ライラ
俺は、蔵書庫で、時々、ライラと会いながら、訓練をしている。
座学の方も終わって正式に少尉になって数か月たっている。
未だに起きる、起きると言われている戦争は起きていないが、徐々に慌ただしくなってきている。
国は、武器の製造を指示しているから、剣を作る鉱物が運びこまれているそうだ。
岩などを遠くに飛ばす道具も作り出している。
食料も貯蔵を増やしている。
街も静けさがなくなり、ざわつき始める。
相変わらず、ライラの素性はわからない。
ライラは貴族だっていうことは、本人が言っていたから、わかっているが、俺は平民だから、そんな俺とライラが話すこと事態、良くないんじゃないかと思う。
ライラが話しかけてくれることは嬉しいが………それでいいのか?
ライラのことを考えれば考えるほど、もう話さない方が良い思える。
平民の俺と雲の上の貴族のライラとは、身分が違い過ぎる。
それにしても俺をライラの護衛にするなんて、話が通る訳ない。
絶対、親の貴族様に、叱られると思う。
俺から話しを無しにすることはメンツをつぶしてしまう。
だからライラから、無いことにしてもらうようにしなければ………
そんなとき、ローリー大尉から呼び出された。
指揮官室に入ると、すぐにイスに座れと言われた。
ローリー大尉は仕事中なので、俺はしばらく座って待っている。
ローリー大尉は仕事を中断して、俺の前に座る。
と、そこに紅茶を持ってきてくれた士官がいた。
それがアグネス少尉だった。
俺が訓練の為、ローリー大尉を独占していた時期にアグネス少尉は、部隊の指揮をしていた。
まぁ、近くにいたけど、アグネス大尉は久しぶりな感じがする。
アグネス注意が俺に紅茶を入れて来てくれたことに敬礼で答えた。
ローリー大尉は紅茶を飲んで、一息つく。
そして、ゆっくり話し始める前に、俺の前に一枚の紙を差し出す。
「読みたまえ」
「はっ、失礼します」
その書類には、転属命令と書かれてある。
あれっ、俺なんかしたの?
慌てた顔でローリー大尉を見る
「まぁ、最後まで読みたまえ」
「はい………」と答えて、読み始める。
そこには、転属命令として、近衛師団に転属と書いてある。
「えっ、近衛師団?」
「ああ、そうだ、君は、今より近衛師団に配属になる」
「そんな………」
「もう上層部で決まったことだ、今日から君は、王族を守る部隊に配属になる」
「王族?」
「そうだ、王族だ」
えっ、そんな急に、王族を守れなんて言われても………
王族って、だれ?
あったこともないけど………
まぁ、今から教えてもらえるのか?
俺は、近衛騎士隊の詰め所に行く紙をもらった。
俺は、一度、宿舎に戻って、荷物は多くないが、軍ぽくなどが入っているクローゼットの中を空にする。
そしてもらった地図を見ながら、歩いていくと、軍の施設の外だとわかる。
軍の検問を抜けて、さらに歩いていく。
と、また検問があった。
「おい、お前、ここは王城だぞ、お前のいる場所は、後ろだ」と言われたので、ちょっと戸惑ったが紙を見せた。
相手が紙を読んだ途端、「失礼しました」と敬礼された。
俺も敬礼で返して通り過ぎようとした。
俺が検査が行われる門を通り、先から見覚えのある人が走ってきた。
それは綺麗なドレスを着たライラだった。
「アルッ」と声をかけられて、どうしてライラがいるのか、疑問に思ったが、ライラも貴族なら城のいることもあるのかと考えた。
「ライラ、どうして君が、ここに?」
「まぁ、そんなことは良いから、案内するから行きましょう」と言われて、何がなんだか、わからないけど、手を引っ張られて引きずるように進み始める。
歩いていくうちにライラは、手を引っ張ると言うよりも、手をつないで歩く感じになったが、多くの人に会っても手を離すことはなかった。
手をつなぎながら階段を登り、大きな通路を通って歩いていく。
徐々に床に引いてある絨毯が変わってきた。
階段を登り、さらに廊下を歩いていき俺は考える。
どうして、こんなに入り組んでいるんだ?
ライラと手をつないで歩いていくが、そのたびに多くの人がライラのために道を開ける。
さらに歩いていくけど、ライラは俺が近衛医師団に転属になったのを知っているのか?
案内するって言っていたけど………????
どこに行くんだ?
チラッとライラを見ながら、顔は嬉しそう………
俺はと言うと知らない所に連れていかれるので、ちょっと怖い。
ライラが何者なのか知らないけど、、このまま城の中を歩いて行っていいのか?
でも、数か所で検問があったけど、すべて何も言われることもなく、俺が紙を見せることもなく素通り………
と言うか、俺たちが近づくと敬礼する。
俺に敬礼するはずはないから、ライラにか?
ところどころ窓があって外が見えるが、もうかなり上階にいるみたいだ。
そして最後の詰め所で、止められた。
「君は?」と言われて、やっと命令書を見せることができる。
責任者と思われる人に、「今日付けで配属になりました、アルベルトです」と敬礼しながら言った。
「そうか、君が………そうか、わかった、通って良し」と言われる前に立っていいる人はライラの方をチラッと見て、
??????
もう少し廊下を歩いていくと「ちょっと、この部屋で待っていて」とライラが言うので、ノックをするが返事がない………なのでライラが待っていてと言ってので、ゆっくりと扉を開けると、大きな部屋にベットがあり、執務デスクがある。
誰もいないからキョロキョロしながら中を見ながら、そこを通り過ぎ窓に近寄り外を見ると、窓から見える光景が良い。
街の屋根が見えているし、さらに遠くの山まで見える。
カーテンも豪勢だし、すごいな、この部屋。
さらにバルコニーまであるが、部屋の中に置いてあったソファに座って待つことにした。
この部屋はなんだろう?
何が起きるんだろう?
そのとき、コンコンとノックの音。
俺しかいないから、「ど、どうぞ」と言うとカチャッと音がして女性が入ってきた。
「あの、あなたが俺を………?」と言うと、女性はキッとにらみ「私は侍女でございます」と言って紅茶を入れだした。
どうして俺、睨まれたんだろう?
わけわからない………
紅茶を入れて、俺の前に置くと、侍女さんは、出て行った。
もう、なにがなんやらわからない………
俺は刻々と過ぎていく時間を気にしながら、待つことにしたが、あれから誰も来ない。
チラッと前をみると、フカフカなベットが置いてあり、天幕が張ってある。
変なベットだな~
どうして部屋の中なのに、天幕が張ってあるんだろう?
しかも、薄い生地のカーテンもある。
時間ばかりが過ぎて、俺のことを忘れている?
もう、誰も来ないんじゃないかと思っていた時に、扉がノックされる。
「ど、どうぞ」と言うと先ほど、俺のことを睨んだ侍女さんが入ってきた。
今度は何も持っていない………
見ていると、侍女さんは、扉の横で、さっと避けて頭を下げる。
侍女さんは「今からおいでになるのは、王女様です、床に片膝を下ろして頭を下げなさい」と言われ、俺は立ち上がり、床に膝を付いて頭を下げる。
俺が頭を下ろして目を閉じていると、生地がすれるような音がして足音が聞こえる。
この人が俺を?
俺はチラッと目を開けて上目遣いに目をやると、白い靴が見えた。
どんな人だろう、俺を近衛騎士団に入れたのは。
と思っていたら、侍女さんが頭を上げなさいと言う。
俺は恐る恐る頭を上げる………
スカートが床を擦りそうな感じになって、広がったスカートが見えて、細いウエスト………胸が大きく髪の色も金髪で縦ロール
あれっ、ライラと同じだ。
貴族って同じような髪形しているのか?
顎をみるとライラに似ている。
唇は、なんだか、違うような気がする、ライラはあんなにツルツルな唇はしていない。
と思っていたところに、「アル」と、いつも聞いている声がした。
「!、その声は、ライラ?」と言いながら顔を上げると、目の前には、いつもの服ではなく、綺麗な装いのドレスを着たライラが立っていた。
「ライラ、君は誰なんだい?」
「おほん、おほん、この方は、我が国の王女様である、控えろ」と言われて、また頭を下げようとしたら、良いのよ、この方は良いのです、と侍女さんに言うライラ。
そうですか?と引き下がりにくい侍女さん。
「この方はね、私が呼んだの」と言ってくれた。
あれっ、でもさっき、ライラのことを王女様って呼んだよね。
ちょっと、待って、うーんとライラが、この国のお姫様?
えっ、ライラがお姫様?
えっ~~~~~~~~~ぇと声を出してしまった。
そこに廊下を走る音がする。
「姫様、何事ですか?」
「いえ、大丈夫です、すいません」と言って下がらせた。
いや、いや、いや、いや、いや、いや………
本当なのか?
ライラが姫様?
「もう、アルったら驚きすぎ、さぁ、ソファに座って」
と床に片膝着く俺を腕を持って立たせる。
「もう、アルったら………」とクスクス笑いだす。
侍女さんが姫様って怒るように言う。
「ごめんさないね、あまりにもアルの驚きが面白くて」
「もう、姫様は、小さい時から、そういうこと好きですよね」とため息をつく。
「さぁアル、ソファに座って」と俺を座らせる。
俺は驚きからやっと自分を取り戻して「あのお姫様………」
「もう、アルッ、姫様じゃないわ、ライラよ」
「………」言って良いのか、侍女さんをみると、はぁ~とため息をつきながら、
「そ、それで、ライラ、これはどう言うことなんだい?」と聞いてみる。
「アルには黙っていたことは、ごめんなさいね、私が王女だとわかると、大変だから黙っておいたの」
「そ、そうなんだ」と凹んだ。
「だましたわけじゃないのよ。偏見の目で見てほしくなかったの」
「………うん、わかったよ」
「あっ、良かった~」と顔をぱぁ~と輝かせる。
………俺は、ライラの笑顔を見て、どうしてかわからないが、ほっとした。
「それでね、アル」と俺の対面のソファに座りながら、なんだか言いにくそう。
「うん、どうしたんだい?」
「これから私を守ることをしてもらいたいんだけど」
「えっ、君を守る?」
「うん、そう、私だけの近衛隊と言うか、所属は王族を守る近衛隊なんだけど、私専属の近衛隊と言うかぁ………」とチラッと俺の顔を見る。
「うん、それはかまわないけど………」と後ろに立っている侍女さんが、またもや、ため息。
「ほんと? いいのね」
「俺がライラを守るなんて、ほんとうに俺で良いの?」
「ええっ、アルでいいのよ。いいえ、アルがいいの」
「じゃあ、俺が言うことはないよ、手続きだけはお願いするよ」と言うと、後ろの侍女さんが、「それは、私の方でやっておきます」と答えてくれた。
「ええ、お願いね」とライラは嬉しそうで少し顔が赤い。
「俺って軍の服しか持っていないよ」
侍女さんが「あっ、それは、これから申請して支給してもらいます」
「あっ、そうなんだ」
「アルは心配しなくていいわ、すべて、そこにいるアマンダに任せていいわよ」
「はい、よろしくお願いします」
ライラが「それでね、アル、最近は、戦争が近いって噂があるでしょう。なんだか怖くって」
「あっ、そうだね、俺も戦争が近いって聞いているよ」
それで俺を護衛に雇ったわけだな。
なるほど、やっとわかった。
「じゃ、そろそろ、護衛の任務に就くよ。」と言って部屋を出ようとしたら、「アルの部屋はここよ」とライラが言う。
「えっ?」
「アルの部屋はここなの」と強調する
「えっ、この部屋が、俺の部屋?」
「そうよ」
「………」こんな豪勢な広い部屋が俺の部屋?
「あっ、それと、隣が私の部屋ね」と指さす。
「えっ?」
「廊下に出なくても、そこの扉から、私の部屋に行けるわよ」と簡単に言うライラ。
「姫さま」と怒ったように言うアマンダ。
あっ、、そうだよな、何かあったときに、すぐ駆けつけることができなければ護衛じゃないよな。
「アル、一応、隣の部屋を見せておくわ」とライラがソファから立つ。
廊下から入って中に入ると、豪勢な広い部屋。
ライラの部屋は、3つの部屋で構成されており、扉を開けて入るとリビングみたいな部屋で大きなテーブルが置いてある。
次の部屋は、化粧台があって、大きなクローゼットがある。。
最後の部屋が大きなベットになる。
何人くらい寝れるんだ?
ライラの部屋を確認したあと、俺はもらった部屋で、フカフカでベットで、のんびりしていると、そういえば、もう警護は始まっているんだったと思いだした。
そして俺はローリー大尉からも俺の得意な魔法として訓練を受けた、索敵魔法を行使する。
俺の索敵魔法には、隣の部屋にの奥にライラとアマンダがいるみたい。
ドレスを着替えているみたいかな。
あまり集中すると、わかってしまうので、 他を索敵する事にした。
城の中を索敵する。
言葉まで聞こえる俺の索敵魔法は、使い方によっては危険視されるが、有効な使い方をすれば良いとローリー大尉から言われた。
こんど、お世話になったローリー大尉に会いに行こう。
俺は、警護のために、この部屋の滞在を許されたが、普通は、こんな所に警護を置く必要はないと侍女のアマンダに説明を受けた。
しかし、ライラが、なんだかわからないが、何かがあるような気がすると言い張って他を納得させたみたいだ。
ライラは何かの予知をしているのか?
ライラの不安は戦争ではないのか?とも言われたが、それとは違うと答えたそうだ。
俺は、侍女のアマンダから、そういうことを聞いて、余計に気を引き締めた。
しかし、今、王城の最上階にいるわけだけど、バルコニーに出て、外を眺めている時、気が付いたが、俺がいるバルコニーは、ライラの部屋とつながっているほど長く大きい………
そして下を見ると、下から大きな木が生えていて、近くまで到達している。
そのせいで見晴らしが台無しになっている。
でも、この木は、大丈夫か?
この木を登って来れるような奴がいたら、侵入されるんじゃないか?
あっ、そうか、ここは城の城門の警備の中だから、大丈夫なのか?
****
ライラの不安を取り除くためにも、俺は自分の個人魔法を駆使しているが、反応は起きていない。
せめて、いつの日にか起きるのか、それさえわかっていれば、やりやすいんだが。
俺は、ローリー大尉と練習した個人魔法の結界魔法と強化魔法を発動してライラにかかっているとは思えないほど、精密にしてかけた。
俺がライラの護衛となり、十日ほどたった真夜中、俺は胸騒ぎがして、なかなか眠れなかったが、それでも、次第にウトウトとしだす。
その時に、俺も不安を覚えて、目を覚ます。
なんだ? 何か胸騒ぎがする。
心臓の鼓動が早くなる。
蝋燭の火も消えて真っ暗になった部屋を頭だけ起こして見渡す。
なんだ? 何かがおかしい。
俺は耳をベットの上で済ますと、音が聞こえてくる。
「ぎっ、ずずずずずっ」と小さな音。
部屋の、どこかわからないけど、音がしている方に耳を研ぎ澄ませる………
検索魔法発動………
検索魔法でわかった………ライラのバルコニーからの音だ。
俺は、すぐにベットから暗闇に走り出す、まずは自分の部屋のバルコニーのところに行き、検索魔法で確認。
侵入者は、まだガラスを切っている。
人数は3人。
三人のうち、立っている奴が指示を出している。
そこで、ほっとしたのが、まだ部屋の中に侵入していないこと。
俺は転移魔法で、ライラを俺の部屋のベットの中に移した。
ライラは目を覚ましていない。
さぁ、ライラの安全は確保した。
侵入者には言い逃れができないようにする必要がある。
三人とも、捕らえること。
そして自害しないようにすること。
こんな実戦は経験がないから、どうしたら良いか、迷う。
訓練ばかりで、こんな実戦は初めて………
経験がないけど、賊を逃がさない為にも、俺が動くしかない。
俺がライラを守るんだ………
ライラを守るためのことだけど、もうライラは俺の部屋にいるが、近い。
だから用心する必要がある。
俺は音を立てないように、バアルコニーの立って指示している奴の後ろに転移する。
指示役の奴を、後ろ側から手とうで倒す。
ライラが起きないように崩れ落ちるときに、手を貸して寝かせる。
座っている二人は、それに気が付いていない。
部屋の中に寝ていると思っているライラのことばかりに集中しているんだろう。
二人のうち後方の奴を、同じように後頭部に手とうで倒す。
その時に、予想通り、前の奴の体にあたって、異変に気が付いた。
後ろを振り向いた最後の奴も、俺の手とうで倒す。
ふーっ、なんとかライラを起こすことなく、倒すことができたけど、ガラスに穴が開いてしまった。
こいつら、どうしよう?
このまま、置いておくわけにもいかず、俺はライラが寝ている自分の部屋を通って、廊下を歩いていく。
階段を下りていくと上階を制限している所にいきあたる。
俺が近づいていくと、「何用ですか?」と先に聞かれたので「ライラ姫の部屋に賊が入ろうとしたので、捕らえました」と単純に答えた。
「なんですと?」
「いや、だからライラ姫の部屋のバルコニーから賊が侵入しようとしたので、捕らえました。どうすれば良いかと思って………」
と答えると、「おい、ここを頼む」と残る兵士の人に行って、5名の兵士を連れて、わかっているライラの部屋にいく。
俺も最後尾からついていく。
角で止まった兵士の人が俺の方を振り向き「確認ですが、もう賊はいないんですね」
俺は検索魔法を使って確認する。
「ええ、いないみたいですね」
「了解です」と言ってライラの部屋の前にいき、扉を開けようとする。
「ふん、開かない」と何度かやっているうちに、侍女の扉が開いて、「何事ですか?」と
「この者が、ライラ姫の部屋に侵入者がいると言うので………」
「なんですって? それは大変じゃないですか?」と言うと部屋の中に入って合鍵を持ってきて「姫様」と声で言っても返事はないから「開けます」と言って侍女のアマンダから行こうとしたが、兵士に留められる。
兵士はゆっくり扉を開けて、中を見渡す。
兵士は散らばっていき、最後に侍女のアマンダと俺が入る。
「いない………」
「ああ、いないみたいだ」
「おい、誰か、明かりをつけてくれ」と言うと侍女のアマンダが、明かりをつけた。
「安全確保」と言う兵士。
そこにアマンダが、「姫様がいない」と慌てる。
「なに?」と言う兵士。
「あの」と手を挙げるが、俺のことを無視………
もっと大きな声で、あの、と言うとアマンダがぎろっと睨んだ。
「なんですか? 心配しているのに」
「だから、ライラ姫のことでしょう?
「そうですよ、あたりまえでしょう」と怒りながら言われる。
「だったら隣にいます」
「「「「「「えっ?」」」」」
アマンダが「どうして?」
「俺が避難させました」と言うと、すぐに部屋を出て確認に向かった。
あっ、俺の部屋の施錠を忘れた、まぁ、いいか?
姫さま~って声が聞こえるから。
五人の兵士たちは、もう、バルコニーにいき、捕縛しているみたい。
俺は、ここにいるよりもライラの寝ている部屋に行く。
姫さま~って言って、アマンダが抱き着いているけど、ライラは、頭がぼっーとしているみたい。
まぁ、まだ夜中だし、しょうがないよね。
ベットの上で座らされたライラの寝間着が見える。
俺は近くに置いてあるカップに魔法で水を出して「はい、これ」と差し出す。
まだ、アマンダに抱き着かれているライラは、俺から水を受け取り飲む。
そのころになって、ようやく新たに人が増えてみたい。
扉をノックして男性が入ってきたが、寝間着のまま。
この男性は見たことがある。
ローリー大尉と練習している時に、ライラと話をしていた人だ。
やっとライラの頭が働きだし、入ってきた男性のことを、お兄さまと言う。
アマンダも落ち着きを取り戻して、「失礼しました」と言いながら下がる。
俺もアマンダと同じように、隅にいく。
ライラのところに行き、何事もなかったことを確認して俺の方を振り返る。
「聞かせてもらおうか」と王子
ライラも、ガウンをはおり、兄の隣に座る。
俺は、事件のことを話していく。
王子は、俺の説明に口を挟まない。
「なるほど………わかった、また話を聞くことがあるかも知れない」
「はい、わかりました」
「しかし、よくやってくれた。ライラにも害はなかったから、安心したよ。アルベルト」と手を差し出された。
俺は王子の差し出された手を握手した。
「では、後処理をしに行く」と言う王子
俺も立とうとしたら、「アルベルトは、ここにいてライラを守ってくれ」と言われて、座った。
しばらくは時間が流れるばかり………
ライラが「ありがとう、アルベルト」と小さい声で
「うん、ライラに何もなくてよかったよ」
******
侵入した賊は、何も自白することもなく、奥歯の毒で自害したと聞いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
💚 お読みくださりありがとうございます。
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この物語は異世界の物語です、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。
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