第366話 対抗魔法2

俺は対抗魔法を考え出すことをしている。


その対抗魔法をペンダントを土魔法で作って錬金して宝石に変える。


「このペンダントを、お風呂に入っているときも24時間、外さないように」


「うん、わかった」とアリシアが代表して言いながら、全員が頷く。


「でも、クリスって、実はすごいんだね」とイザベラ


「何言ってんのよ、クリスは、いつも、すごいわよ」とアリシア


「うん、私も、クリスは、すごいと思う」とコリン


「そうですね、私も、凄すぎて、何が普通なのか、わからなくなりますよ」とセラフィーナ


「本当に、見ているけど、本当に、どこが普通なのか、わからないわよ」とシャーロット


「そんなことないと思うけど、クリスって、私たちが寝ている時も研究しているから」とソフィア


「!、どうして、そんなこと知っているのよ、ソフィア」とイザベラ


「えっ、どうしてって‥‥‥」


「夜中にクリスの部屋にいかない限り、わからないことじゃない」とイザベラ


「何、言ってんのよ、最近は、一つの部屋に寝ているじゃないのよ、だからよ」とソフィア


「あっ、そうか」とイザベラ


「イザベラが、前、寝ていた時、パジャマの前をはだけて寝ていたわよ」と仕返しのように言っている。


「えっ、本当?」と全員の顔を見渡すけど、頷いている人が半数くらいいる。


「もう、それなら、言ってよね」と顔を赤くしているイザベラ


「クリスも見ていたの?」とイザベラ


「だからクリスは、その時は、部屋にいなかったんだって」とソフィア


「あっ、よかったー」とイザベラ


聞いていて、俺の方が恥ずかしくなってきた。


イザベラが寝ているパジャマをはだけて、胸が‥‥‥


妄想に走りそうになる俺をイザベラが見て「クリス、考えるのは、やめて」と顔をさらに赤くして言っている。


それを聞いて俺は現実世界に戻された。


「こほん」と咳払いをして、今回の練習で、はっきりしたけど、これで奴が、もし皆んなの前に現れても、わかるし、いくら偽装をしても、見破ることができる。


そして、見破るだけじゃなく、奴が放つ魔法を無効化することができる。


それにペンダントには、聖属性の魔法を込めている。


聖属性の魔法は、ウルフの使う闇魔法の対抗になると思う。


諸悪を浄化することもできれば、浄化だけじゃなく、攻撃もできる魔法だから。


そしてウルフだけじゃなく、俺を殺した奴にも効果があると思う、ウルフと同じ闇魔法の使い手だから。


闇には光の魔法や聖属性の魔法が有効だと思う。


それらも考えて、メンバーに配ったペンダントは、付与している。


「俺は地下で研究しているから、みんなは、ゆっくり温泉でも入ってきたら? 

汗かいたでしょう」


「うん、そうさせてもらうわ」


「じゃあね」と俺は言って瞬間転移を使って地下の部屋にきた。


ここにくると、途端に静かになる。


今までの賑やかな感じがない。


少ない材料で、ウルフと俺を殺した奴のことを考えてきたけど、二人に共通するのは、闇魔法だ。


闇魔法で瘴気も作ることができるし、どうやってかわからないけど、魔物も作ることができるみたいだ。


しかし瘴気で魔物が実体化するなんてできるのか? いや、でも実体化というのは、少し違うような気がする。


あの魔物は、死体も残ることもなく、消し去ることができた。


まるで、全部をドス黒いオーラで構成されたような感じだった。


だから内臓もないと思うけど、本物の魔物のように歩いたりしていた。


あんなことが世界中で起きたら、対処しようがない。


俺の分身体を作っても、どれだけの分身体が作れるかわからないから、今度、やってみなければならないな。


今、俺が作れるのは、ざっと確認しても100体はいけるだろう。


それをメンバーと協力して、作戦することができれば、どうにか対処できるかな?


あとは、俺の魔力がどれだけ持つか? だ。


その時に、扉を叩く音がした。


扉を開けると立っているのは、イザベラだった。


珍しいな、イザベラがくるなんて。


「クリス、ちょっと良い?」となんだか、モジモジしている、こんなイザベラ、珍しい。


「どうぞ、ここにはコーヒーもないけど

必要なら出そうか?」と俺は異空間から出そうとするけど。


「ううん、いらないわ」とイザベラ


「それで、どうしたの?」


「‥‥うん、クリスが作ってくれた魔法のペンダントが、私が以前から、こんなペンダントが欲しいなって思っていた通りのものだったから。

お礼を言いたくて、その‥‥‥」


「いや、良いんだよ、みんなの安全を守るのが、俺の仕事でもあるんだから」


それでもイザベラは、なんだか、モジモジしている。

どうしたんだろう?


「今まで、ごめんね、私、こんな性格だから、殴ったりして‥‥‥」


「なんだ、そんなことか、少しずつ俺を認めてくれたら良いよ」


「うん、ありがとう‥‥‥

そ‥の、お礼ね、クリス」と言って急に俺の唇にキスしてきた。


俺は、まさかイザベラからキスされるとは思っていなかったので、正直、驚いた。


イザベラは、キスしたあと、慌てて顔を真っ赤にしたまま部屋を出て行った。


俺は、3秒くらい放心状態だった。


俺が起動し始める頃、また、空いている扉のドアをノックする音がした。


「クリス、イザベラが慌てて出てきたけど、どうしたの?」と今度はコリンが部屋に入ってきた。


「うん、まぁ、その‥‥‥コリンは、どうしたの?」


「うん、私はね、クリスに言っておきたいことがあるの?」


「なんだい?」


「えーとね、こんな私でもクリスのお嫁さんになれますか?」とコリンはハッキリと聞いてきた。


「直接だね」


「うん、私、遠回しは嫌なんだ」


「そう」


「で、どうなの?」


「うん、君が俺のお嫁さんになってもいいと思うなら」


「うん、私はね、初めから、いいなって思っていたんだ。

あの冒険者ギルドでクリスが声をかけてくれてから」


「えっ、そんな前から」


「うん、私ね、結婚するならクリスみたいな人がいいと思っていたから、何か、私でも、クリスのために何かしたかったの、それが文章を書くことなんだ。

クリスって話すときに、一生懸命、話すでしょう、それを文章で通達できたらって思っていたの。

でも文章で通達することなんて初めはできなかったでしょう」


「うん、どうだね」


「だからクリスが文章を送ることができるように魔法を改良してくれたから、嬉しかったわ、これでクリスの役に立てるって思って‥‥‥」


「そうなんだね」


「これからも、私、頑張るから、こんな私でもいいなら、クリス、お願い」


「うん、今回のことが終わったら、結婚しようか?」


「はい、よろしくお願いします」と言って泣き出した。


俺が何をしたらいいか、わからずにコリンの手を握った。


コリンは泣きながら、顔を上げて目を閉じたので、俺も顔を近づくてコリンにキスした。


コリンは顔を真っ赤にして耳まで赤くしていた。


「ありがとう、クリス」と言ってコリンは涙を拭きながら、部屋を後にした。


ふぅー、まさかコリンが、あんなことを言うななんて、思っていなかった。


でも、今は研究に集中しなければ。


そこに、また、人が空いている扉を叩いた。


ハァ、これじゃ、研究できないよ。


今度、部屋を訪れたのはアリシアだった。


「クリス、いいかな?」


「はい、どうぞ」と俺は言った。


「クリス、イザベラとコリンが来たみたいね」


「うん」


「で、どうだった?」


「うん、結婚の約束と、これからもよろしくってことで」


「ふ〜ん、そうなんだ」


「うん」


「みんな不安なんだよね、クリスからもらったペンダントで、いよいよ現実味が帯びてきたから」


「あっ、そうだね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る