第370話 炊き出しと孤児院
俺たちは孤児の人たちを応援するためカレーの炊き出しをしたけど大盛況のうちにカレーがなくなってしまった。
孤児院からお手伝いとして参加してもらった孤児たちも楽しそうに カレーの入ったお皿を並んだ人に配っていた。
孤児院の院長先生からもお礼を言われて、孤児の子供用に取っておいたカレーを孤児院で、みんなで食べることにした。
エイミーとアイリスとアデルとアレクには、初めての同年代の子供たちだった。
今、ここでも、先ほど、手伝ってくれた子供たちと一緒にカレーを食べている。
久しぶりに見る光景は和ませてくれる。
孤児院の院長先生が話しかけてきた。
「あの街の人たちが話しているのを聞いたんですが、あなたは英雄のクリス様ですか?」
「えっ、違いますよ、俺は英雄ではありませんよ」
「でも、お名前が、確かクリス様ですよね」
「あー、もうクリス、隠す必要ないでしょ」とイザベラ
「いや、隠しているわけじゃあ」と言い訳しようとしたら、イザベラから睨まれた。
「この人は、この国に盟主で、勇者なの」
「えっ、やっぱり」
「ええ、本人は、有名になりたくないから、英雄じゃないなんて言っているけど、英雄は、自分で言うもんじゃないからね、でも、この人がしたことは、全て英雄的な行いだわ」とイザベラが鼻息を荒くして捲し立てる。
「でも、そんなお方が、どうして、私たちなんかを‥‥‥」
「以前、事件があって、ここにも多くの孤児たちがきたでしょう」
「はい、なんだか拉致されいたと聞きましたが、それ以上のことは‥‥‥」
「その誘拐犯を捉えて時間を解決したのが、この人なのよ」とイザベラ
相変わらずコリンはいるけど、何も話すことがなく、何か書いている。
「そうだったんですかぁ」
「そうなのよ」とイザベラ
「でも、本当に勇者様に、炊き出ししてもらえるなんて、そしてお会いできるなんて」
「あの握手してもらってもいいですか?」
「いや、あ握手なんて‥‥‥」
「クリス、もう諦めさない」とイザベラが言って、俺の手を取って、強引に握手させた。
「クリス様って、本当にシャイなんですね、勇者物語に出てくる通りの方ですね。
あっ、でも作者の方がいらっしゃると思っていたんですが」と言って院長先生は見渡す。
そしてコリンの前で目を止めて「もしかして、あの方がコリン様ですか?」
「うん、そうだけど、今は、何か書いているから邪魔しないでね」
「あっ、はい、わかりました」
院長先生は、コリンのことをじっとみている。
俺たちは、そろそろ帰ろうと思う。
「みんな、そろそろ帰ろうか?」
「はい」
「うん」
「わかったわ」
「は〜い」という声ばして、帰ることにした。
その時に、院長が「あの、物語のように急に消えるってできるんですか?」
「一応、できますけど‥‥‥」
「もし、よろしかったら‥‥‥」
「そちらさえ良ければ」
「はい、お願いします、みんな、勇者クリス様がお帰りになるそうよ。
じゃ、今日のお礼をしましょうね」と言って、孤児たち全員で頭を下げて「今日はありがとう」と言われて、その場で、俺たちは瞬間転移して屋敷に帰ってきた。
「ハァ〜、なんだか、疲れたー」と声に出してしまった。
「気苦労が多いわね」とアリシア
「そうだね」と俺たちの声を聞きつけたのか、セバスチャンが、入ってきて、いい匂いのするコーヒーを入れてくれた。
セバスチャンに、「ありがとう」とお礼を言って受けとる。
「いいえ、どういたしまして」とセバスチャン
「ご主人さま、大変でしたね」
「うん、こんなこと初めてだからね」
「でも、喜ばれたでしょう」
「うん、まあね」
「あっ、そうそう、魔法通信が入っていましたよ、紙の方で」
「あ、わかった、ありがとう」と言って、俺は立ち上がって、魔法通信の装置の方にいく。
最近は、俺がいなくても紙で送れるようにしたから、便利になった。
以前は、俺がいないとだけだったけど、今ではいなくても、国の文官かあ、王様が送ることができる。
送られてきた文章を読んでみると、オズワルド王国の次期国王からだった。
嫌な予感しかしないけど、読んでいくと、戴冠式の日程が決まったと言う知らせだった。
もう、知らせなくてもいいものを。
連絡してくると出席しなけりゃならなくなるから。
書いてある文章には、オズワルド王国が国交を樹立するために、王を決めないと進まないと書いてあった。
なので急だけど、14日後に戴冠式をしたいと書いてある。
全く急なんだから。と、ぼやきながら、詳細を見ていくと、そこには書いてはいけないことが書いてあった。
「戴冠式の後、クリス様の叙爵を行います」と
もう、いらないんだけど‥‥‥
そして、みんなも叙爵すると書いてある。
みんなも国を魔物から救ったからだと。
「みんなも、オズワルド王国で叙爵をするって書いてあるけど、普通に考えたら名誉なことなんだろうけど‥‥‥どうする辞退できるのかな?」
シャーロット「そうですね、無理かと」
「えっ、どうして?」
セラフィーナ「だってクリスって盟主でしょ、盟主クリスが、一つの国の爵位だけ辞退するのはおかしいよ」
シャーロット「そうですよ、オズワルドだけ辞退というのもできませんよ」
「じゃ、全部の貴族位を‥‥‥」途中でやめた。
「ハァ、もう、わかったよ」
「それで、クリスは、公爵ですか?」
「うん、そうみたい、国家の一大事を解決したと言う意味もあるし、他の国が公爵位を与えているのに、、オズワルドだけは下の爵位を与えることはできないみたい」
「そこで、オズワルドは、考えたみたいだね」
「何を?」ソフィア
「公爵位よりも上を」
「えっ、公爵よりも上って王様しかなかったと思うけど」シャーロット
「実は、一つあるんだな、俺がときどき、言っていること」
「あっ、もしかして盟主?」アリシア
「うん、そう、名目上は公爵位だけど、今回だけは盟主を上の爵位とするって法律を改正するらしい」
「へー、あの王様、やるじゃん」イザベラ
「形だけだけど、俺と国との関係を保つための措置かな?」
「そこまでしてクリスが欲しいんだね」とアリシア
「うん、みたいだね。
でも、俺が正式に貴族になると、自分の国として、何かあった時には、許可を得ることなく、振る舞えるということもあるけど」
「そうだね、一々断る必要もなくなるし」とアリシア
「現場の対応でできるけど」
「あっ、一応、言っておくけど君たち全員も、伯爵位だからね」
「えー、私たちもか」
クスクス笑うことがして、その方をみるとシャーロットだった。
「こんなに貴族になるのを嫌がる人はいませんよ。みんな欲しくてしょうがないものなのに」
セラフィーナ「そうですよ、貴族なんて、誰でもなれるものじゃないんですから」
シャーロット「セラフィーナの言う通りですよ、貴族は国に対して貢献しないとなれないんですから、ほとんどの貴族は、国を建国する時か、戦争の時にしかなれないんですよ」
「まぁ、そうだね」
「そうですよ、クリス様」とセラフィーナ
「それもクリス様は王にも命令ができる権利があるんですよ」
「王様よりも上かぁ」
「もしクリス様が、全軍を率いることになれば、現場の将軍と私たちメンバーが指揮をとるんですから」
「えっ、そうなの?」
「はい、クリス様のメンバーと言うことで、私たちも、一目、置かれているんですよ」
セラフィーナ「そうですよね、クリス様といると、見られる目が違いますから」
「それはセラフィーナとか、シャーロットが王族だからじゃないの?」
「まぁ、それもあると思いますけど、それよりもクリス様の、配下というのが、すごいことらしいので」
「そうなんだぁ、ハァ〜」
「クリス、もう、ため息つかない」
「うん、わかったよ」
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お読みくださりありがとうございます。
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誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っています。
また意味不明な文章があることもあるかと思いますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。
この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。
あくまでもファンタジー小説です。
前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語を書いています。
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