第368話 コリン
コリンの勇者物語と言うタイトルが、大ベストセラーになっているなんて、売れているとは聞いていたけど、本当に驚きだ。
そういえば、俺の魔法で転写できるかもしれないから、今度、試してみよう。
ということを、ぽろっとコリンの前で言ったら、大変なことになった。
ばか売れしてるから、1000部、作って欲しいと言われて、まだできるかもと言う段階だと説明しても、作って欲しいと言われるばかりで、きかないから、しょうがなく試してみることになってしまった。
俺は本を受け取ると、パラパラとめくってみて、この本と同じものを作ればいいんだろうと言うイメージを持ちながら、1冊の本を作ってみた。
もちろん、中も書いてある本だよ。
結構、簡単にできたと思って、本をとって、中を確認してみる。
横に置いてある原本と比べても、同じだと思う、ページをめくってみても、一字一句な違いない。
それをコリンに渡して、「どう?」と聞いてみると、コリンはパラパラとページをめくって目を輝かせた。
「あと、999冊、お願い」と言うので、1時間、かけながら本を1000冊、作ってみたけど、コリンは本人にサインを入れている。
「それを、どうするの?」
「サイン本として売るの」
「あっ、そうですか」
「高く売れるわ、これで孤児院にも寄付を増やせるわ」と言い出した。
「えっ、それ、なに?」
「えっ、クリスこそ、知らなかったの?」
「ほら、私たちが以前、多くの人を誘拐犯から救ったでしょう」
「うん」
「その中に親がいない子供や、食べるものもない子供が多くいたの」
「あっ、そうなんだ、国がしていると思っていたよ」
「うん、国もしてくれているけど、私もしたいと思って‥‥‥」
「あの誘拐事件で、どこの国に住んでいたのか、わからない子もいるの、今も探しているけど」
「その資金にもなるの」
「‥‥‥コリンは偉いね」
「この100冊はね、クリスが作ってくれたことにして、しかも作者のサインが入っている本にするんだ
そうしたら高く売れるじゃない」
「うん、そうだね、俺も協力させてもらっていい」
「うん、でもクリスは、忙しいんだから、そのままでいいの」
「えっ、そう?」
「私が、クリスの活躍している本を書けば、その本は売れるから」
「それとね、クリス、事後報告になるけど、土魔法で作ったクリス人形も作ろうと思うよ」
「えっ、俺の人形?」
「そう、クリスの人形」
「だ、誰が作るの?」
「それはね、私たちなんだよ」と言って、神獣たちが大はしゃぎで言ってきた。
「えーと、君たち全員?」
「そう、私たち全員」
全員というのは、もちろん全員のことだ。
参加するのは、ジャネット、ロゼッタ、パトリシア、アレク、アデル、エイミー、アイリスになる。
「実は、話を聞いて、魔法の練習にもなるから、参加することにしたの」と言って連れてきたのは、アリシアとイザベラとソフィア、セラフィーナ、シャーロットだった。
なんと全員が、この仕事に参加すると言い出した。
「でも、君たち、俺の人形だけじゃないよね」
「まぁね」とコリン
「えっ、ちょっとコリン、聞いてないわよ」とソフィア
「クリス人形だけじゃないの」とアリシア
「私も聞いてない」とイザベラ
「私もです」とセラフィーナ
「私も」とシャーロット
コリン「みんなごめんね、でも協力して」と言ってコリンは頭を下げた。
それをみていたみんなは、ハァ、とため息をついた。
「コリン、もういいわよ、手伝うわよ」とソフィア
「しょうがないわね、みんな良い?」とアリシア
「しょうがないですね」セラフィーナ
「まぁ、いいわ」とシャーロット
「コリンが頑張ったんだから良いわよ」イザベラ
という声がして、俺の方は見ないし、聞かれない‥‥‥
まぁ、魔法の訓練にもなるし、いいか、人形をどこまで精密に作り上げるか、結構、魔法の練習になるから。
ということで、俺が、部屋の中にいるのに、土にも触らずに、魔力でアリシアを見ながら人形を作っていく。
実は土は、触ってもいないし、部屋から出ていないけど、イメージで土を触っていることにして作っている。
たぶん、俺がイメージした部分は、凹んでいると思うよ。
俺が目の前にいるアリシアを見ながら作っている、アリシアが練習をしている時の格好で。
今日の洋服も、足も手も髪の毛も再現していく。
特に苦労したのが目だ。
目が死んでいては意味がない。
目に力があるというか、そんな目を意識した。
ふぅ、これで完成した。
わぁ〜と言いながら全員が集まってくる。
「あっ、忘れていた」と言ってアリシア人形を持ち上げて、人形の下から覗き込んでみた、
そこには、下着もなかった。
裸は着ているけど、下着姿は、あまりみたことがなかったのでイメージがわかなかった。
それを見ていた、アリシアが「ク〜リ〜ス」と言って怒り出した。
「いやー、アリシアの今日のパンツ知らないし、ここだけ精巧にできなかった」と関係ないことを言ってしまった。
「そうじゃなくて、どうして私を作るのは良いとして、下から見るのよ」
「いやね、見える範囲は精密にできるんだけど、以前見た下着でよければ、作るけど‥‥‥」
「なんか、それも嫌ね、ここで見せるわけにもいかないし、作る時はズボンを履きましょう。ズボンを履いた人形を作りましょうよ」
「えー、だって、ズボンなんて普段履いてないじゃない」とアレク
「今も全員が、スカートだし、なんか、私たちじゃないみたい」
「えっ、でも、クリスみたいに変態が、人形、買ったら下から見ることもあるんだよ」
「う〜ん‥‥‥どうしようか?」
「じゃあ、スカートの人と半ズボンの人と、短パンで行けば?」
「じゃ、スカートの人、手をあげて」
「えぇ、それよりも、みんなこれから決まった服を着ない?」
「あっ、それ良いわね」
「じゃ、私がデザインするね」
「あっ、コリン、お願いね」
コリンが紙に、さらさらさらっとイラストを描いていく。
コリンの描いたイラストが、すごくうまい。
「勇者のメンバーだから青を基本とした動きやすい服ね」
コリンがイキイキとしている。
「みんな、どう?」と言って書いたイラストをテーブルに置いて全員に見せる。
「えっ、でも、俺も、それ着るの?」
「うん、当然、ただ一人の男だけど、揃った方がいいから」
「あっ、そうですか〜」俺、ちょっと嫌だなと思うけど、孤児たちのためにしょうがない。
「その前に、登録しない?」
「えっ、登録?」
「そう、主だった国に言って真似できないように登録」
「あっ、いいわね、せめて模造品を作れなくするために」
「さんせい」
「うん、いいと思う」
「そうだね」
「孤児のためだもん」ということで、全員で動いて模造品が出ないように登録することにした。
「で、コリン、本は、どこの国に売っているの?」
コリンは地図を出してきて、それをテーブルに広げて、「ここまで本を売っているって言ってた」
それを見たら、結構、範囲は広い、加盟する国だけじゃない見たい。
早速、俺たちは、次の日からメンバーを開けていろいろな国に行ってみて登録できるかどうか確認してみて、できるところは登録した。
メンバーにはペンダントの着用を忘れずにと注意した。
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お読みくださりありがとうございます。
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そして、何よりも小説を書くための励みになっています。
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また意味不明な文章があることもありますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。
この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。
あくまでもファンタジー小説です。
前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語です。
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