第345話 魔物大量出現5
俺たちは、今度はオズワルド王国に行くことになりそうだ。
10分待って、俺たち全員で瞬間転移することにした。
全員で動けば、全員が状況を知っていることになるので、説明する時間が省かれるから。
サイラス皇帝がいるお城には、何回か瞬間転移したことがあるし、今回は、お城の部屋があるので、瞬間転移しやすいし、俺は、どこでも現れると評判だから。
俺たちに貸し出されている部屋に瞬間転移すると、目の前には、サイラス皇帝がいてくれた。
「久しぶりだな、クリス様」
「そうですね、サイラス皇帝」と言って握手をした。
隣ではアレクと娘さんのミーアが仲良さそうに話している。
「じゃ、サイラス皇帝、行ってきます」と俺は文官から親書をもらって、アレクが名残惜しそうにしていたけど。
また、今度と言って、瞬間転移した。
瞬間転移して現れた場所は、以前、きたことがある王都の上空だけど、瞬間転移する前に、透明化の魔法で見えなくしている。
上空から城は、どこにあるのか確認をして、近くまで行ってみる。
城の上空からでも分かるくらい、お城は慌ただしい。
お城の上のほうにいると思われる王様を探してみると、指示を出している人が王様なので簡単に見つけることができた。
一刻の猶予もないから、人がいても構わないと思って俺は会議をしている王様の部屋に全員で瞬間転移で現れた。
突然に現れた俺たちに現場にいた兵士や騎士たちが剣を抜いている。
まぁ、普通の反応だね。
俺は危険があってもいけないので、剣を抜いた人に金縛りの魔法で動けなくした。
「オズワルド王、俺は、近隣諸国の盟主、クリスという者です」
そして俺は盟主を表すカードを提示した。
そして、もう一つ、信用してもらうために、近隣の貴族のカードも提示した。
「?」
文官から受け取った俺のカードを見ながら、「それで、どういう要件かな?」と低音でドスが効いた声で言った。
なんだか声にすごい凄みがあるな。
こう出られると話にくい
「 オズワルド王国の故郷に魔物が迫ってきていると思うんですけど、多分。国境超えていると思いますが、その魔物を討伐に来ました」
「ふん、そんなことを言って金をせしめようと魂胆か?」
「あっそうだ、忘れていました」俺はサイラス皇帝の親書を出して渡した。
オズワルド王は、親書をみている。
ときどき、俺をチラ見するけど。
「サイラス皇帝なら、本当によく知っている、すまなかった。それと、もう一つ、聞かせてくれるか?」
「はい、何でしょう?」
「後ろにいる女性が多いみたいだが」
「あっ、彼女たちは、私のバックアップメンバーですけど、たぶん、この城で一番、強いはずですよ」
「あっ、そうなのか、いや、疑ったわけじゃないが」
「それよりも、俺たちは急いでいるんですよ。王様」
「あっ、そうだったな」
「俺たちが介入していいですか?」
「もちろんだ、今はできるだけ多くの手を借りたい」と言って握手を求めてきた。
「では、俺たちが介入することを通達してください、騒動が起きると厄介なので」
「ああ、わかった、すぐに対処しよう」
王様は俺たちの実力をわかっていないだから、態度が悪いのか?
何だか、不自然な態度を感じることがある。
やはり、普通の魔物とは違い魔物の侵攻は早いから、俺は、同意したものと考え、お城を探すときに、魔物の黒いものが見えたので、メンバーは、ここには残さずに全員で瞬間転移した。
まだ、王様を信用できないから。
もう、かなりの被害が出てきているみたいだけど、俺は、ここの関係者じゃないから、責任はないと思いたい。
今は魔物は、城門まできているみたいだけど、国の兵士、騎士、冒険者は対処できていない。
俺たちは、どうも王を信用できないので、歩いて城の下まできて、王が用意してくれた馬車に盛り込んだ。
そこで初めて、アリシアが「どうして飛んでいかないの?」と聞いてきた。
「どうも、あの王様は信用できない」と答えた。
「たぶん、今回に関係する何かを隠している」
俺は危険予知みたいなものを感じている。
今の俺の感覚は以前とは、違うすぎるくらい違うので、何か企んでいる奴は、すぐにわかる。
あの王が、今回の件に絡んでいるのか、黒幕なのか、操られたのか? とにかくあの王は怪しい。
俺たちは王都の街並みを見ながら、馬車で進んでいるけど、やはり遅い。
まぁ、ゆっくり進んでいけばいいやと言う感じで、俺は腕を組んで目を閉じる。
他のメンバーは、俺の以前とは違う態度に疑問を持っているけど、今は、説明するような証拠はない。
俺は居眠り状態を装いながら、検索魔法でサーチを行う。
多くの兵士や騎士や冒険者が魔物と対峙しているが、能力的に、全然、ダメだ。
この国の魔法師でも、弱すぎて魔物を討伐するところか、押されている。
俺は、魔法障壁を展開した、それもかなりの広範囲の魔法障壁を展開して、魔物と人に壁で仕切りを作った。
魔物は、俺が展開した魔法障壁を突破できない。
上にも登ることはできないから、横にズレても、かなり長く魔法障壁を展開しているから無理だろう。
魔物は魔法障壁に攻撃しているけど、俺の壁は簡単には突破できない。
兵士や騎士や冒険者も、初めは驚いていたが、魔物が攻撃できないことを知ると、その場に座り込んでいる。
現場の将軍が、駆けつけてきて、魔法障壁を確認して、誰が張っているのか、探っているけど、誰も手を上げる奴はいない。
もし 手を挙げる奴がいたら、すぐにばれてしまうだろう。
と言うのは今、俺が張っている魔法障壁は、かなり上位の魔法使いしか使えないものだから。
上位の魔法使いだからと言って使えるのかと言うと、たぶん使えるやつはいないだろう。
それほど高等難易度がある魔法障壁を張っているわけだから。
これで俺たちが到着するまでの時間稼ぎができる。
だから、本当に俺は寝ることにした。
周りにいるメンバーを確認してみると、なんだか呆れたような 顔をしているけど神獣たちは知っている。
神獣たちは自分の能力で俺が何をしているのかということを確認することができる。
まだ、俺たちが馬車に乗って走っているのは、王都だから、あと30分くらいはかかると思う、到着までゆっくりと寝て待とう。
俺が、本当に寝て、20分くらい経った頃、俺は目を覚ました。
もうすぐ戦場が近い、俺は検索魔法でサーチしても、先ほどと変わらず壁が効果的に働いている。
なので余裕で到着を待つ。
現場では俺が作った魔法障壁を突破できるような奴もいない、魔物であろうと、兵士でも、騎士でも冒険者でも、国所属の魔法師でも、壁はビクともしない。
検索魔法で見ているけど、将軍も、何だか、嫌な感じがする。
何だか、こんな国、助ける気もしなくなる。
もう、瞬間転移して帰ろうかな。
というのは、恐怖と言うよりも、焦りを感じるから。
そりゃ、魔物が攻めてきているわけだから、焦りはあるだろうけど、その焦りが、何だか違う。
何だか、悪い企みをして、それが失敗したような感じを受ける。
もちろん、兵士、騎士、冒険者は死にものぐるいだけど。
今はヘトヘトになって休憩したり、食事を取ったり、寝転んでいる奴もいる。
馬車は、もうすぐ戦場に到着するけど、馬車の中にはメンバーだけしかいなから、俺は瞬間転移でサイラス皇帝の元に飛んだ。
サイラス皇帝は執務室で宰相と話をしていたが、突然、現れた俺を歓迎してくれた。
「おお、どうした?。クリス殿」
「今、俺たちは、王様に会ってきましたが、何だか、嫌な感じがするんですが」
「嫌な感じ?」
「ええ、俺の感は、100%当たりますから」
「勇者としての感かね」
「そうです」
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