第334話 検索魔法
緊急事態のため、神獣たちを配置してほしいと言う要望があったので、待遇面を詰めて、それぞれの国に配置することになった。
そして、各神獣たちとは念話で、瞬間的に繋がるので、寝ているも大丈夫だけど。
神獣たちが狙われる場合もあるので、いくら復活できるとしても用心しなければならない。
死んでしまう場面を見るのは、嫌だ。
なので、俺は、以前の戦闘の前に使っていた、魔法を使うことにする。
これは自分にかける魔法だけど、1時間でも、1日分の眠りが取れる魔法だ。
睡眠魔法の一つで、人を眠らせるのではなく、自分にかける魔法になる。
しばらくは、長く睡眠が取れそうもない。
ブラッドフォード大公国での戴冠式が終わって、俺にも盟主としての任命があったけど、緊急事態には、加盟国の軍でも動かせることになった。
俺は盟主を勘違いしていた、ただの名前だけだと思っていたら、すべての国の王より上だったのね。
だから王の命令を待つことなく、軍隊を動かすことができるわけだから、俺が謀反を起こせば、幾つもの国が滅んでしまう。
まぁ、盟主でもなくても精神魔法でできるけど。
そして、俺の名前が知れ渡ることになる。
一番、嫌なことだけど、黙って、そこに居たって、わからないと思うけど。
照明を見せない限りは、勇者クリスって、わからないだろうから。
そう思っていたら、他の国も同じそうだけど、勇者カードというのが発売されると聞いた時には、驚いた。
オーリス王国だけじゃなく、俺って、自分では、思っていないけど、有名だったみたい。
知っているのは、王族やトップの人だけと思っていたら、王都中に広まっているんだって。
至るところの店に俺の顔がイラストされた物語風な絵が張り出されている。
そのタイトルには、勇者クリス物語と書いてあって、本になったり劇として流行っているんだって。
こんなんじゃ、街を歩けない
王様から、緊急事態なので、まとまるためには、了承してくれとか、我慢してくれって言われた。
ハァ〜、ため息でも出るよ。
俺たちは、屋敷よりも、オーリス王国の城に、新しく部屋を用意してもらった。
この部屋には、お城の入り口が見えるベランダがあり、以前は部屋が一つだったけど、今回も部屋が一つだけだけど、すごく広くなった。
たぶんパーティーが行われる部屋だと思うけど、ベットが14個、用意してもらった。
というのは、担当を変える場合もあるためだ。
いつ交代しても良いように、ベットがある。
この部屋には、常に各国の情報が集められている。
まぁ大体が異常なしと言う報告だけど。
神獣たちにも休養は必要だけど、俺の集中睡眠魔法をかけているから短時間で寝ることができるようにしている。
この部屋には、アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロットがいる。
俺に渡す書類整理をしてくれている。
そして城には24時間、稼働している部署もあるけど、そこと綿密な連絡を取り合うことができるようになった。
何よりも俺の指示が優先されるのは、もちろんだ。
どこかで、きな臭い情報があったら、すぐに調査に向かうことになる。
俺は、今は、待つ必要がある。
それと検索魔法を働かせて、サーチすること。
いち早く、見つける必要がある。
でも検索魔法でも、あの二人が引っかかってこない。
どうするか?
俺は、今はオーリス王国の中にいて、貸し出された専用の部屋にいるけど、周りには女性達は事務的なことをしてくれている。
短期で動いてくるのか、長期で動くのか、全然、わからない。
そして何を狙ってくるのか、いつなのか?
俺は目を閉じて、念話をしてみる。
念話の相手は神レイチェルだ。
「レイチェル、レイチェル」と何回か呼ぶと、レイチェルが応答してくれた。
「はい、なんでしょうか?」
「何か情報はありませんか?」
「それがですね、全然、情報がないんですよ」
レイチェルも何もなしかぁ
「わかりました、なにかあれば連絡お願いします」
「もちろん、すぐにしますから」
俺はレイチェルとの念話を切った。
う〜ん、レイチェルも情報はなしということは、奴らが動くまで待っているか、どうする?
そうだ、前に実戦したことを、もう一度、試してみるか。
俺は、検索魔法を世界中に広げてみるけど、引っかかってこない。
強い結界魔法も感じられない。
じゃ、今度は、空間の研究成果で分かったことを確認してみる。
「ちょっと席を外すよ」と女性達に言って、俺は自分の空間に瞬間転移した。
自分で作った空間だけは、自由に出入りできるけど、他人が作った空間には、入れない、はず。
それを突破する方法があるのか?
俺は今は、空間に来ているけど、相変わらず空間は真っ白だ。
壁も天井も床も白い。
俺は、空間に対して検索魔法をしてみることにした。
空間の壁や天井、床の構造物に対して、検索魔法を発動してみる。
初めて、俺が屋敷の庭の小屋で空間の中に入れた時に、空気の流れみたいなものを感じたことがある。
もちろん、空間は時間が止まることもないし、生物が入ることができる空間だけど、どこから酸素が供給されるのか?
その時には、疑問に思ったけど、 ほったらかしにしておいた。
空間自体はパラレルワールドの間に存在すると言う事は以前の研究でわかっている。
分岐点で別れた世界が、いくつもあり、その間の部分に空間は存在している。
1本の線が2本に分かれて、2本に分かれた線の間に空間はある、そこが異次元という意味だから。
異次元に空間があるんだから、空気が入ってきたり、出ていくのは、矛盾している。
それとも何か、異次元には空気があるのか?
それだったら、納得いくけど。
空間の壁や天井、床を検査すれば、どこから空気が入るのか、わかるし、繋がりがあると思うから。
検索魔法のサーチを使って、まずは壁を検査してみる。
壁には何もない、あとは繋ぎめだけど、先に天井を検査してみる。
天井にも何もない、次は床だ、床も検査したけど、何もない、じゃ、あとは角の繋ぎ目を検査してみると、見つかった。
俺が炎の魔法で煙を作り出しても、一定の流れがあることが分かった。
俺は壁と天井の繋ぎ目に近寄り、確認してみる、そして、もう一つの方も確認してみるけど、目では見えないけど、確かに、その部分だけは薄くなっているみたい。
薄くというよりも小さい点のような穴が空いている。
空気の流れがあると言うことが分かったけど、出ていく方より入る方が気になる。
空気が入る方は、どこかの空気がある星じゃないと空気が入ることはない。
または星ならば、俺たちが住んでいる星なのか?
ということは、この星の可能性も出てきたけど、あっそうか、分かったぞ。
空間は、どうして作った人だけが入ることができるのか?
また、その人しか入ることができないのか?
どうして空気があるのか?
これは作った人から空気が入ってきているんだ。
空気が入ってくると言っても、台風のような風じゃない。
微風と言ってもいいような風だ。
空間を作っている人は、どこかに繋ぎ止めておく必要があるから、その繋ぎ目が空気の入る場所なんだ。
たぶん、作った空間を時間が止まる空間に入れたり、そこで作ってしまうと、たぶん空気は流れない。
でも時間が止まるんだから実験ができない。
でも実験ができなくても、正解だと思う。
ということは、それをイメージして検索魔法を使えば、見つかるかも。
でも安易に、今、すぐ、するべきじゃない、ウルフだけならいいかもしれないけど、もう一人のやつの方が問題だ。
準備をしてするべきだと思う。
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