがないです。あっ、私の部屋は壊さないでくださるとありがたいです、お気に入りのドレスがあるので」とキャサリン


「おいおい、国よりもドレスが大事なのか?」とイアン。


「だって、お気に入りですもの」とキャサリン


「まぁ、できるだけ‥‥‥でも、俺はキャサリンの部屋がどこか知りませんよ」


「あっ、それはですね‥‥‥」と説明しようとしたが、イアンから遮られた。


「キャサリン、勇者さまを困らせるんじゃない」とイアン


キャサリンは、しょぼんとしている。


「クリス様に王族特権で全て委任します。何が起ころうと責任は全て私が負います」


「はい、私もお兄様と同じようにクリス様に全て委任して責任は負います」


「うん、わかった、じゃ、俺が思った通りに動くよ」と言って、即、アデルの元に戻った。


「アデル、お待たせ」


「どうでした?」


「うん、俺に任せてくれた」


「そうですか、よかった、これもご主人さまの人徳ですね」と笑顔。


「さぁ、行動開始だよ」と言いながら念話をジャネットに繋げる。


「ジャネット、全権をもらったから行動開始、そこにいる人を全員、助けて、イアン王子たちがいる場所まで瞬間転移して」


「はい、わかりました」と言ってジャネットは、透明の魔法を解除して牢屋にいる人たちに驚かれた。


「皆さん、助けに来ました、私たちは、勇者様のメンバーです」


「おお、あの勇者様の?」

「ほんとうなのか?」

「勇者なんて英雄は実在したのか?」

「ああ、勇者様が助けに来てくれるなんて‥‥‥」

「奇跡が起きた」

「本物なの?」

「また、ニセ勇者じゃないの?」

「そうよ、私たちをだますために‥‥‥」


「皆さん、聞いてください、私は勇者メンバーの1人、ジャネットと言います。そして、ロゼッタとパトリシアです」と言って全員を信用させる。


パトリシア「騒がないでください。気づかれてしまいます」


ロゼッタが「そうじゃ、静かにするのじゃ。せっかく、本物の勇者様が協力してあげるために、はるばる海を渡ってきたのじゃ」


パトリシア「そうだよ、本当なら助ける義理もないからね」と手厳しい。


「では、本物の勇者様がおいでなのですね」といい服を着た老人。


「うん、そうですよ、今は上にいます。残りの王族から全権を委任されたみたいですから、これから行動に移っていきます」


「そうですか、ありがたいことです」と老人


「あの、あなたは?」とジャネット


「私は、この国の国王です」と老人


念話で「ご主人さま、王様が生きています」と入ってきた。


「それじゃ、その王様に俺に全権を委任するか確認して、揉めるのは嫌だから」


「王様、今、上にいる勇者クリス様と念話をしましたが、クリス様に全権を委任するか聞いています」


「牢屋に入っている身なのに、聞いてもらえるのか?もちろんじゃ、全ては勇者様の行動するままに‥‥‥」と言うと全員が胸の前で腕を交差して同じ言葉を繰り返した。


なんだか、宗教じみているけど、いいんだろうか?


俺は王様にも王子にも姫さまにも許可はもらった。


なので本当に全権を委任されて行動することができる。


ジャネットたちは全員を連れて、瞬間転移した。


これで、もう人は城にはいない。


ここにいる奴らは全員が魔族になる。だから出会えば全員を倒すことになる。


それにしても魔族の数が多い。


そして強い奴もいる可能性もある。


強い奴が3人くらいいるから、俺が担当しよう。


あとは、しょうがないから他のメンバーに任せるしかない。


強い奴は酒を飲んでいる奴らだ。


今は、ちょうど、3人しかいないのでチャンスだと思っている。


俺が瞬間転移で姿を表しながら3人の魔族に戦いを挑む。


3人の魔族の前に現れた俺は、魔族は驚いていたが、すぐに動くことができないような酔っている状態。


まずは右にいる奴に切り付けて倒して、左にいる奴にターゲットを絞って切り込むが、そいつは横に置いてある剣に手をかけて俺の一刀を妨げる。


ということは、2人の魔族と対峙することになる、しかも、一番、強い奴を残している。


アデルを合流させたジャネットたち4人は、魔族を倒していっている。


数が多いだけで、厄介な奴はいないみたいだ。


俺の前にいる1人だけは、やばいほど強い。


魔族2人を前に俺は剣を構え直す。


剣を構えながら、動きを見る。


「お前、何者だ?」魔族


「‥‥‥」俺は、わざと答えない。


「お前、どうして勇者の剣を持っているんだ?」


「‥‥‥」


「おい、なんとか言えよ」


「答える必要はない」と俺。


「お前、まさか、勇者か?」と強い魔族


「えっ、この国にはいないはずじゃ‥‥‥」ともう1人の魔族。


俺は答えないことに決めた。


「答えないということと、その青く光る剣が答えを出してくれているな」と強い魔族


「えっ、それじゃ、あれは聖剣?」ともう1人の魔族。


「そうだと思うぞ」と強い魔族。


あれっ、勇者の剣だと思っていたが、青く光るのが勇者の剣の特徴だと理解していたけど、聖剣なの?


あっ、そうか、勇者といえば聖剣なのか?


聖剣だから聖なる剣ね。


勇者の剣だとは思っていたけど、聖剣とは思っていなかった。


なるほど‥‥‥


「そうだ、俺は勇者だ」


「やっぱり、そうなのか!」


「お前たちの目的は、なんだ?」


「俺たちの目的?、そんなこと決まってら、この国を乗っ取って魔族の国にすることさ」


「魔族の国?」


「そうさ、魔族が表に出る日が来たんだよ」


「魔族は、魔族で、どこかの国があるんじゃないのか?」


今まで、読んだ本には魔族のことは書いていなかった。


「魔族が表に出て、どうするんだ?」


「それはな、世界征服に決まっているだろ」


「へ〜、世界征服するんだ」


「魔族だって精鋭揃いの軍隊がいるんだぞ」


「ほー精鋭揃いの軍隊?、それで魔族の国はどこにあるんだ?」


「そんなこと勇者が知る必要はない」


残念、もう少しで情報を集められたのに、魔族だって人を軽蔑したり虐待しなければいいんだけど魔族は考え方自体が違いすぎる。


魔族と人といえば相対する者だ。


魔族だって家庭もあると思うんだけど、人と同じだと思うけど、どうして人を殺したりするのか、理解不能だな。


だって魔族の女性や子供もいると思うし殺したくない‥‥‥


殺すだけが勇者じゃないと思っている。


しかし、俺が思っていることよりも時間の幅が小さい感じがする。


魔族が国を持つということは、構わないけど人の国を暴力で奪うのは良くない。


たぶん、この国の人たちが大勢殺されている。


その中には家族がいる人も‥‥‥。


女性だって、殺されているだろう、侍女さんが多くいると思うし。


なんだか、複雑だよね。欲望のために人を殺すことなんて、でも感情が暴走した時には、誰でも起きてしまうこと。


殺したくて殺したんじゃないと、人は言うけど、殺された人は、どうなの? 生きていれば、もっと喜び合えたり、悲しいことが起きたり、怒ったり、笑いあえることがあっただろうに、殺す人の欲望か、感情で人が、この世の中からいなくなるんだよ。そんなこと信じられないよ。


どうして人は仲良くできないんだろう、それは神が人の感情を作ってしまったからだと本に書いてあった。


それがパンドラの箱だと。


恨み、妬み、欲望が満載された箱を興味で開けてしまう人間。

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