第344話 魔物大量出現4
魔物が大量に出現してきて、ミミズの大きなワームまで地中から出てきたけど、口を開けっ放しにしているので、その口に爆炎の魔法を放り込んだら燃え上がって爆発してしまった。
大きな魔物と言うのは、どうしてかわからないけど、口を大きく開くことがあり、弱点が見え見えになっている。
俺は分身を確認してみると、うまく撃退できている。
あまり多くの分身を使うと、そこにいるメンバーだけじゃなく、他の兵士や騎士や冒険者が変に思うからやめておいた。
人間じゃないと思われるから。
前世の時は親から化け物扱いされたことがあるから。
一度、言われた記憶とショックは、簡単に消える事は無い。
言った本人は、すぐに忘れてしまうだろうけど、言われた人には、かなりのショックだったから簡単に消える事は無いけど、相手はすぐ忘れてしまう。
ショックだった事は自分の体と精神を蝕んでいくこともあるから。
それで俺は、モロに影響を受けて、隠すことばかりしてしまっているけど、最近は、少しずつ勇者を利用して現すことにしているけど、それでも抑えているけど。
あっ、でも瘴気は消すことはできたけど、作った奴がいないし、気配もない。もう、この星にはいないのか?
爆裂や炎の魔法では火事が起きてしまう。現に、ワームを爆裂で破壊したとき、火が飛んでしまって木が燃えている。
俺は魔法で水を出して消したけど、他のメンバーには、得意な魔法で撃退する必要があるから、言っていない。
俺は、魔物を討伐するために、上空から、アイススピアを大量に作った。
アイススピアは氷魔法で、氷を大量に作って、先を尖らせていくことで 殺傷能力も上がるけど、もっと氷を硬くしていくと、さらに殺す能力的には充分だ。
俺は氷を硬くして先を尖らせたアイススピアを、このエリア一帯にいる魔物に向けて発射する。
俺がアイススピアを作った数は1000になる、そして眉間めがけて飛ぶように検索魔法でサーチして目標に当てる。
1000以上も作れるけど、眉間に当てていくのが難しくなるから、この方法も初めてやる方法だから。
たぶん、慣れてくると、もっと数は増やせると思うけど。
俺の分身魔法でオーリス王国に派遣した一人を通してみてみると、兵士も騎士も冒険者も疲労が強く使い物にならない。
戦っているのは、女性メンバーだけになっている。
それでも、疲労や魔力は減ってきているので、俺は、魔力を充填させることをしてみた。
そうすると、メンバーの動きが良くなって魔力も満たされた。
さらにリッチェスト国に行っているメンバーにも、同じことをして、ライオネル公国のバンバーにも、同じように魔力を充填した。
これで、もうしばらくは大丈夫だろう。
急がないといけない。
俺はアイススピアを増やして2000に上げてみた。
これで、魔物の眉間を貫くことができるか、実験してみたけど、簡単にできた。
俺も魔力も欠乏状態に陥ることはない。
そして俺の分身たちの目を通して確認できる魔物に対して、俺と分身の3人が同時に手を上に上げて、それぞれが2000のアイススピアを作り上げる。
分身がいる国の上空に、それぞれ2000本のアイススピアができた。
それを一気に魔物めがけて放つ。
全てのアイススピアが魔物の眉間を撃ち抜いて倒れた。
それぞれの現場では、シーンとしている。
中には口を開けている者や、腰を抜かしている者もいる。
全員が言葉がない。
そして俺は遠くの魔物に対して同じように2000の氷の塊を作ることをする。
それぞれの国で一気に2000対の魔物が倒れる。
俺のアイススピアには、実は聖属性魔法を混ぜてある。
どうも、出てきた魔物は普通の魔物じゃなく、瘴気で作られた人工的な魔物のような気がしたから。
瘴気で作られた魔物であれば、効果があるのは聖属性の魔法だけだから。
そのことに気がついたのは、俺が初めにアイススピアを放ったとき、死体が残らなかったから。
魔物であれば死体が残るはずだけど、眉間を打ち抜いた時に真っ黒い霧になって消えたから。
俺はさらに、自分と分身を利用して、アイススピアを作り、種類が違う魔物にも同じように眉間を打ち抜くと、霧となって消える。
魔物は徐々に減少していき、もう残っていない。
「はぁー疲れた」と声に出してしまったけど、体が疲れているわけじゃなく、緊張で疲れただけなんだ。
緊張を解いて、リラックスすると背伸びをして、ライオネル公国に戻ってきた。
緊張で喉が渇いたから。
コーヒーを飲みたくなったから。
俺がライオネル公国の作戦会議室に瞬間転移すると、もう全員が揃っていたので、俺の分身を消しておいた。
メンバーには、知られてもいいんだが、他の人に知られると騒がれることもあるから。
アリシアが「クリス、ありがとう、クリスが来てから、戦場が安定したよ」
イザベラが「そうだね、アリシアのところにもクリスが来たの?」
「うん、クリスがずっといてくれたの」
「えっ、ずっと?」
「うん」
「えっ、私のところにも後半はずっといましたよ、クリス様は」
「えっ、あれ?」
そのとき、俺はメンバーを手招きして、近くに集めてヒソヒソ声で、
「オーリス王国とリッチェスト国とライオネル公国の俺は、俺の分身だから」
唖然とされた。
再起動して、えーっと大声で言ったので、シーッと言う動作をした。
そこで俺は魔物が沸いている瘴気のあった場所を全員に説明する。
「俺が、前半は、瘴気があったエリアにいたから、そのときに分身を作って送ったんだ。
初めて分身なんて作ったけど、うまくいったみたいでよかったよ」
セラフィーナが「でも、いつものクリス様でしたよ」
シャーロットが「うん、私に話しかけたりして、いつものクリス様でした‥‥‥」
アリシアが「私も、分身だなんて、気がつかなかった」
「と言うことは、うまく行ったと言うところだよ」
そして関係する国だけじゃなく、俺を盟主としている国に対して、通信魔法装置を起動する。
執務室にいない王様もいたので、5分後にした。
俺は座って、ソフィアが入れてくれたコーヒーを飲んでいる。昔は俺が紅茶を入れていたけど、ときどきは、女性たちの誰かが入れてくれるんだよ。
その女性の入れ方で、本当にコーヒーの味が違うし、香りも違うんだよ。
どのコーヒーも美味しいけどね。
暖かいものいいけど、濃くしたコーヒーに氷魔法で氷をいれて飲むのも美味しいよ。
5分、経過したので、今回の騒動を話し始めることにする。
正確な数はわからないけど、10万、または15万の魔物がいたこと。
瘴気から出てきたものは普通の魔物ではなかったこと
聖属性の魔法で簡単に退治できたこと。
瘴気の沼があって、そこから、魔物が出てきたこと
などを主に話をした。
これが、どこにでも出る可能性があること。
そして数は少ないけど、国交がない港街のオズワルド王国に魔物が出ていること。
盟主として動いているわけだから、勝手に国境を超えて魔物討伐するわけにはいかない。
一個人としてならいいけど、そんなことを勝手に行えば侵略として受け取るバカもいるから。
一冒険者として出向いても素性がバレれば疑われる。
各国に意見を求めた。
そうするとサイラス皇帝から、話が出てきた。
サイラス皇帝は、国境を堺にオズワルド王国と繋がっているので、オズワルド王国の王を知っているそうだ。
今は、緊急を要するので、魔物の一部とは言え、国の国境を超えている。
冒険者や兵士、騎士で対処できれば問題ない。
しかし、押されている。
「サイラス皇帝、どうすればいいですか?」
「私が親書を急いで書くから、それを持って行って欲しいんだが」
「えっ、でも、どうやって王と会えばいいんですか?」
「それなんだが、貴殿には瞬間転移という方法があるだろう」
「はい」
「この際だから、私に使ったようにすればいいと思う」
「まぁ、オズワルドには行ったことがあるので、王都を知っていますが‥‥‥わかりました、何とかやってみます」
オズワルド王は、どんな人ですか」
「うーむ、私があった限りでは、悪政をひいているような感じはしないが」
「たぶん、交代したという話は聞いていないから、40代のオズワルド王が即位していると思う
普通に話しても大丈夫だと思う。私の親書をすぐに用意するから、その時に盟主のカードを見せればいいと思うぞ」
「はい、わかりました、では10分したら、そちらにいきます」
「あー、その時に、できたらアレクちゃんを一緒に連れてきてほしい」
「えっ、アレクですか?」
「うん、そうなんだ、娘が会いたがってな」
「あっ、そういうことでしたら、わかりました」
それではと言って会議の通信を切った。
俺の目の前には、ライオネル公国の王もいる。
俺は、椅子に座って、オズワルド王国の状態を確認してみる。
今は、前線で先頭が行われている。
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